『スパイシーなワイン』って、どういう意味?(ワイン表現①)2017/05/28
さて、今回のコラムからは、
イベント等でお客さまからも良く質問を戴く内容を何回かに分けて。
『スパイシーなニュアンスを持つワイン』について、理解を深めて戴こうと思います。
ワインの香りや味わいを表現するときに、
「少しスパイシーな印象」なんていう言葉を使いますが、なかなかピンとこない方も多いのでは。
ブドウだけを原料に造られるワインの香りや味わいに、なぜ香辛料やハーブのニュアンスがあるのか。
そもそも、ワイン表現に様々な他の果物(ベリー、柑橘、林檎、パイナップルなど)を喩えとして使うのも、
不思議と言えば不思議ですが、それでも同じ果物ということでまだ納得できる感じはありますよね。
ワイン教室で皆さんに表現方法のご説明をしていても、
果物の表現は比較的すんなりと皆さんに受け入れて戴けるように感じます。
ですが、それが香辛料になってくると途端に皆さんの「納得度」が下がる、というのが実際のところ。
ワインにスパイスが調味料として使われている訳でもないのに、
例えば「黒胡椒やシナモンっぽい印象がある」ということに心から納得し、
自分自身が香りや味の表現として使うのはそんなに簡単なことではありません。
それでも、ワインの香りや味わいをイメージ豊かに誰かに伝えるためには、
果物だけでは正確に伝えきれない時もあります。
その時に使われるのが、香辛料やハーブ、花、時にはパンやお菓子などの「果物以外を使った表現」。
例えば、ロワールのソーヴィニヨン・ブランのようにとてもフレッシュできりっと辛口の白ワイン。
“グレープフルーツっぽい”だけじゃなくて、
そこに“ミントのような爽やかさ”なんていう言葉を加えるだけで、
想起する味にはぐっとフレッシュ感とキレの良さが加わりませんでしょうか・・・・?
こんな時に、香辛料やハーブ、花の香りなどの所謂「ノンフルーツの表現」が効いてくるわけです。
香辛料やハーブの表現を嗅覚・味覚から腹落ちさせた上で、
じぶんで表現として納得して使えるようになるには、
実際に分かりやすいワインを経験するのが一番。
ですので、今回のシリーズを通じてまずはどんなワイン表現ボキャブラリーが存在するのかを知って戴き、
次に実際にスパイス的な要素のあるワインを試すことで、
じぶんのワイン表現をブラッシュアップして戴ければ、と考えています。
では、今回はまず、どんな香辛料がワイン表現のボキャブラリーとして使われるのか、
というところから始めてみましょうか。
あらゆるワイン表現語彙・用語を集めた『ワイン語彙集 LEXIVIN』(Paul CADIEU著/佐伯 実智代翻訳)
という本を僕は愛用しているのですが、
この本の掲載擁護の中から「香辛料」にカテゴライズされる語彙を抜きだしてみました。
そして、そこに出ていないけれど普段のテイスティング表現で使用しているな、
と思う代表的な香辛料を幾つか加えたのが、以下のリストです。
今回はまずこちらをご覧いただき、
こんな言葉もワインの香りや味わいの表現に使うんだな、と感じて戴くところまで。
(*因みにこの本は既に絶版のようなので、古本などでたまに出て来ますので地道に探してみてください。)
【ワイン表現頻出!代表的なスパイス・ハーブ系単語】
・胡椒(ブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパー、ピンクペッパー)
・シナモン ・クローヴ
・ジンジャー ・カルダモン
・クミン ・ハッカ
・ナツメグ ・セージ
・スターアニス ・コリアンダー
・サフラン ・タイム
・マスタード ・ローズマリー
・ミント
この15~16個くらいを憶えておけば、
かなりの「スパイシーな要素のあるワイン」は表現出来るのでは、と思います。
最近、フィラディスの事務所にはこれらのスパイスの現物がガラス瓶入りで常備されるようになりました。
取り扱いワインに対する説明表現を常に自分で確認するために、僕も時々現物の香りを嗅いでいます。
お料理をする方なら、結構色々なスパイスがキッチンにあるかと思いますので、
実際に香りを取ってみて、ワインを飲むときに似たような要素が無いか、探してみてくださいね。
ということで今回はこの辺までで・・・次回、引き続きこの話題を続けますよ。
もし、「スパイシーなワイン」を体験してみたいというお客様がいらっしゃいましたら、
是非この1本を試してみてください。
アバニコ・セレクション エテルヌム・ヴィティ
複雑性に満ちたワインですよ!お手軽な価格で、様々な香辛料のニュアンスを体験して戴けます。
Firadis WINE CLUB 店長 五十嵐 祐介
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