存在を消して、
ワインを感じる。

INTERVIEW / 02

田邉公一が語る、
これからのワイングラス

田邉 公一 / Wine Director & Sommelier
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田邉公一さんはワインディレクターであり、ソムリエです。レストランやイベントの飲料監修を行い、さらにワインを含めたお酒の価値、ライフスタイルにおける楽しみ方を提案しています。長年レコール・デュ・ヴァン講師も務めて、一般のワイン愛好家とも接点のある田邉さんに、Sydonios(シドニオス)を選ぶ理由について聞きました。

INTERVIEW FILM - COMING SOON
SYDONIOS INTERVIEW
田邉公一

※動画公開時、この位置に本編を埋め込み

01 / FIRST IMPRESSION

グラスが消えるという感覚

Q.Sydoniosとの出会いを教えてください。

2020 年の夏に、当時のインポーターさんから「新しいグラスを日本に輸入することになったので、お送りしていいですか」と言われて、届いたのが Sydonios(シドニオス)でした。コロナ禍だったこともあって飲食店ではなく、どちらかというと自宅で使用してもらいたい、そのために SNS などで拡散して認知度を上げてほしいという依頼でした。グラスが特徴的できれいだし、写真映えもいいなと思って、撮影したのを覚えています。

Q.Sydoniosの見た目には、どのような印象を持ちましたか。

グラスは、見た時の印象や存在感というのが大事だと思います。たとえばサーブする際に、ワインを注ぐ前にまずグラスをテーブルに置きますよね。すると「わー、このグラスで飲めるんだ」と、それだけで喜んでくださる方がけっこういらっしゃるんです。レストランのペアリングコースでそのたびにグラスを変えるというのは、そういう変化や驚きを大事にしている部分もあります。今は本当に多様なグラスが存在していますが、Sydonios(シドニオス)はなかでも見た目の美しさのインパクトは強いと感じます。

使用画像 20260707_0006.jpg / Sydoniosそのものを静かに見せる。人物動画の後なので静物が効く

Q.Sydoniosでワインを飲んだ時の印象はいかがでしたか。

手元に送られてきたのは、「Racine(ラシーヌ)」コレクションのうちの「L'Universel ルニヴェルセル」と「L'Esthete レステット」でした。まず第一印象はやはり薄いし、軽いな、と。グラスを持っても持っていない感覚というか。ワインを飲んだ時も全然グラスを感じなくて、グラスが消えたというか、まさに液体が直接入ってくるようなニュアンスでした。それは過去にない新しい体感でしたし、進化系のグラスだという印象を持ちました。それまでのグラスというのは存在感があって、それがいいと思っていましたが、ある意味逆転の発想ですよね。メーカー側の資料に「インディビシュアルグラス」「見えないグラス」と説明されているのも納得できました。

グラスが消えたというか、まさに液体が直接入ってくるようなニュアンスでした。

田邉 公一
使用画像 20260707_0320.jpg / 『グラスが消える』感覚をフォルムの接写で補強
02 / AT HOME

日常の中の贅沢

Q.Sydoniosは、家庭でも楽しめるグラスでしょうか。

お客さまのなかには、レストランで新しいワイングラスを体験したあとに、「すごくいいから、買って家でも使ってみたい」という方がけっこういらっしゃいます。以前は、「シェフの料理を家で真似たい」というのが主流でしたが、それが今はグラスやお皿にまで広がっている。特にコロナ禍以降は、ホームパーティもふくめて、家飲みをより充実したいという方が増えました。

Sydonios(シドニオス)は非常に薄く、繊細に見えるグラスなので、一般の方は「割れそう」「扱いが難しそう」と感じるかもしれません。でも決して、「薄い=弱い」ではないですし、毎日使うというよりも、特別なワインを開ける時に丁寧に使うと考えれば、Sydonios(シドニオス)は家庭でも十分に楽しめるグラスです。

加えて、ワイン全体のトレンドとしては量より質という流れがあって、リーズナブルなワインをたくさん飲むのではなく、高級ワインを少しずつゆっくり味わいたいという価値観が重視されています。高級ワインを飲むなら、家でもやはりそのワインの格に合うグラスを選びたい。だから Sydonios(シドニオス)のようなグラスは、今後ますます需要が上がっていくでしょう。

Q.家でワインを楽しむ時、グラス選びやテーブルづくりで大切なことは何ですか。

今はクロスを使わないレストランやホテルダイニングが世界中にあるので、家庭でもシンプルできれいなテーブルがひとつあればいいのではないでしょうか。ただ、できれば大きめのテーブルで、空間に余裕をもてるといいかなと思います。そこに Sydonios(シドニオス)のようなシンプルな美学を持つグラスを置くだけで、華やぎが出ます。そういった第一印象の美しさというのもじつはとても大事で、それが人に心地よい印象を与える役割もあるのです。その意味で、ホームパーティなどには、まさにふさわしいグラスです。

