4月末から5月の第一週にかけて、フランス全土で霜が降り、ワイン生産者は夜も眠れず、特にジュラ地方とカオール地方が大きな打撃を受けました。ジュラからの報告によると、北ヨーロッパの多くが霜に見舞われた4月22~4月23日の夜、この地域では2024年の潜在的収穫量の40%が破壊されたといいます。(ドイツの一部地域からの報告でも霜による被害が大きいことが指摘されています)
ジュラ地方では、シャルドネとプールサールのブドウ木が主な被害を受けました。
これらは、霜の影響を特に受けやすい低地や平野に植えられることが多いです。
「これらのブドウ品種は他の品種に比べるとより繊細で、よく丘のふもとや平野部に見られます。そしてこれらのエリアが最も被害を受けました。」
ジュラ農業会議所のブドウ栽培アドバイザー、Gaël Delormeは、地元のラジオ局、France Bleuにこのように語っています。
レポートによると、その夜、ジュラの一部では気温がマイナス3度を記録し、地域のブドウ木の内、霜の影響を受けなかったのは約四分の一だったといいます。この霜は、2021年や特に2017年のように、その地域にとって被害が大きかった年の霜と比較されています。
一方、カオールの見通しも暗いです。
フランスのワインニュースウェブサイト、Vitisphere.comなどの最初の報道では、この地域のブドウ木の80%が霜の被害を受けた(2500haの内、500haのみが被害を免れた)とされていましたが、最新のAFP通信の速報はさらに悲惨なものでした。
『これは大惨事だ』という見出しで始まる報道は、南西地方の気温が危機的レベルまで低下した夜を受け、アペラシオン全体が『ショック状態にある』と伝えています。
「3日連続で霜が降り、気温はマイナス4度まで下がりました。90%のブドウ木に100%の被害が出ています。残りの10%の被害状況は1ヶ月以内に判明するでしょう。葉も芽も枝も茶色くなり、まるで焼かれたかのように乾燥しています。ブドウ木はショック状態にあります。」
カオール地方のアペラシオン(産地呼称)の会長であるNicolas FourniéはAFP通信にそのように語っています。
心理的にも、霜はこの地域にとって悪い時期に起こりました。
カオールの醸造家、Germain Croisilleは「このアペラシオンが誕生して以来、最も少ない収穫量に見舞われた年の後に発生した出来事なので、これは大惨事です。2023年は雨、ベト病、夏の干ばつの影響を受けました。2024年もまた、非常に弱い収穫になるでしょう」と話します。
「アペラシオンの将来が非常に心配です」
地域の多くのワイナリーが資金繰りの問題に苦しんでいることを指摘しながら、彼はそのように付け加えます。
「昨年、アペラシオンの収量が(生産能力の40%のみと)低かったので、2024年には大きな期待を寄せていました。ワイナリーの財政と士気に深刻な影響が出始めています。」
彼はAFP通信にこのように語っています。
一方、シャブリも大きな被害を受けました。
多くのニュースで報道されているように、5月1日にシャブリを襲った大規模なスーパーセル(超巨大積乱雲)による雹がこの地域のブドウ畑を壊滅させました。
「風と雹が直撃したエリアでは、ブドウ木の70-80%が壊滅した状態となるでしょう」とワイン生産者のSébastien Dauvissatはフランス国営ラジオ局RTLに語っています。
ワイン生産者のDaniel Etienne Defaixは自身のFacebookに「2024年の収穫はもう終わったと既に分かっている」と書いています。
シャブリ、カオール、ジュラの2024年の収穫は、すでに厳しい状況に直面しています。
引用元: Jura and Cahors decimated by frost
この記事は引用元からの許諾をいただき、Firadisが翻案しています。
文責はFiradisに帰属します。