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過酷な未来に直面するサンセール

サンセールが今後も繁栄を望むのであれば、気候変動によって変化を余儀なくされるかもしれません。


ドメーヌを率いるFrançois Crochetは、「気候変動のスピードは行政手続きよりも早い」と語ります。彼は、プティ・メリエやグーエといった古くからのブドウ品種をアペラシオンに再導入する可能性について言及しています。後者は、多くのフランス主要品種の祖先として知られていますが、それ自体の品質についてはそれほど高く評価されていません。

 

しかし、それは過去の話です。150年前には十分に成熟しなかった品種でも、現代の温暖化した夏であれば適切に熟す可能性があります。それでも、Crochetは懐疑的です。「新しい品種を導入するよりも、現在の品種の中から気候により適した樹を選抜するほうが賢明です。」

 

とはいえ、これは二者択一の問題ではありません。現在サンセールで唯一の白ブドウ品種であり、素晴らしい存在であるソーヴィニヨン・ブランの座を奪おうと提案する者は誰もいません。問題は、ニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランの青々しいスタイルに人々が殺到する中で、テロワール重視のスタイルを維持してきたサンセールの白ワインが、気候変動を大きな課題と感じ始めている点にあります。

 

トップクラスのワインは、かつてないほど素晴らしい出来となっています。より複雑で、その土地の個性をより豊かに表現しています。サンセールの生産者たちは口を揃えてこう言います。「私たちはソーヴィニヨン・ブランを造っているのではありません。サンセールを造っているのです。」彼らが最も避けたいのは、誰もがすぐにそれと分かるグースベリーや猫の尿の香りです。彼らは、シレックス(火打石)から生み出されるワインが、カイヨット(チョーク)やテール・ブランシュ(石灰質粘土)から作られるワインと異なる味わいを持つことを望んでいます。

 

違いはそれだけではありません。生産者は皆、土壌が重要であることを認めています。土壌はラベル上でキュヴェを区別する分かりやすい指標にもなります。しかし、それ以上に重要なのは畑の向きだと彼らは言います。さらに斜面の傾斜や標高も重要です。サンセールの畑は標高約150〜300mまで広がり、緩やかな斜面もあれば、シャヴィニョール村のモン・ダネやキュ・ド・ボージュのように傾斜度80%にも達する急斜面も存在します。

すべては土壌の中に

これらの土壌はどれも温まりやすい性質を持っていますが、天候によって異なる振る舞いを見せます。シレックスは暑さに強く、造られるワインは非常に長命です。一方、涼しい年には「鋼鉄の棒のような」厳格な骨格を与えるとBrochardは語ります。単体で飲むには少し硬すぎる場合、ブレンドには非常に有効です。また、シレックスでは果実の成熟が非常に早く進むのに対しテール・ブランシュは収穫の適期がやや長く続きます。2024年のような雨の多い年にはテール・ブランシュが優れた結果をもたらしましたが、乾燥年には酸が不足しやすくなります。一方で、シレックスより複雑なワインになることも少なくありません。カイヨットはチョーク土壌ならではの毛細管現象によって、水分をブドウ樹へ供給し続けられるため、高温年でも優れた適応力を示します。

 

より厳密に区分するのであれば、これら3つの土壌タイプを100以上に分類することも可能です。そして気候変動が急速に進む現在、その精密な分類がますます重要になっています。SICAVAC(AOPの技術機関)のFrançois Dalによると、現在これらの土壌は公式な再分類が進められており、実用的な範囲で次のように整理される予定です。

  • 石灰質土壌:カイヨット、グリオット(サクランボほどの小さな丸い石灰質の小石)
  • 粘土質土壌:テール・ブランシュ、テール・ルージュ
  • 火打石土壌:シレックス、火打石を含む粘土、石英を含む粘土

土壌、畑の向き、標高の違いによって、サンセールはワイン造りが非常に難しい地域です。例えるならコート・ドールのようですが、立っていることすら困難なほどの急斜面が存在します。将来にわたってサンセールらしさを維持するためには、極めて高い精度の畑管理が必要になります。すでにラベル上のアルコール度数は14〜14.5%に達しており、16%に達することもあります。そうなると酸は低下し、ワインはふくよか過ぎて重く、オイリーなスタイルになってしまいます。

微調整のプロセス

青々しさとオイリーさの絶妙なバランスをいかに維持するかは実に困難です。早摘みすれば青々しさは得られますが、果実の風味不足を補うためにアロマティック酵母を使いたくなるかもしれません。しかし、それはサンセールが目指す姿ではありません。そうした風味を求めるのであれば、ニュージーランドやチリの方がより安価で豊富に供給してくれます。ソーヴィニヨン・ブランは大量生産向きの品種ではなく、収穫時期に対して非常に敏感であり、その傾向は以前よりも強まっているとDalは言います。「20年前なら、ほぼ熟した状態を見てから2日後でも5日後でも7日後でも収穫できました。しかし現在では、ほぼ熟したと思ったら翌日か翌々日には収穫しなければなりません。」かつて約1週間あった収穫適期は、現在わずか2日程度まで短縮されています。

 

