「ワインのテイスティングについて その3」第52回 ワインはじめて講座
巻末コラム「CLUB30ワインはじめて講座」は、ワインを飲みはじめたばかりの方向けに、
「ワインとはなんぞや」を1からご紹介しているコラムシリーズです。
(過去の記事はWINE CLUB30に随時掲載していきますので、途中参加の方はそちらから!!)
前回はワインを楽しむ手順、所謂「テイスティング」の流れを簡単にご紹介しました。
順に書くと、
- 色合いを見て
- 香りを取って愉しみ、
- 口の中でゆっくりと味わい、
- 余韻に浸る
という流れで「状態の良し悪しを知り、隅から隅まで楽しむ」。
今回は「色合いを見る」の第2回。
ワインの色、つまり外観を見ることには、大きく分けて2つの意味があります。
- 濁りや、浮遊しているものが無いかを確認し、今おいしく飲める状態かどうかを確かめる
- 色調を見ることで、ワインの味わいのタイプや熟成の進行度合いを推測する
ということ。前回はまず「濁りや異物が無いか」は買う時に目視で確認しましょう、という内容でした。
ただ、ワインボトルの中には、製造時~から熟成段階にかけて生成される、総称して「澱(おり)」と
呼ばれるものが入っていることがあります。
今回はこの「澱」について知って戴こうと思います。
まず前提ですが、「澱」は基本的には飲み込んでしまっても健康上の影響のないものですので、
その点は心配しないでくださいね。
さて、この「澱」には、例えば赤ワインのだと色素やタンニン成分が固まった黒い粒のようなもの、
キラキラした赤いガラス片のような「酒石」と呼ばれる物質などがあります。
今日はまず最初の「色素やタンニン分」について知っておきましょう。
色素やタンニン分はワインが出来たばかりの段階では非常に細かい粒として浮遊していているので、
形としては見えないのが通常です。
これが時を経て、つまり熟成することで粒と粒が段々とくっついていき、
1粒毎のサイズが徐々に大きくなっていきます。
最初は細かい粒だったために口当たりがザラザラとしていますが、
粒が大きくなることで口の中でのタッチが柔らかくなっていく。
これが熟成によってワインが「滑らかになる」一つの要素です。
そして更に時を経て粒が更に大きくまとまっていくと、
目に見えるサイズとなってボトル底に沈殿していきます。
(*上の画像は、それがグラスに入ってしまったときのものです)
つまり、こうして過剰なタンニン分などが抜け落ちていくので、ワインが更に柔らかくなるわけです。
こういった熟成に由来する色素・タンニン分の澱は
ワイン売り場の棚に静置されているときは沈殿していますが、買って帰る時の移動で浮遊してしまいます。
通販などで宅配便輸送されたものも同じ。
長期熟成して澱が発生しているようなワインは、買ってきてすぐに飲むのは避け、
数日の間静置し、再度澱が瓶底に沈むのを待ちましょう。
そして、飲むときにも出来るだけ動かさずに栓を開け、注ぐときも激しく傾けないこと。
澱のあるワインは悪いワインではありませんが、
口に入るとざらついて決しておいしいものではありませんからね・・・。
それでは今日はこの辺りで。
明日はワインボトルの中にキラキラと光って沈んでいる「酒石」というものについてのご紹介です。
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