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オレゴンワイナリーのブルゴーニュ進出

ピノ・ノワール界に逆転現象が起きました。オレゴンのワイナリーがブルゴーニュのグラン・クリュの畑を購入したのです。

 

金額は非公開ですが、Willamette Valley のワイナリーDomaine SereneのオーナーであるGrace Evenstadが、VougeotのワイナリーDomaine Christian Confuron et filsを買収したのです。ワイナリーの施設は契約条件に含まれていませんが、Bonnes MaresやClos de Vougeotを含むグラン・クリュの区画、Chambolle MusignyとNuits St. Georgesのプルミエ・クリュの区画、そして複数の村名区画です。

 

Evenstadにとって今回が2回目のブルゴーニュにおける買収でした。2015年、彼女と夫であるKen(2020年に逝去)はSantenayのワイナリーChateau de la Creeを買収し、15世紀に建立されたピンク色の施設と、複数のプルミエ・クリュを含むCote d’Or周辺に位置する約10haの区画を獲得しました。

 

部外者がブルゴーニュの土地を購入するのは非常に困難です。特にグラン・クリュの区画は相続法により何世代にも亘って細分化され、1区画に数本のブドウ樹しか植樹出来ないため困難を極めます。今回のグラン・クリュ獲得が成功した理由について、Evenstad と彼女の会社がChateau de la Creeの買収を丁寧に進めたからだとEvenstadは語ります。

 

「私たちがブルゴーニュに来てから6年になります。ブルゴーニュで起きる全てのことは信頼関係の上で成り立っています。ブルゴーニュのコミュニティーで6年間を過ごし、人々は私たちが畑やワイナリーを丁寧に扱えること、上質なワインを造ること、そして私たちが高潔であることを理解しています。」

 

少量生産

グラン・クリュの新たなワインには戦略があります。Evenstadは、このワインが小売で流通させるほどの量にはならないだろうと予測します。

 

「私たちが所有する区画は非常に小さいので、70-150ケース程度のワインしか生産出来ないと思います。それでは50州に流通させる程の量にはなりません」とEvenstadは説明します。

 

Domaine Sereneに訪れる顧客と触れ合う中で、アメリカ人がブルゴーニュにあまり精通していないことをEvenstadは悟りました。(Wine Sercherによる脚注:アメリカ人は非常に精通しているかほとんど知らないかの二極で、中間に属する人があまりいません)

 

「私たちはSantenayの知名度向上のために支援をしました。Domaine Sereneのテイスティング・ルームでSantenayのワインを販売していますし、アメリカ人にブルゴーニュについて教育しています。ブルゴーニュは小難しいので、教育的な側面でフォローをしてきました。Santenayにおける私たちの貢献がコート・ド・ニュイでの買収成功の理由だと思います」とEvenstadは述べています。

 

グラン・クリュの区画を手に入れる秘訣をEvenstadは次のように説明し、まとめています。「土地の購入に興味がある場合、それを相談すべきブローカーが何人かいます。彼らは売りたがっている人たちも知っているので、そうした人とコネクションをつくることがポイントなのです。私達は6年ブルゴーニュにいるので、すでにそのツテがあるのです。」

引用元:https://www.wine-searcher.com/m/2021/06/oregon-winery-buys-into-burgundy

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