生産者の紹介
ショパンは、ニュイ・サン・ジョルジュの南にあるコンブランシアン村に本拠を置き、7世代続く歴史あるドメーヌである。1996年に現オーナーの兄アルノーがドメーヌを継承し、1999年には弟のアルバンも参画して、兄弟でドメーヌを運営している。合計9haの所有畑は現在オーガニックに転換し、2023年には認証を取得している。ドメーヌを運営する2人の兄弟はそれぞれの経験を生かして、ドメーヌの新たな改革を推進している。兄のアルノーは、フランスだけでなく南アフリカ(ハミルトンラッセル:歴史のあるウォーカーベイのTOPワイナリーの1つ)での修行経験があり、ナチュラルでありながらクリーンなワインを造り出す技術を体得している。弟のアルバンは、DRCやルロワなど一流生産者が使う樽会社として有名なフランソワ・フレール社に勤務していた経歴があり、樽使いのスペシャリストとしてドメーヌを支えている。
ドメーヌを語る上で、厳選された華麗なる高樹齢の畑を所有している点は特筆に値する。かつてアンリ・ジャイエとも並び称された伝説の生産者、シャルル・ノエラ。その畑は1980年代にルロワを始めとした錚々たるスタープレイヤーたちの手に渡ったが、その畑の一部をオークションにて手に入れたのが彼らの曾祖父であった。さらに2019年には、アンリ・ジャイエの真の後継者との呼び声高いショパン・グロフィエの畑の一部も相続しており、まさに綺羅星のような歴史ある畑を所有している。ひとつひとつの区画はとても小さいが、全ての畑が高樹齢であり、理想的な低収量を実現している。
畑作業では、化学薬品を一切使用せず、100%オーガニック認証を取得している。一切の畑作業を手作業で行い、硫黄や銅を使って病気への予防対策を講じ、ブドウへの水分を最大化するために除草を行っている。醸造においては、2015年から全房発酵に回帰している。自然酵母を用い、ステンレスタンクで100%全房発酵を行う。その際1週間の低温浸漬期間を設けている。発酵後は、ビオディナミ・カレンダーに従ってグラヴィティー・システムで樽詰めを行う。亜硫酸無添加で1年経過すると、貯蔵中に安定するという考えから、醸造中は亜硫酸を添加せず、非常に低温のセラーで、ゆっくりとマロラクティック発酵を行う。無清澄、無濾過で少量の亜硫酸添加とともに瓶詰めしている。樽のニュアンスは決して強くなく、密度のある果実味と絶妙に統合している。澱引きをしないため還元的なニュアンスを伴うスタイルとなる。素晴らしい畑から、ふたりの意欲ある兄弟によって造られるピュアでフィネスのあるワインは、生産量の少なさも相まって、今後ますます入手困難となっていくだろう。
みんなのワインレビュー
ショパン ニュイ・サン・ジョルジュ ヴィエイユ・ヴィーニュ (仏ブルゴーニュ産赤ワイン750ml)
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