家だと、じつはグラスの種類はそれほど必要ないですよね。私もたくさん持っていますが、結果的に使うグラスというのは 2~3 種類と限られています。そう考えると、棚を開けると、Sydonios(シドニオス)の2種類だけが美しく並んでいるというのも、究極のシンプルという意味でかっこいいかもしれません。

それからワインを注ぐ際にはラベルをきちんと見せながら、一緒に食事をする人の目の前で行ってほしいですね。視覚や聴覚も味わいのひとつになるので、そのプロセスも楽しんでほしい。ワインの香りや味わいのポテンシャルを最大限に引き出してくれるグラスは、そういった一連の流れすべてに関わるものなので、非常に重要な存在です。

あとはボトルを冷蔵庫に戻さずにテーブルのうえに置くというのも視覚的に訴えるポイントです。何本か飲んだなら、テーブルのうえにボトルをすべて並べておくのもいい。また今の時代は写真に撮るなどして記録に残しておくと、その食事自体がすごく特別なものになっていくのではないでしょうか。Sydonios(シドニオス)のグラスは美しいので、SNS 映えもすると思います。

Q.料理とワインは、人生の活力になるとお考えですか。

はい。そのためにはやはりグラスはすごく大事だと感じます。たとえばけっこう熟成したプレステージシャンパンがあって、そういう時に Sydonios(シドニオス)のグラスを使うと、家飲みでも確実にレストランで楽しむのに近いような体験ができます。そういうあたり前の日常のなかで贅沢な体験を積み上げていくことが、生きる活力になります。Sydonios(シドニオス)はそんな日常の豊かさを演出してくれるグラスです。

使用画像 20260707_0431.jpg / ワインを注ぐ所作。家庭・サービスの話へ
03 / GLASS & CULTURE

グラスが映す文化と時代

Q.ワインを学ぶ人にとって、Sydoniosはどのようなグラスでしょうか。

ワインエキスパートやソムリエ、WSET などの資格試験は、この 10 年ほどさらに盛り上がってきています。試験対策の時に決まった小さなグラスでテイスティングを行うのは、すべてのワインを平等に見るためです。品種や産地が違うワインを、同じグラスに入れてテイスティングすることで、その差が明確になる。グラスによる変化よりも、大事なのは一定性なのです。ただワインの基礎がわかって、ソムリエ試験対策などもすでにクリアしている方には、ぜひ Sydonios(シドニオス)などのグラスを体験してほしい。それは香りや味わいの取り方が、まったく異なるからです。ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンの品種の個性だけを知りたいなら、もちろん通常のテイスティンググラスでも十分に読み取れます。でも、ワインの持つ真のポテンシャルを引き出すには、グラスの力が絶対的に必要です。自分で体感しないとわからない部分もありますので使ってみてほしいですし、グラスによってワインはまるで別物になることを知ってほしい。それほどグラスというのは重要なのです。

Q.多種多様なワイングラスがあるなかで、どのような基準で選べばいいのでしょうか。

私はフレンチで働いた経験もありますし、フランスの文化が好きです。ソムリエとしてのキャリアの前半はフランスに留学したり、開催されるコンテストに出場したり、ワイナリーを訪ねたりして過ごしました。ソムリエコンクールも英語とフランス語を選択できますが、フランス語を選んで決勝戦にまで行きました。

言語を覚える際にも、単に単語を記憶するというだけではなく、その言語の文化や精神性も含めて知っていくという側面がありますよね。国によって文化や歴史、思考が違いますから、グラスの産地により個性も異なります。

Sydonios(シドニオス)はフランス産であり、グラスにもそれぞれフランス語の名がついています。「le Septentrional ル・セプタントリオナル」というグラスは「北部の」という意味を持ち、冷涼産地の繊細さを備えたワインに向いています。また「le Méridional ル・メリディオナル」は「南部の」という意味で、暖かい地域のワインの果実感を引き出してくれる。そして、このグラス名をもっと深掘りしていくと、ル・セプタントリオナルには「北斗七星」、ル・メリディオナルには「太陽が最も高く昇る時」という意味もあるのです。それを調べていくと、よりその名前の奥にあるフランスの哲学やスピリチュアルも感じ取ることができます。

使用画像 20260707_0463.jpg / 田邉さん本人に視線を戻し、文化・時代の議論を受け止める

Q.ワイングラスにも、その時代の価値観は表れるのでしょうか。

Sydonios(シドニオス)は 2018 年から始まった比較的新しいメーカーなので、現代的な価値を映し出しています。

先ほど話したように、Sydonios(シドニオス)のグラスはバーガンディグラス、ボルドーグラスという枠組みではなく、世界のリージョン全体を大きく北部と南部、あるいはクールとウォームというふたつにわけています。メーカーによってはブドウ品種ごと、またはもっと狭くある国のある産地限定といったグラスを出していますが、そうやって増えに増えて頂点まで細分化されたグラスを、減らしていこうという流れのなかで Sydonios(シドニオス)は出てきたのではないでしょうか。産地や品種を、グラスでは語らない。なにかひとつの大きな波が来ると、必ずその反動で逆方向のものが出てくるというのは、どの世界にもみられることです。

