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最高のヴィンテージでも、シャンパーニュの販売低迷は隠せず

、収穫量の改善、健全なブドウの樹―それでもなぜシャンパーニュは依然として市場での苦戦を強いられているのでしょうか。


2025年のシャンパーニュは多くの面で成功の年でしたが、最も重要な点、「販売」においてはそうではありませんでした。

 

AVC(シャンパーニュブドウ栽培者協会)の年次総会は、長年にわたりシャンパーニュにとって「真実が明らかになる場」と考えられてきました。そこでは栽培期や収穫に関する最終データ、さらに年末までの販売金額および数量の見通しが公表されています。

 

総じて2025年のAVCは、小さな成功から大きな成果までがある一方で、将来的に大きな警鐘となり得る要素も含む、複雑な内容となりました。

 

まず初めに、2025年が並外れて優れた収穫年であったという感触は、CIVC(シャンパーニュ委員会)の初期データによって裏付けられ、「一生に一度のヴィンテージ」になり得る可能性が示されました。ほぼ全域で完熟に達し、平均的な潜在アルコール度数はシャルドネで11.1%、ピノ・ノワールで10.6%、ムニエで10.5%となりました。同時に酸度も維持され、酒石酸:平均6.9g/L、リンゴ酸:平均5.4g/L、平均pHは3.08という低い数値を示しました。

 

平易に言えば、2025年は糖と酸のバランスが完璧に近く、果実味豊かでフレッシュさ、エレガンス、そして長い余韻を備えたワインになることを意味しています。発酵は大きな問題なく進み、最初のヴァン・クレールは驚くべきポテンシャルを示しています。

 

さらに平均収量は9,900kg/haに達し、商用基準である9,000kg/haを上回ったことで、特に必要とされていた地域において、わずかなリザーブ用の収穫も可能となりました。この数値は、CIVCが当初見込んでいた10,000kg/haにも非常に近いものでした。ただし、開花初期の寒波により、シャルドネの主要産地である、コート・デ・ブラン、ヴィトリア、セザネの3地域では大きな収量減となりました。

 

収穫結果があまりに完璧に見えたとしても、実際の収穫作業が困難を伴わなかったわけではありません。過去10年間で7度目となる8月収穫が行われ、8月収穫は例外ではなく、もはや常態となりつつあることを示しています。成熟は急速に進み、週によっては潜在アルコール度数が2~3度分も上昇するケースが見られました。そのため、生産者は休暇を急きょ切り上げて収穫準備に戻らざるを得ない状況が頻発しました。

 

公式の収穫カレンダーでは史上最も早い8月18日が解禁日とされましたが、多くの生産者はフェノール成熟を待つため、実際には公式の解禁日から4日後に収穫を開始しました。収穫期の涼しい天候は、摘み取りや圧搾にほぼ理想的な条件をもたらした一方、すべての品種がほぼ同時に理想的な成熟に達し、収穫順の調整に課題を生みました。それでも、ほぼ完璧と言える最終結果は、8月の収穫でも素晴らしいワインを造ることが可能であることを証明しました。

 

もう一つの希望の兆しは、シャンパーニュにおいてフラヴェサンス・ドレ病の封じ込めが始まりつつあるように見える点にあります。

 

感染樹の数は2023年から2024年にかけて10倍に増加し、合計1万本に達しました。この急増を受け、CIVCとSGV(シャンパーニュ地方ブドウ栽培・醸造業者組合)は、感染樹だけでなく、その半径30メートル以内のすべての樹を含めた厳格な抜根方針を導入しました。彼らは県当局に働きかけてこれらの措置を法制化し、シャンパーニュはフランスで初めて、フラヴェサンス・ドレ対策を法律によって義務付けた地域となりました。

 

その結果、2024年秋には18ヘクタールが抜根され、2025年は22,350ヘクタールが検査され、調査対象はアペラシオン全体の3分の2にまで拡大しました。これらの検査で新たに1万本の感染樹が確認され、病害は爆発的拡大ではなく、横ばい状態に入りつつあることが示唆されました。

 

落ち込む販売

残念ながら、現在のシャンパーニュの販売状況については同じことは言えません。2024年、総販売本数が2億7,170万本まで落ち込み、底を打ったと考えられていましたが、2025年はさらに減少する見込みです。2025年10月時点のMAT(移動年計)は2億6,920万本で、2024年のMATを1.2%下回っています。年初から10か月間の販売は、2024年同期間比で1.3%減少しました。このペースで減少が続けば、年間販売本数は約2億6,800万本で着地する可能性が高いです。

