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ブルゴーニュ2021年: 小規模だけれど素晴らしい

ブルゴーニュの生産者は、ひどい霜害の影響にもかかわらず、2021年ヴィンテージのワインについて喜んでいます。


2021年4月、ブルゴーニュが壊滅的な春霜に屈するのを、世界中のワイン愛好家が恐怖の眼差しで見つめていました。何千本ものキャンドルが灯されたにもかかわらず、大部分はすでに被害を被っていました。

 

しかし、救い出すことができたものは、まさに素晴らしいワインとなりました。近年のヴィンテージのようなフルボディのワインとは対照的に、2021年はフレッシュで生き生きとしており、繊細なストラクチャーと高いレベルの酸を特徴とする古典的なブルゴーニュのヴィンテージを彷彿とさせるものです。とはいえ、残された道のりは容易ではありませんでした。産地の4人の生産者が、この困難でありながら記憶に残るヴィンテージの経験を紹介します。

 

難しい年

マルサネ・ラ・コートでは、Arthur Clairが、2021年は霜以外にも、シーズンを通して難しい生育条件だった事を述べます。「4月に“霜が降り”、特に6月には病気と闘わなければなりませんでした」と彼は言い、2021年はドメーヌが2015年以降で経験した中で最も涼しいヴィンテージだったと付け加えました。Clairは2021年、ドメーヌは黒ブドウの50%、白ブドウの70%という驚異的な量を失ったと明かします。生き残った区画では30hl/haのブドウが収穫できましたが、一族の他のブドウ畑では10hl/haの収穫しかなかったそうです。

 

ムルソーでは、Pierre-Vincent Girardinも、2021年はここ数十年で最も厳しいシーズンだったと同意します。「3月末の気温が高かったため、芽がすでに出ていた」と述べ、これが、霜が降りたときに多くのブドウの木が倒れる原因となりました。さらに、Girardinは、霜によって多くのブドウの木が成長を遅らせたため、畑の区画ごとに生育が不規則になったと説明します。「そのせいで、通常の2〜3倍の作業をしなければならなかった」と語ります。

 

ボーヌでは、David Croixが、両品種とも被害を受けたが、特にシャルドネが影響を受けたと語っています(彼は21年の霜は、4月6日から8日の3日間に起こった事を確認します)。「霜が降りた後、残りのシーズンは肌寒く、雨が多かったのです。通常雨はカビ病を引き起こす事になり、よってこれがヴィンテージの2つ目の苦難になりました」と言います。Girardinもこれに同意し、病害の危機が迫っていたため、生育期の初期に苦労が続いたと述べています。

 

シャブリでは、4月6日に霜が降り、翌日には雪が降り、4月15日までブドウの木が雪に覆われたと、Charlène Pinson は述べています。「ブドウの木はかなり影響を受け、もう戻ってこないと思った」と彼女は言います。さらにCroixは、銅の散布やボトリティスのついた果実の選別など、ブルゴーニュ人の多くが「今ではもうあまり慣れていない」作業を行わなければならなかったと指摘します。

 

剪定の安全性(一部)

しかし、被害を受けなかった区画については、大半のワインメーカーが遅めの剪定で救われたと言っています。例えば、Croixはコルトン・シャルルマーニュのシャルドネの木を3月30日に剪定しました。「ロウソクも使わず、霜対策も何もせずに30-35hl/haの収穫があったのに、早い時期に剪定をしてロウソクを使った他の人達は全てを失ってしまった」と彼は言います。しかし、Croixは、剪定が遅ければ遅いほど芽吹きが遅くなるという考え方が中心であるとしながらも、必ずしもそう簡単ではなく、霜がいつ降りるかによって、全てが変わってくると断言します。

 

「霜が降りたのが早かった事と芽が出た段階が、2021年の全ての違いを生んだ」と彼は言います。「4月28日に霜が降りていたら、いつ剪定してもよかったのですが、霜が降りたのがとても早かった、つまり、芽吹きが始まったばかりだったので、早く剪定してしまうと、芽吹きを早めてしまい、結果としてダメージを受けてしまう可能性がありました」。彼は、「ラッキーで嬉しい」と思う一方で、遅く剪定すれば、霜害が必ず完全に回避できるものだと皆に誤解されたくない、と言います。「我々にとって、2021年はたまたま上手くいっただけ」

 

グラスの中で

テイスティングの観点から、Clairは2021年のワインをフレッシュで繊細だと表現しています。

 

マロラクティック発酵が完了した事で、「ブルゴーニュのクラシックなヴィンテージに戻りました」と言い、このヴィンテージを「とても親しみやすい」と評価しています。

 

Girardinは、ワインに顕著な酸があるのは、このヴィンテージが高温でなかったためであり、ゆっくりと熟すことでアルコール度数が低くなり、全体として素晴らしいバランスになったと述べています。

 

Croixは、2021年のワインが熟成期間中に大きく変化したことを指摘します。「発酵中の最初のタンクを試飲したとき、自分の味覚と舌をリセットする必要がありました。特に20年と比べると、あらゆるものが少なかったので、ワイン造りには時間がかかりました」と彼は言い、マロラクティック発酵後もワインは控えめで淡い色をしていると付け加えました。しかし、ワインは時間とともに濃くなり、より骨格のあるものになる事があります。「樽で1年寝かせた後、質感が増したので、最終的には、よりクラシックなアロマをもちながら、十分にフェノリックで、深み、テクスチャーがあり、良いバランスのヴィンテージになった」と話しています。

 

Croixは、彼のワインについて、より明るさと快活さを示し、よりフレッシュでより高い酸があると説明し、また、ワインの色は淡く、その結果、通常よりもフェノール感は少ないと指摘します。

 

概要

2021年のようなヴィンテージの最大の問題は、人々がワインを試飲する前に悪い評判を立ててしまうことだとCroixは指摘します。2020年や2022年といった年が気象条件によって大きな賞賛を受けるのと同じようにです。

 

「人々の考えの中には、暖かく晴れた日には美味しいワインができ、“寒い”雨の日のワインは不味いという連想があります。しかし、暖かく晴れた年のワインを飲んでみると、大柄でありすぎたり濃厚すぎたりして、雨や寒い年のワインの方が彼らの好みだという事があります」2021年は生育条件が悪く、生産者に手間のかかる努力を要求していますが、季節の複雑さをさらに検証すること(そして何より、そこから生まれるワインを味わうこと)は、ヴィンテージの本当の姿を理解するための鍵です。

 

まとめると、2021年で生き残ったワインは有望であるという事です。

 

「私は2021年が大好きです!」長い生育期間のおかげでブドウの糖分と酸が凝縮され、クリーンでリッチ、かつエレガントで素晴らしいバランスのワインができたと、Pinsonは絶賛しています。

 

「果汁は精密で、それぞれのテロワールが非常によく表現されています。2021年は試練が多く、ストレスも多かったです。というのも、最後まで残った数少ないブドウを収穫するために、作業が倍増したからです。しかし、非常に困難な年に高品質の果汁を手に入れることができ、本当に嬉しく思っています。私たちはやり遂げました!」

 

 

引用元: Burgundy 2021: Small but Spectacular

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