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≪知っているとちょっとお得なワインマメ知識≫様々な白ワインの魅力を引き出せるグラスはどれだ??Firadisグラス実験VOL.2 レポート第2回2016/11/29

 

さて、今回のワインのマメ知識コラムは前回の続き。

フィラディス名物ワイン大実験!『グラス実験VOL.2』レポート第2回です。

『どんなワインにも使える“万能なグラス”は存在するのか??』を検証する実験!!!

テイスティングで実際に感じたことを、皆さんにお伝えします。

 

改めまして、今回用意したグラス3種類&ワイン10種類は以下の通り。

①ボルドータイプ(卵型で少し縦長)の小型グラス  *上の画像で一番左にあるようなグラスです

②ボルドータイプの大型グラス(①と同じ形で、容積が大きい) *①の大きくなったものです。

③ブルゴーニュ型(金魚鉢のようなバルーン型)の小型グラス *上の画像で左から2番目にあるようなグラスです。

*ブルゴーニュ大型のバルーングラスを用意していないのは、

「自宅(やお店)どれか一つだけを選ぶ」という時にそれを選ぶというのは想定しにくいから、です。

 

<白ワイン3種>

・仏ロワール・サンセールのソーヴィニヨン・ブラン種100% 

・仏アルザス リースリング種100% 

・仏ブルゴーニュ シャルドネ種100% 樽熟成あり

 

<赤ワイン7種>

・伊アブルッツォ モンテプルチアーノ種100%

・仏コート・デュ・ローヌ グルナッシュ種100%

・仏コート・デュ・ローヌ シラー種100%

・仏ブルゴーニュ ピノ・ノワール種100%

・仏ボルドー メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン

・スペイン・リオハ テンプラニーリョ種主体

・伊トスカーナ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

 

これら10種を1本ずつ3つのグラスに注いで飲み比べ、1本ずつ検証していきました。

10本×3種類=合計30回の試飲、判断基準は大まかに言うと

1.その品種・地域の個性・特徴が適切に表現され、そのワインらしく楽しめるか?

2.他のグラスと比較して、シンプルに「おいしく」感じるか?

この2点だけです。

 

まず、白ワイン3種。

フランス産のソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、シャルドネという代表的な3種類で実験しました。

どれも、小売価格3,000円を切る普通にご自宅で楽しんで戴ける白ワイン。

ブルゴーニュの高級価格帯や長期熟成した白ワインは、今回は実験の対象外としています。

 

白ワイン3種の魅力を最も引き出してくれたグラスは???

 

結果を先に言ってしまうと、白ワイン3種に関しては①「ボルドータイプの小型グラス」が、

最も美味しく楽しめるグラス、ということで参加者全員が合意しました。

ちょっと驚きですよね、だって、全てフランスでボルドー以外の産地のワインなんですから。

しかも、同じ形の大ぶりボルドー型より、小さいグラスの方が良く感じられる・・・

ワインは総じて大きめのグラスで飲んだ方が美味しく楽しめるのでは?という思い込みを、

初っ端から覆されるような結果に全員が驚き、戸惑ったことが強く記憶に残りました。

 

では、大きいボルドーグラスとブルゴーニュタイプのグラスは、何がダメだったのでしょうか・・・?

それは「ワインが伸ばされ過ぎて、間延びした印象になってしまう」ということなのです。

 

上記の白ワイン3種は、WINE CLUB30で扱っているような家で気軽に楽しめるワインたち。

味わい的にも、フレッシュで生き生きとした酸と果実のバランスが醍醐味、というスタイルです。

ソーヴィニヨン・ブランは勿論、シャルドネもリースリングも、

レモンやライム、グレープフルーツなどの爽やかなニュアンスを楽しめるタイプです。

 

こういった「果物をギュッと絞ったようなワイン」をそれぞれのグラスに注いだところ、

まず、香りが大きく変化しました。

ボルドーの大型、ブルゴーニュのバルーン型というやや大ぶりなグラス2つに注がれたワインでは、

香りが弱く、なんだかぼやけた印象に・・・!

これは全く予想していない結果でしたね。

元々、柑橘類のような直線的でストレートな香りが最初に立ちあがるワインなのに、

香りをあちこちに分散されて、その魅力をあらかた損なわれてしまった感じです。

 

そして、味わいの面でも大きな違いが。

ボルドーの大型、ブルゴーニュのバルーン型に注がれたワインでは、

香り同様にそのフレッシュな酸味が息を潜めてしまいました。

本来ならばバルーン型のブルゴーニュグラスはその酸を保持する機能があるはずなのですが、

やはり容積の大きいグラスは全体の味わいを本来よりもまろやかに、柔らかに感じさせるようです。

(*このあたりは、大きなグラスに口をあてて飲んだ時に口の中にワインがどう流れ込むか、

について触れた以下リンク先のコラムを参照してみてください。

 

そして・・・代わりに前面に出てくるのは、洋梨や花梨を思わせる甘味や柔らかさ。

ワイン全体が丸っこく滑らかに感じられるようになり、とても飲み心地が良く感じられるのですが・・・

実はこういったワインの一番の魅力である“元気なフレッシュ感”が損なわれてしまったのでした。

 

最初の白ワインから当初の予測を大きく裏切る展開となった今回の実験。

この後の赤ワインは一体どのような結果が出たのでしょうか???

もしボルドータイプ小型グラスが赤ワインでも白と同様の結果を出したならば、

それはイコール「万能グラス」だと、ということになるわけですよね。

次回赤ワイン実験編、お楽しみに!!

 

前回も書きましたが、もしご自宅に様々な形のワイングラスをお持ちで「グラス実験」が出来るならば、

飲み比べに最適なTOP5ワインセットでやってみると良いかと思いますよ。

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今週もボルドー、ブルゴーニュ、イタリア、スペインと色々入っていますので、

様々なケースを実験出来るかと思います。

 

それでは、この続きは次回のワインコラムで!!

 

Firadis WINE CLUB 店長 五十嵐 祐介