フィラディスワインニュース

地下、地上、そして自由なワイン造り

ワインは伝統的に、暗い地下セラーで造られ、熟成されてきました。しかし、完成したワインにとって、セラーは本当に地下の方が優れているのでしょうか。地上にあるセラーを、セラーと呼べるのでしょうか。


ワインセラーは魔法が起こる場所ですが、環境や施設の特性はワインの味わいに大きな影響を及ぼします。地上のセラーが標準になりつつあるとはいえ、多くのワインメーカーは、地下セラーの利点には依然として敵わないと考えています。

 

したがって、一つの疑問が浮かび上がります。地上の利便性は、ボトルの中で失われるものを補うだけの価値があるのでしょうか。この問いに対して、4人の業界専門家にそれぞれの環境の長所と短所、そしてその快適さが犠牲に見合うものかどうかについて話を聞きました。

 

地上セラーの利点

2020年、ブルゴーニュのBenoît Moreauは、スペースと作業効率を最大化するため、シャサーニュ・モンラッシェに新しい地上セラーを建設しました。

 

「現代的な施設の利点は、隅々まで最適化されていることです。コーナーや中二階、屋根付きの屋外作業スペースまで無駄がありません」と彼は語ります。Moreauは、収穫の繁忙期や出荷の時期において、十分なスペースがあることが特に役立つと指摘しています。さらに、地上の施設は一般的にワンフロア構造であるため、作業や動線が簡素化できることも強調しています。

 

スペインの5代目当主Miguel Torresもこれに同意し、地上のワイナリーは通常、建設期間が短く、コストも抑えられるうえ、設備へのアクセスや物流、さらには将来の設備更新や増築への柔軟性にも優れていると述べています。

 

同様にTorresは、地上施設を設計する過程で、自然採光や再生可能エネルギーを取り入れやすく、環境負荷を軽減する工夫を組み込みやすい点にも言及しています。例えば、カタルーニャにある同家の旗艦ワイナリーは、屋根に白い砂を敷き詰めています。これにより太陽放射を反射し(アルベド効果)、下階にある樽熟成庫の冷却負荷を軽減しています。

 

文字通りのコストと、比喩的なコスト

しかし、地上施設のすべての側面が持続可能、あるいは経済的というわけではありません。Torresは、地上施設は外気温の変化を受けやすく、結果として冷暖房システムへの高い要求とコストが発生すると説明しています。

 

施設を安定して維持するためのコストに加え、現代的な施設を建設する費用自体が非常に高いこともMoreauは指摘しています。これは生産規模に関わらず不利な点ですが、小規模な生産者にとってはさらに厳しいものです。その上、地上施設の利点にもかかわらず、Moreauはその壁の内側で常に何かが欠けていると感じています。

 

「空調やミストシステムで湿度を作り出しても、伝統的な地下セラーが持つ自然な涼しさや香りを真に再現することは絶対にできません」とMoreauは語り、地下セラーでは温度と湿度がほぼ一定に保たれるため、熟成中にワインが大きな環境変化を受けずに済むと説明しています。

 

湿度と安定性に加え、Willamette Valley Vineyardsの醸造学者であるAlexis Doyle Langerは、日光からの保護やエネルギー効率の向上など、地下セラーのさらなる利点を挙げています。Moreauもこれに同意し、地下セラーの湿度が樽からの水分の蒸発を最小限に抑え、結果として製品ロスの低減にもつながると明かしています。

地下に潜む魔法

上記のワインメーカーたちと同様に、インポーターのNeal Rosenthalも地下セラーに対して強い思いを抱いています。

 

50年にわたるキャリアの中で、Rosenthalは多くの名高い生産者が施設を地上に移すのを見てきましたが、それはワインに顕著な変化をもたらしました。

 

「地下では、ある種の神秘的なことが起こっています。中に入ってクモの巣を目にし、土の湿気を感じることができます。その環境は、あらゆる種類の興味深いバクテリアの培養皿のようなものです」と彼は明かし、そのバクテリアが発酵や樽熟成の過程に極めて重要な役割を果たしていると付け加えています。

 