「収穫が9月に行われていた頃は、1週間で糖度が1%上昇する程度でした」とDalは付け加えます。「しかし今や8月においては、同じ変化がわずか2日で起こります。」

 

2026年ヴィンテージは、8月24日に収穫開始となる見込みです。「収穫を8月中に終えるのは、おそらく今回が初めてになるでしょう」とDalは語ります。9月よりも日照時間が長く気温も高いうえ、サンセールの急斜面では夜間収穫を行うことができません。

変化を乗り越えて

近年のサンセールは、極端な天候に特に苦しめられています。2025年にはヨーロッパ全域を襲った猛暑。2024年には深刻なベト病が発生し、収量は激減しました。結果として非常に凝縮したワインとなりましたが、ブドウが成熟できたのは収量が極端に少なかったためです。通常の倍近い降雨量に直面し、ブドウを守るために有機・ビオディナミ認証を断念した生産者もいました。しかし、それでもなお収穫を守れなかったケースも少なくありません。2023年は暑い週と寒い週が交互に訪れる不安定な年でした。2022年は暑く乾燥し、2021年と2020年は冷涼な年でした。サンセールはテロワールの違いが非常に大きく、生産者たちはその違いをますます重視しています。その一方で、それが単純な解決策を見つけることを難しくしています。暑い年のシレックスで有効な方法が、雨の多い年のテール・ブランシュでも有効とは限りません。干ばつとベト病の両方に備えることは非常に難しく、暑さはワインスタイルの問題である一方、ベト病は経営そのものを脅かします。François Crochetはこうまとめます。「農家にとって理想の天気とは、同じ天気が長く続かないことです。」

 

最大の問題は、単に気温が高くなることではなく、気象の極端化です。Hubert BrochardのRodrigo Zamoranoは、「暑いときはより暑く、雨が降るときはより激しく降るのです」と語ります。ブドウの樹や果実もある程度は適応しようとします。Brochardは次のように述べています。「2024年は果皮に弾力があったため、大雨でも裂果しませんでした。しかし2025年は果皮が硬く顆粒も小さかった。そのため、収穫を増やそうとして雨を待った生産者のブドウは破裂し、腐敗が発生してしまいました。」

 

近年はカバークロップの導入が進み、土壌侵食の防止や地温の低下に役立っています。しかし、カバークロップがブドウ樹と水分や養分を競合することを懸念する生産者もいます。現在は樹勢を弱めるよりも、むしろ適度な樹勢を維持することが重要です。樹勢が弱すぎると糖度が高くなりすぎ、酸が失われてしまうからです。

 

Domaine Paul PrieurのLuc Prieurは、より高い仕立てと*トレサージュの実験を行っています。葉量が増えれば光合成量も増え糖度も高まりますが、同時に果房への日陰も増えるため成熟速度を緩やかにできます。彼はこう語ります。「サンセールの若い世代は皆、仕立てを高くしています。以前は高さ1m程度でしたが、毎年少しずつ高くなっています。制限となるのは跨乗式トラクターの高さです。糖の成熟は速くなっていますが、フェノール成熟はさらに速く進みます。収穫時期を調整できれば、この二つをより近づけることができるでしょう。」

(*トレサージュ:新梢を切らずに編み込む手法)

 

サンセールの法定最大収量は65hl/haです。これは凝縮感と酸のバランスを保つ上で適正と考えられています。もちろん、ニュージーランドやチリで工業的に生産されるソーヴィニヨン・ブランの18〜20トン/エーカー(約0.4ha)という収量とは比較になりません。だからこそサンセールは、高価格を正当化するためにも、「」ではなく「」を造り続けなければならないのです。

 

したがって、野生酵母の使用が基本となります。トップ生産者の間ではそれが鉄則です。培養酵母を使用する生産者も、通常はニュートラルなシャンパーニュ用酵母を選びます(アロマ系酵母が使われるケースもゼロではありませんが)。

 

補糖についてはどうでしょうか。かつては10年のうち9年で必要とされていましたが、現在は行われていません。

 

マロラクティック発酵は一切行われません。これは昔からの伝統であり、新しい適応策というわけではありません。かつてはセラーも気候も寒すぎたため自然には進まず、現在ではスタイル維持のために意図的に避けられています。自然に発生してしまうこともありますが、その場合でもクリスマス前に起きるのであれば、生産者たちは肩をすくめて受け入れます。それ以降に発生すると、ワインの乳酸特有の風味が強くなりすぎてしまうと彼らは主張します。

 

今日、多くの生産者が「テロワールの表現」を語ります。しかし、それを本当に実践できている人は多くありません。サンセールには約400の元詰め生産者があります。生産者自身は、そのうち半数程度が優れた造り手だと評価しています。一方、ロワール地方を専門とするRebecca Gibb MWは、その数を約30軒まで絞り込みます。それでは十分ではありません。サンセールは長年、シャブリやプロヴァンス・ロゼと同様、産地名そのもののブランド力で売れてきたワインです。しかし本来は、世界屈指のテロワールワインになり得るポテンシャルを持っています。他産地が品質向上を進める中で、気候変動は、取り残されてきた生産者たちに変化を促す最大の契機となるのかもしれません。

 

引用元:Sancerre Faces Flinty Future

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