「シャンパーニュ生産者インタヴュー」第2回:「“ブジー”をひたすら表現する」ピエール・パイヤール

the Producers

ピエール・パイヤール


≪★Firadis WINE CLUB生産者一問一答インタヴュー 第2回★≫
-シャンパーニュ『ピエール・パイヤール』-

シャンパーニュの「アルチザン」にその哲学を聞くシリーズ、第2回は1786年から8世代に渡ってシャンパーニュ・ブジー村で栽培を続ける老舗レコルタン『ピエール・パイヤール』。

シャンパーニュで最も力強くなると言われる男性的なスタイルのピノ・ノワールに、優しさを感じさせるエレガンスをもたらす生産者です。
ピエール・パイヤールの考えることは、前回のシャルトーニュ・タイエとどんなところが共通し、どこが異なっているのか?
是非とも、2人の哲学の比較をしてみてください。


ピエール・パイヤール

●あなたの目指すシャンパーニュとは?

ブジーのテロワールをベストに表現したシャンパーニュ。
「ピエール・パイヤールを売りたい」のではなくて「ブジーを売りたい」と思っています。
だからこそ、ラベルの真ん中に地名を載せているんです。

●シャンパーニュ造りの哲学(大切にしていること、考え)

ビジョンは『強さと複雑さ、ストラクチャーを組み合わせること。』
皆口をそろえてこれを言うが、実際に行うのは本当に難しいことです。
ストラクチャーはピノ・ノワールに由来しますが、この品種は栽培や収穫においてタイミングを少しでも間違えるとすぐダメになってしまいます。
醸造ではあまり手をかけずに、収穫されたブドウにありのままを任せます。

一般的に、ブジーはパワフルでへヴィというイメージがありますが、決してそれだけではありません。
畑仕事を真剣にやれば、自然とエレガントなものができます。
力強さをいかにエレガンスにするかがいちばん大事。
飲み終わった後に単純に「良かった」で終わるのではなく、それ以上の何かを伝え、与えられるシャンパーニュでありたいと思っています。

●人生で一番衝撃を受けたワインは何ですか?

①ルソー シャンベルタン1996年
②ドメーヌ・ヴァシュロン サンセール(ミネラル感という意味でこの1本)

●ワイン造りの中で一番嬉しい瞬間は?

毎年4-7月。前ヴィンテージのワインを良い状態でテイスティングできる時期だから。
この作業は一つの形として結果を楽しむことができます。
また、新しいヴィンテージの成長期が始まる季節でもあり、わくわくします。

●ワイン造りにおいて今までで一番辛かったことは何か?どうやって乗り越えたか

2016年のブドウの成長期。天候が悪く収量が45%もダウンしました。
5-7月までは毎日畑で仕事をしていました。
このため、このヴィンテージだけは畑で2度ほどオーガニックではないものを使用しました。(ドイツではオーガニックとして使用出来るものですが、より基準が厳しいフランス国内ではこれを使用するとオーガニックとは名乗れなくなります)この経験は、この先の糧にしていきたいと思います。

●自分の造るシャンパーニュを一言で表現すると?

「ブジー・フォーカス」(ブジーへの探求と傾倒)
*訳注:前回のシャルトーニュ・タイエも一言「メルフィ(産地の村名)」でしたね・・・。
共通する考え方を感じます。

●あなたにとって“RM(レコルタン・マニピュラン)とは何か?

シンプルな意味で言うと自分の畑のブドウのみを使ってシャンパンを造るということ。
例えばネゴシアンとして買いブドウを瓶詰するのは良いと思うけれど、自社畑のものとブレンドするのは違うと思います。
仮に自分がネゴスをやるとしても、買いブドウと自分の畑のブドウは決してブレンドしません。

 

・・・如何でしたか??

やはり彼もタイエと同じく「テロワール純粋主義者」的な哲学を持つ造り手です。
シャンパーニュの若手生産者のグループでは、近年この考え方が主流になってきています。
「造りこみ、手をかけ過ぎることを避け、収穫したブドウに全てを委ねる」。
この姿勢は、ブドウ栽培に最大級の創意工夫と努力を尽くしたからこそのもの。

ことし最後に皆さまにお薦めするのは、勿論ピエール・パイヤール。
彼が手塩にかけて育て、仕込んだシャンパーニュ、じっくりと体験してみてください。
『ピエール・パイヤール レ・パルセル ブジー・ブリュット・グラン・クリュ N.V.
http://firadis.net/product/281/  
↑ まずはピエール・パイヤール自信のエントリーレンジ「レ・パルセル」!

Firadis WINE CLUB 店長 五十嵐 祐介