【ソムリエアンケートVol.1】 ソムリエに最も支持されるソムリエナイフとは?(広報 浅原 有里)
先日全国のソムリエの皆さまに現在お使いのソムリエナイフに関するアンケートを行いました。 その結果をご紹介するとともに、人気ブランドの長所・短所やお困りのことをズバリ解決していきたいと思います!
【ソムリエに支持されるソムリエナイフ】
現在メインでお使いのソムリエナイフと、そのソムリエナイフについて満足な点・不満な点を伺いました。
予想通りと言うべきか・・・、シャトー・ラギオールが堂々のNo.1に輝きました!デザインの美しさもさることながら、抜栓時の使いやすさやスクリューが長く様々なワインに対応出来るといった声が目立ちました。
次点にはプルタップスが選ばれました。プルタップスの魅力は何といってもダブルアクションで使いやすいこと。世界ソムリエコンクールでもシャトー・ラギオールに次いで使用者が多いそうですし、27歳でマスターソムリエの資格を獲得した米国出身のジャック・メイソン氏もプルタップスのソムリエナイフを愛用しています。
今回の「満足できない点」の回答結果から、意外にもたくさんのソムリエさんがソムリエナイフのメンテナンスや修理に不満を抱えていることが分かりました。これを受けて、シャトー・ラギオールの総輸入元や総販売元、ソムリエナイフ専門店、そしてベテランソムリエ数名にお話を伺いましたので、Q&A方式でお応えしてまいります。
<Q1>シャトー・ラギオールを修理したいのですが?
日本総輸入元の正規輸入品であれば3年間の保証が付きますし、そもそもシャトー・ラギオールは生涯保証(10年という説もあり、詳細不明)がついているため、フランスのラギオールのメーカーSCIP社にナイフを送れば修理をしてもらえます。
しかし、元々修理対応に3~6ヶ月ほどかかっていたのが最近特にレスポンスが遅くなっており、6カ月~1年もかかる場合があるようです。総輸入元から問合せをしても返事が全く返ってこないような状況だそうで、個人での修理依頼に対してどれだけ親身になってくれるかは分かりません。
また、正規品の保証ですが、個人で改造を施した場合は対象外になりますし、使い方に問題があって壊れた場合なども対象外になります。また、修理不可能で交換対応になる場合もあるのでご注意ください。
<Q2>購入する際、注意すべきことは?
① フランス・ラギオール村とその周辺の村で造られたソムリエナイフは全てラギオール Laguiole と名乗ることができるため、「ラギオール」と名が付く商品はたくさんあります。(シャトー・ラギオールはティエール村で造られています)
中にはシャトー・ラギオールやライヨールを模しただけの安い粗悪品もあるようです。 また、中国のコピー商品も数多く出回っているため、見極めが重要です。
② 右写真のようにスクリュー部分の軸がずれている場合があるので、実物を見て 歪みなどないか確認してください。
<Q3>使い始めが固いのはどうしたらいいの?
ベテランソムリエ①「固いのはそういうもの。使い続けるうちに徐々に緩んでくる」
ベテランソムリエ②「油をさすと良い。オリーブオイルを使用する人もいるが、食用油は 酸化すると固くなるので、クレ5-56のような金属用の油が良い」
<Q4>使い続けると緩くなるのはどうしたらいいの?
万力のようなもので締める、買い替える、ある程度緩くなるのは仕方ない、といった回答をいただきました。ヘンケルやドゥリュックなどステンレス系のソムリエナイフの場合、接合部分の金具を工具で打ちつけて締め直すことは可能です。
<Q5>キャプセルカッターが切れなくなってしまった
やすりなどで研ぐ場合が多いよう。ただ、こういった改造を加えると保証対象外になってしまうので注意が必要です。
【最後に】
様々な方にお話を伺うなかで、全員が口を揃えておっしゃっていたこと。それは・・・
☆ 高価なソムリエナイフは“一生モノ”と捉えられがちだが、あくまで道具であり消耗品!
毎日のように使っていれば壊れるのは必定です。1年ごとに買い替えるソムリエさんもいらっしゃるそうです。
☆ 各ソムリエナイフの個性を理解し、使い分けるべし
シャトー・ラギオールやライヨールなどはスクリューが長いため、長いコルクや貫通させる必要があるヴィンテージワインには適していますが、樹脂製コルクなどの固いコルクを無理に開けようとするとスクリューが曲がってしまったり、 付け根がぐらつく原因となります。こうした特性を理解して、状況に応じて使い分けるのが理想です。
スクリューキャップが増えてきたとはいえ、ソムリエさんが優雅にカッコよくコルクを抜く姿を楽しみにしているお客様も多いのではないでしょうか。ご自身に合ったソムリエナイフを見つける一助として、ぜひご活用ください!
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