日当たりのよい南向き斜面で造られるリッチな果実味が樽熟成とマッチングし、さらに熟成によって滑らかな口当たりに昇華されている。旨味を中心にしなやかな酸味が伸びていき、洗練された華やかなフィネスを兼ね備える完成形といえる味わいです。凝縮した果実感を求めがちなブルネッロの中で、北西部の高い標高で造られるブドウからは重さだけでない、しなやかな味わいのワインに仕上がっている。ちょうど飲み頃を迎えはじめた今だから、ゆっくりと雄大なスケール感を楽しみたい。 2010年は醸造家が変わり、以前のまろやかジューシーワインからエレガントピュア果実ワインへと変化した。現在と違い混醸ブドウで造っていた頃ならではの複雑味は懐かしくもあり、今では味わえない魅惑的な雰囲気を醸し出しています。「カンヌビ・ボスキス」と並び代表的なワイン「レ・ヴィーニェ」を生産量の１０％のみ熟成させ、１０年後にリリースする蔵出しワイン。ヴァルマジョーレはロエロ地区のグランクリュとも言われ、しなやかなタンニンと華やかな余韻が魅力的。熟成によって複雑味の増したネッビオーロの姿を体感して頂きたいです。世界的に人気上昇のブドウ品種、ピノ・グリージョ。豊かな果実味に調和する心地よい渋みが特徴です。アルト・アディジェ州のワインが持つキレのある高い酸味とクリスピーなミネラル感がワインを洗練された味わいへと昇華させています。１０℃程の低い温度帯で、川魚のグリルやアスパラなど野菜のリゾット、天麩羅や生春巻きなどのエスニックまで幅広くペアリングが楽しめます。近年アドリア海側の注目ブドウ品種として取り上げられることの多いパッセリーナ種。爽やかな柑橘の香りと充実した酸味が爽快な味わいとなり、後味に心地よいハーブ香が感じられます。魚介類のトマト煮込みや白身魚の塩焼き、あさりの酒蒸しなど海洋性の塩味との相性が非常に良いワインです。高品質白ワインの産地として有名なフリウリ地方を代表する土着品種フリウラーノ。フローラルな香り、柔らかなアタックから華やかで芳醇な果実味が余韻まで長く続きます。１２℃くらいのあまり冷やしすぎない温度で、蟹や海老などの甲殻類や白身肉のローストなど一緒にお楽しみください。イタリアで生産されるリースリングのワインを語る時に、必ずこの生産者の名前がでるでしょう。豊潤な香りが充満し、ミネラル感豊かでまろやかなテクスチャーが口いっぱいに広がります。味わいは酸の効いた辛口で、熟成と共にオイリーな蜜のトーンが生まれます。現在でも若々しさを感じる長期熟成タイプのワインで、白身肉や脂ののった青魚を焼いた料理とも合わせる事が出来ます。過去にはボルドー、現在はチリなどで注目を集めるブドウ品種のカルメネールとカベルネ・フランのワイン。黒い果実を想わせる凝縮した果実味と程よいスパイス香にクリーンナチュラルに仕上げられた旨みが加わっています。新樽を上手く使ったコクのある上品な味わいは馬肉の煮込みやレバニラ炒め、お好み焼きなど幅広い食事と楽しめるワインです。冷涼エリア、高い標高、フィロキセラの害がない古木、ビオロジック、土壌の個性違いなど、ワイン好きを虜にするキーワードの宝庫である為、近年世界から最も注目されたイタリアの赤ワインがこのエトナ。活火山のエトナ山を囲むような生産エリアの中でも最も偉大な赤ワインが出来ると言われる北側で造られるこのワインは旨みと余韻が折り重なって長く持続していきます。南イタリアを代表する、歴史の深い高品質ブドウ品種であるアリアニコ種。酸やタンニンが強く、タールのような凝縮した果実味に黒胡椒のようなスパイス香が加わり近寄り難いイメージを与えるが、実に懐の深いワインになるからこそ南イタリアの多くで栽培されているのでしょう。仔羊肉との相性は抜群で、うなぎの蒲焼やカレーなどスパイシーな料理とも楽しめます。イタリアの代表的な黒ブドウ品種サンジョヴェーゼをどう表現するかは、各生産者の永遠のテーマかもしれません。ブドウのポテンシャルを信じて、混じり気のない優美で香り豊かなサンジョヴェーゼの魅力をここまで見事に表現したワインは数少ないでしょう。飲み頃の熟成感と果実の旨みを、キノコ類や鶏肉の料理と一緒に味わって頂きたいです。新樽バリック熟成が注目されたバローロ・ボーイズの一人であるドメニコ・クレリコが晩年に集大成として造り上げたバローロ。複数の畑のブドウをブレンドしてバランスを取り、大樽でゆっくりと熟成させる。厳格ながら、しなやかでシルキーな味わいは、現代的なバローロとしてこれからも主役でありつづける逸品と言えます。

− PROFILE

永瀬　喜洋

株式会社クアトロヴィーニ

学生時代にアルバイト先でワインに出会ってからイタリアワイン一筋で活躍を続けるスペシャリスト。
2001年からはイタリアのレストランでソムリエとして従事し、ヨーロッパのソムリエがレストランだけでなく様々な分野で活躍していることを目の当たりにした。日本のソムリエの活躍の場を広げること、美味しいイタリアワインが日本どこでも飲めるようになることを自らの使命とする。
第8回JETCUPイタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール優勝。
イタリアワイン通が足繁く通う名店「ヴィーノデッラパーチェ」「ラソスタ」でソムリエとして活躍したのち、独立。
現在はワインスクール講師、ワイン販促のアドバイザー、プロモーションの企画・運営、飲食店のドリンクアドバイスなど、日本でのイタリアワインの普及に尽力している。

◆Firadis WINE CLUB店長より永瀬ソムリエのご紹介◆
この「人気ソムリエに聞くおすすめワイン特集」ページを開くにあたって、イタリアワインカテゴリーは誰にお願いをしようか・・・と悩むまでもなく「まあ、それは永瀬さんしかいないよな」と思い至りました。日本で間違いなくトップのイタリアワインバーで経験を積まれ、広く深い知識でファンを魅了する永瀬さんのセレクション。レストラン現場経験の長い彼ならではのペアリング提案も勉強になります！

− CAREER

2001年イタリアに渡り、レストランにてソムリエとして従事しながら20州のワイン生産者を訪ね見聞を広げ、2007年までの間に日本とイタリアを行き来し数々の新規レストラン立ち上げに参画
2008年上京後、西麻布のVino della Paceにてイタリアワインを専門的に扱い、料理との相性を学びながら勤務
2014年第８回イタリアワイン・ベストソムリエコンクール(JETCUP) 優勝駐日イタリア大使館公認　イタリアワイン大使　拝命
2015年白金台La Sostaにてディレクター兼ソムリエとして、リストランテでのイタリアワインやノンアルコール飲料と料理のペアリングを確立
2018年株式会社クアトロヴィーニ設立
ワイン輸入業者へのセールスアドヴァイス、ワイン販促プロモーションの企画・運営
食事会ナビゲーター、セミナー講師、飲食店へのワインリストの提案やスタッフ教育等を中心に経営