キャリア初期、Rosenthalはシャンボール・ミュジニーで、同じ畑のブドウからワインを造る隣同士の栽培家を訪ねたことを思い出します。

 

「彼らは文字通り道を挟んで向かいに住んでおり、セラーでの造り方も同じでした。1981年当時は、誰もが同じように作業していたのです」と彼は言います。しかし、瓶詰めされた両方のワインを試飲した際、彼はその風味のプロファイルと骨格に明確な違いがあることに気づきました。唯一の違いはセラーの場所でした。「これは、テロワールに対する私の定義にさらなる洞察を与えてくれました。テロワールとは、土地の物理的な要素だけでなく、セラーの特性を含む文化的な要素も含まれるのです」

 

とはいえ、時間がお金に直結する現代社会において、Rosenthalは、多くの生産者が施設を地上に移した理由を理解しています。「ワイン造りは肉体的に非常にきつい仕事であり、仕事を少しでも楽にすること自体は何も悪くありません」と彼は述べ、温度管理システムが存在しなかった時代を振り返ります。

 

「暑い年には、収穫したブドウが運び込まれると、醸造家たちはワインに氷を投げ入れたり、発酵タンクに水をかけたりしていました。他に温度を下げる方法がなかったためです。今ではボタンを押して寝るだけです」と彼は言い、それは良い悪いという話ではなく、魔法はしばしばそうした混沌の中に宿るのだと繰り返します。

 

同様の理由で、Rosenthalは現在一般的となっている短いエレヴァージュ(熟成期間)にも異議を唱えています。これはセラーで過ごす時間に直接関係しています。

 

「ワインは時間をかけて樽の中でさまざまな香りや要素を身につけます。より管理された環境へ移すことで、確かにコントロール性は高まりますが、その一方で多くの神秘を失うことになります」と彼は言います。

 

新しい世代のワインメーカーを訪ねる際、Rosenthalはいつも、彼らの親や祖父母が造ったワインを数本出してくるように頼みます。「今我々が使えるようなテクノロジーが一切ない中で、どうやって彼らがこのようなものを造ることができたのか教えてほしい」と彼は問いかけ、最終的には、優れた畑仕事と昔ながらの地下での時間に行き着くのだと語ります。

 

「Laisser le vin se faire —— ワイン自身にワインを造らせよ」

 

複合的なアプローチ

Torresは、地下と地上の両方に価値を見出しており、その結果、自身の10のワイナリー全体で両方を取り入れています。

 

「気候データ、土壌と地質、現地の規制、建設の実現可能性、長期的なエネルギーコストを、醸造チームのニーズと組み合わせて、地上にするか地下にするかをケースバイケースで決定しています」と彼は言います。

 

例えば、地中海性気候の低地にあるブドウ畑と、標高1000mの大陸性気候の畑では条件が全く異なり、その違いは新たな施設の設計にも反映されるといいます。

 

「同様に、硬い岩盤や洪水の危険性がある地域での地下工事は、環境を大きく損ない、大量のエネルギーを消費する可能性があります。そのような状況では、現代的な地上施設が事実上、最も理にかなった持続可能な選択肢となります」と彼は説明します。

 

しかし、条件が許す場所では、特に熟成において地下スペースが優先されるとTorresは明かしています。

 

同様にRosenthalも、同じワインを2つの異なるセラーで熟成させれば、全く異なる結果を生み出すだろうと考えています。

 

「私は科学者ではありませんが、中に入ってそれぞれの場所の壁を削り取ってみれば、全く異なるバクテリアの集合体が存在しているはずだと保証できます。そしてそれこそが、ワインをこれほど際立たせるものなのです」と彼は言い、ある生産者はその環境を再現しようと、地下セラーから新しく建設した地上施設にわざわざ砂利を運び込むことまでしたと明かしています。

 

諺にもあるように、混沌の中には美があり、ワインも本質的にそれと何ら変わりはありません。

 

「いいですか」とRosenthalは言います。「無菌の環境はコントロールをもたらしますが、私にとってワインをいつもこれほどエキサイティングにしてくれるのは、その狂気(予測不可能性)なのです」

 

引用元:Underground, Overground, Winemaking Free

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