私はこの Sydonios(シドニオス)の新しいチャレンジにすごく共感しますし、将来に向けてのポテンシャルもあると感じています。最初は孤独なスタートでしょうが、それが今後、ワイン業界のなかでどのような潮流を生んでいくのかを見ていきたいですね。時代はシンプルに向かっているので、その意味でも現代にあっているのではとも感じます。

ワインの持つ真のポテンシャルを引き出すには、グラスの力が絶対的に必要です。

田邉 公一
04 / SIMPLE

新しい基準が生まれるとき

Q.物や情報が溢れる時代に、Sydoniosの価値をどのように感じていますか。

2012 年に私は、日本ではまだほとんどなかったペアリングコースをチーフソムリエをしていたレストランで始めました。当時はまだ、ワインを潔く一本飲むというスタイルが主流で、めずらしがられたり、「大丈夫なのか」と言われたりしました。

でも共感される力を持つものはいずれ誰かが真似します。今はペアリングがレストランの主流になっているといっても過言ではないほどです。ペアリングをやっていた時は、私もとにかくグラスのバリエーションを増やしていました。たくさん揃えたグラスに対しての情報というのは記憶のなかに残っていて、そこにワインならではのロマンがあるのも知っています。

ただ最近思うのは、時代がシンプルに向かっているなかで、あえてグラスも絞っていくやり方もあるのではないか、ということです。だから Sydonios(シドニオス)を初めて知った時に、「ああ、潔いな」「すごくシンプルだ」と感じた。形状も頭で考えすぎずに、ワインがスッと身体に体感として入っていくようなグラスフォルムでもありますし。

使用画像 20260707_0400.jpg / 情報量を落とし、手元とグラスだけで余韻をつくる

Q.田邉さんにとって、ワインとはどのようなものですか。

究極の質問ですね(笑)。ワインは単純にアルコール飲料というだけでは語れない、概念的なものを含んでいますよね。私はワインのおかげで全然知らない世界を知ることができたし、ワインによってさまざまな国へ連れて行ってもらったという感覚を抱いています。ワインを勉強していなければ絶対に行くはずもなかった地球上のあらゆるところへ行くきっかけを与えてくれた。

ワインにより英語やフランス語といった言語も習得し、世界中の人と話をして、多くの感動も得ることができました。そういう体験というのは、人生の道筋までをも変化させるほどの力を持ちます。多くの人が、「ワインによって人生変えられた」という話をしますが、それは決してカッコつけて言っているのではなく、実際に人生を真に豊かにしてもらった実感から出た言葉なのです。それだけワインには、魔力と魅力があります。

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PROFILE

田邉 公一

Koichi Tanabe

ザ・リッツ・カールトン東京開業時よりソムリエを務めて、在職中にフランス・パリ二つ星レストラン「サンドランス」で研修。フランスへ短期留学を経験し、2005 年、ロワールワインソムリエコンクールファイナリスト、2007 年キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト優勝。2012 年、レストラン L'AS のオープンと同時に同店のシェフ・ソムリエに就任。2014 年、全日本最優秀ソムリエコンクール クォーターファイナリスト。現在はレコール・デュ・ヴァンの講師兼ワイン&日本酒ディレクター、16 以上の企業のコンサルタントを務める。著書に「ワインを楽しむ〜人気ソムリエが教えるワインセレクト法〜」「THE STUDY OF WINE」。映画「シグナチャー 〜日本を世界の銘醸地に〜」にソムリエ役として出演。オリジナル日本酒「几鏡 by Koichi Tanabe」を 2024 年よりリリース。

存在を消して、ワインを感じる。

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デザイナー引き継ぎメモ / FINAL ※公開ページには掲載しない

回答本文・導入文・プロフィールはライター原稿を固定。最後の「田邉さんにとって、ワインとはどのようなものですか。」は、Section 04の写真直下に通常のQ&Aとして配置。余白は極端に広げず、本文幅780pxを基準に全体のリズムを優先。

構成:長いQ&Aを4章に分け、小見出しで内容の切れ目をつくる。質問は意味を変えない範囲で短縮。回答本文は変更しない。

写真:人物写真だけを連続させず、人物・2脚のグラス・クローズアップ・所作・テイスティングを交互に使う。今回の地下空間の暗さを活かしつつ、最後は明るいグラス写真でブランドに戻す。

文字サイズ目安:本文16px / 質問20px / 章タイトル27–34px / HERO 32–46px。写真と本文が主役になるよう、見出しを大きくしすぎない。

プロフィールは田邉さんの縦ポートレート(20260707_0502.jpg)を小さめに添え、記事の締めとして人物情報に戻す。引用コメントは黒ベタのカード表現をやめ、白場+細い罫線+大きめの文字で雑誌的なプルクォートとして見せる。

動画:導入のグラス写真直後、Section 01の前に16:9のINTERVIEW FILM枠を追加。20260707_0275.jpgをポスターとして使用。動画確定後、同位置をvideo/iframeへ置換。