 

SGV会長でありCIVC共同議長でもあるMaxime Toubartは、AVC年次演説で、2024年よりさらなる販売減があると述べましたが、詳細には触れませんでした。UMC(・メゾン連合)会長で、CIVCにおけるToubartのカウンターパートであるDavid Chatillonは、過去12か月の販売が約2億7,000万本前後で推移しており、これは底打ちの兆しと解釈できると述べました。彼は2026年の見通しも同様になると警告し、販売実績は市場の実需を反映しているとした上で、逆風の中でも米国での販売は今のところ維持されていることを示唆しました。

 

これは少なくとも短中期的にはアペラシオンの将来にとって好ましい兆候とは言えず、Toubartは、シャンパーニュの脆弱な均衡を保つには年間販売量が早急に3億本へ回復する必要があると説明しました。

 

さらにChatillonは、シャンパーニュ出荷時の平均ボトル価格が下落しており、売上高の減少も見込まれると発表しました。

 

この予想外の平均価格下落の主因は、製品構成の多様化にあります。プレステージ・キュヴェのカテゴリーが打撃を受け、その分、より安価なノン・ヴィンテージ・ワインに置き換えられているようです。もう一つの理由として、ユーロが対ドルで約10%上昇したことが挙げられます。米国はシャンパーニュ最大の輸出市場であるため、関税以上にこの為替変動が価格下落に影響した可能性があります。

 

税関データによれば、2024年10月から2025年9月までの平均ボトル価格は、前年同期比で約23%下落しています。これは、多くのメゾンがトランプ関税の少なくとも一部を吸収している可能性を示しており、1本当たりの利益率も2025年は低下したというChatillonの発言を踏まえると、その見方はより現実味を帯びています。

 

しかし残念ながら、これは米国のシャンパーニュ愛好家にとっての価格低下にはつながっていません。豊富な業界経験を持つ米国在住のマスター・オブ・ワイン、Joel Buttlerによれば、数年前に出荷価格が引き上げられた際、米国の3層構造の流通モデルがシャンパーニュ価格の大幅なインフレを引き起こしたといいます。これは、特に現在の経済環境において、シャンパーニュは多くの米国ワイン消費者にとって手の届かない存在となっていることを意味します。このことは2023年に米国向け販売が大きく落ち込んだ理由、そしてそれ以降この市場シェアを取り戻せていない理由も説明しています。

 

しかしChatillonによれば、今後価格が下がる可能性は極めて低く、特にこれから販売されるボトルは製造コストが上昇しているといいます。比較的高い金利環境下で在庫量が増え続けていることが、最大の要因です。Chatillonは、2024年の在庫量が12億7,900万本に達しており、これは現在のMATベースで4.75年分の販売量に相当すると述べました。これは理想とされる4.2年分の在庫水準を5,000万本上回っています。生産コストの上昇と1本当たりの利益率の低下は、価格がさらに上昇する可能性を暗に示しており、市場がそれを受け入れにくいことをChatillon自身も十分に認識しています。

 

おそらく史上初めて、両共同議長は、消費者の目におけるシャンパーニュの魅力低下の可能性に言及しました。

 

Chatillonは、この問題を検証し、とりわけフランス市場においてシャンパーニュが王座を取り戻すための解決策を提案するワーキンググループを組織したと発表しました。Toubartは、依然として最大市場であるフランス市場が、2010年の1億8,500万本から2024年には1億1,800万本へと、過去15年間で36%縮小したことを改めて指摘し、この市場シェアを少しでも取り戻すことが極めて重要だと強調しました。残念ながら、最新のMATでは2024年からさらに3.2%の減少が示されています。

 

最後に明るい話題として、品質・サステナビリティ部門は、2025年までにカーボンフットプリントを25%削減するという長年の目標を上回る成果を達成したと発表しました。

 

2025年のカーボンフットプリントはCO₂換算で58万583トンとなり、2003年の80万トンから27%削減されました。この削減に大きく寄与したのが、2010年以降、900gではなく835gの軽量ボトルを採用するというアペラシオンの取り組みです。その後も試験が重ねられ、Champagne Telmontが先駆けて開発・検証した800gボトルが、昨年商業的に導入されています。

 

引用元:Classic Vintage Can’t Hide Champagne Slide

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