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ブルゴーニュの次なる白品種の台頭

 

ブルゴーニュでは長い間シャルドネが不動の地位を築いてきましたが、現地の栽培家たちは今アリゴテに注目しています。

 

Domaine Arnoux-LachauxのCharlesがこの品種に没頭するきっかけとなったのは、Domaine d’Auvenayの造るピュアでテロワールを強烈に反映するアリゴテでした。

「畑にはいつもアリゴテの木がありましたが、ブドウは売っていました。そこで私は自分に言い聞かせたのです。アリゴテを自分で醸造してみたらどうだろうか?」今日、Charlesのアリゴテは、この地で最も需要の高い1つになりつつあります。

「アリゴテには大きな未来があると思います。」Charlesは、アリゴテはシャルドネよりもフレッシュなワインになることが多く、地球温暖化が進むにつれてこの品種が有利になる可能性を述べています。

また、Chanterêvesの栗山朋子氏は、アリゴテはうどんこ病に強いため、シャルドネよりも栽培が容易であることが多いと説明しています。

 

一方で、栽培家はアリゴテの木の繁殖力に細心の注意を払わなければなりません。この品種は注意深く栽培しないと、非常に高収量になってしまう可能性があるからです。

Charlesに同調して、栗山氏は特に地球の気温が上昇するにつれて、アリゴテに元来備わる高い酸が有利になると述べています。

彼女と夫のGuillaumeは、潜在アルコール度数が12.5〜13%、あるいはそれ以上の時にアリゴテを収穫すると述べています。「シャルドネは13%になると急速に酸味を失います」と言い、二つの品種の違いを説明します。

 

「過去に多くのドメーヌがアリゴテをネゴシアンに売り払っていたという背景をみると、今はより多くのドメーヌ産アリゴテを見ることができます」と栗山氏は言い、Sylvain Pataille, Nicolas Faure, Jean-Marc Roulotのような先駆的な生産者たちを引き合いに出します。

「これからはもっと多くの造り手が彼らに目を向け、『収量を低く抑えれば、アリゴテで何かできる』と思うはず。それは大きな進歩です。」

 

「熱心なコレクターやワイン愛好家たちは確かにアリゴテを知っていますが、ブルゴーニュの白ワインを探しに来る一般の消費者はおそらくその存在に気づいていません」とニューヨークのワインショップ Tribeca Wine MerchantsのセールスディレクターLauren McPhateは言います。

ショップではアリゴテをたくさん売っているというわけではありませんが、店は長い間Domaine Leroyのアリゴテの支持者であり、「非常に高価な生産者のラインナップ中で手頃な価格を提供してくれるのがアリゴテなのです」と述べています。

また、「Sylvain Patailleのアリゴテは世界クラスであり、同等の品質のシャルドネと比較しても手頃な価格となっています」と述べています。

 

「歴史的にアリゴテは生産するドメーヌ側も販売する市場側でもどちらも低価格で取引されていました。」とChittickは言います。

しかし、彼は「Les Aligoteurs」のようなアリゴテ専門のイベントが品種の可能性を見出し、単一区画で収量が抑えられたアリゴテは非常に競争力の高いものになりうる、という点を強調します。

「アリゴテの価格はあがってきており、それはシャルドネと同じくらい面白く、さわやかで、ミネラル主導になりうることが人々に示されてきたから」と彼は言い、アリゴテでも高価格で勝負できることを証明してきた強力なパイオニアとしてNicolas FaureやBenoît Enteなどを引き合いに出しています。

 

では、アリゴテの将来はどうなるのでしょうか。「人々の認識は変化しています。みなブルゴーニュから何か新しいものを探しています。若い世代の生産者は新しい品種を見つけることに大変満足しています」とChittickは言います。

彼はまた、アリゴテはあるドメーヌのワインを味わう際の最初のワインとなることが多いので、しっかりとしたエントリーレベルのキュヴェを持つことは良い第一印象につながると述べています。

 

McPhateは、消費者の間でもアリゴテが成長する余地があることを指摘します。一般的なワイン消費者は長い間ブルゴーニュの価格高騰に辟易してきましたが、アリゴテは手に入れやすいという価格の安心感を与えてくれるのです。

 

「特にロンドンのような伝統的な市場では、新しい品種を求めるという動きがすでに見らます。人々が在宅勤務を続けるほど、この傾向は続いていくと思っています。

見せびらかすためのワインでなく、新しいものへの探索が増えていくでしょう・・・小売業者としてこうした動きを見るのは本当に楽しいことです。」

 

「海外での印象はわかりませんが、アリゴテのブームはその瞬間を迎えているように感じます」とChittickがまとめています。

引用元:https://www.wine-searcher.com/m/2020/11/the-rise-of-burgundys-other-white-wine
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