数々の銘酒を生み出す地として知られる、アメリカ・カリフォルニア。その中でも、ソノマ群のロシアン・リヴァー・ヴァレー、特に、その西側地区は冷涼な気候と日照の豊富さから、高品質のシャルドネやピノ・ノワールを育み、世界に数あるワイン産地の中でも特に優れたワインを生み出すことで注目と評価を集める産地です。しかし、この地はかつて、大量生産のスパークリングワイン用のブドウや、リンゴなどの果樹が主に栽培されていた地でした。

しかし、ウォーレン・ダットンがこの地のワインへのポテンシャルを予見してダットン・ランチを設立して家業をブドウ栽培にシフト。周囲の農家からの賛同が得られなくてもひたすら可能性を信じてブドウ栽培に取り組み、今ではロシアン・リヴァー・ヴァレーにおける最高峰の一角として知られるキスラーをはじめとした優良ワイナリーへブドウを供給する最有力の栽培家として知られています。

ダットン・ランチの現当主の一人であるスティーヴは、幼いころから家業を手伝い続け、年間最優秀栽培家に選ばれたほどの類まれなる才能の持ち主。そんな彼が、かのロバート・モンダヴィで研鑽を積み、ブルゴーニュ・スタイルのシャルドネやピノ・ノワールを生み出すことで知られる実力派の蔵元ラ・クレマで醸造責任者を務めていた実力者ダン・ゴールドフィールドとともに1998年にダットン・ゴールドフィールドを立ち上げたのです。

ダットン・ゴールドフィールドがワインづくりに用いるブドウの大半は、当然誰もがうらやむ区画の数々を有するダットン・ランチから供給されるものですが、その中でも、彼らの理想に適した畑を選りすぐり、スティーヴが特別に目をかけて栽培したもの。それを用いてダンが仕込むワインは、著名な評論家やメディアでも高く評価されており、世界のワイン産地の情報を網羅する『ワイン・レポート』2009年度版にて、スタッグス・リープやオー・ボン・クリマに先立ち、最も偉大な生産者の筆頭に選ばれているほど。

フィラディスでは2013年から取扱いを開始して以降、美食家が集う有名レストランやホテルからはもちろんのこと、個人のカリフォルニア・ラヴァーやブルゴーニュ・ラヴァーの方々からも熱烈なまでの支持を集め続けています。カリフォルニアのワインと言えば、「濃い」「甘い」「重い」といった味わいを想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的にも高く評価されるこの蔵元のワインは、そんなイメージを覆して余りあるほど洗練されたもので、優美ささえ感じさせる素晴らしい味わいには、きっと多くの方が驚かされること間違いないでしょう。