アルザスでは、ピノ・ノワールがグラン・クリュ格付けに認定されるという記念すべき日を迎えました。
赤ワインがグラン・クリュ格付けの仲間入りをしたアルザスでは、トップクラスワインに大きな変化が生まれそうです。
歴史的に白ワインのみが認められていたアルザスのグラン・クリュでしたが、2022年5月、フランス議会はピノ・ノワールをグラン・クリュの2つの畑において正式に認定、赤ワインが登録されました。
2022年ヴィンテージ以降、Hengst (53ha)、Kirchberg de Barr (40.6ha) という2つの畑で、グラン・クリュ・ピノ・ノワールの生産も許可されるようになったのです。
両畑ともにピノ・ノワールが全く知られていなかったわけではなく、Hengst の10%はピノ・ノワールが植わり、ワイン生産者はすでにこの区画からのブドウで赤ワインを生産していましたが、ラベルに「グラン・クリュ」の称号はありませんでした。フランスの日刊紙 20 Minutes によると、3番目のグラン・クリュ候補の Vorbourg は、各畑の候補をグラン・クリュとして承認する前の試飲委員会によって取り下げられたと言います。
アルザスワイン生産者協会 (AVA) の広報担当者は 20 Minutes に「Vorbourg の決定は保留になった」と語っています。「試飲時の味わいがあまりに多様で方向性が定まらなかった事が原因です。しかし、数年後には承認される事を望んでいます」
アルザス初の赤のグラン・クリュワインは、2023年後半に市場に登場する予定です。5月9日に発表された法令は、「グラン・クリュの赤ワインは、収穫の翌年の10月1日まで熟成させなければならない」というものでした。
この法令では、赤ワインの収量を比較的低い1haあたり40hlに設定していますが、これは遅摘みのセレクション・ド・グラン・ノーブルの白ワインの最低要件と同じです。白ワインの収量は、1haあたり50hlに設定されています。
この新しい制定は、認可された2つの畑のワイン生産者達にとって、10年にも渡るロビー活動の集大成だと言えるでしょう。この地のピノ・ノワールの植樹は、両畑がグラン・クリュに昇格した1983年まで遡るケースもあるといいます。
「私の父 Pierre は、35年近く前にKirchbergに最初のピノ・ノワールを植えました」
地元のワイン生産者、Jean-Daniel Hering はフランスの国営放送のインタビューにこう答えています。
引用元: https://www.wine-searcher.com/m/2022/05/alsace-grands-crus-go-red
この記事は引用元からの許諾をいただき、Firadisが翻案しています。
文責はFiradisに帰属します。