メジャー品種だけじゃ、つまらない!土着ブドウ品種に注目!②2017/06/29
前回コラムに引き続き、ひとつの「土着ブドウ品種」を取り上げて、その特徴や楽しみ方をご紹介していきます!
WINE CLUB30には30本だけの中に実は結構色々な土着品種が含まれているんですよ、
今回ご紹介するブドウ品種は『プリミティーヴォ』。
伊語で「原始的」という意味を持つ南イタリア・プーリア州の土着ブドウ品種です。
このブドウを100%使用したワイン『モカヴェロ サレント・プリミティーヴォ』は、
CLUB30では“まるでチョコレートみたいな香りと味わいのワイン”とご紹介中。
一体どんなものか・・・?と沢山の方がお試しくださり、
繰り返しご注文されるリピーターの方も随分増えました。
item/294.html ← 本当にチョコレートみたいなんですよ!!
この品種、南イタリア・プーリア州の土着品種ですが正式な起源はクロアチアだとも言われています。
現在では「Primitivo=原始的」という名前になっていますが、元々の由来は別。
元来は「Primaticcio=早く完熟する、つまり“早熟の”」という言葉が語源だったようです。
この品種は実際に非常に早く完熟を迎え、パワフルで凝縮感溢れる味わいを持っていたことから、
現在の「原始的な、粗野な」という名前に変わっていたのでしょうか・・・??
実際、完熟して糖度も高いこのブドウで造られるワインはアルコール度数も高く、
「原始的な、粗野な」なんていう名前がフィットしている感じがします。
そしてこのブドウ品種、実は米国で非常に有名なある品種と同じDNAを持つことが判明しています。
皆さんご存知でしたか???
その品種とは、・・・・・
米国の土着品種として人気で、栽培面積の10%を占めると言われる代表品種『ジンファンデル』種です。
ジンファンデルは1820年代にオーストリアから米国東海岸側に原種が持ち込まれたそうですが、
その後米国にすっかり定着し、もはや米国固有の品種のような認識になっていました。
1967年、カリフォルニア大学デイヴィス校(UC Davis:醸造学の名門です)の教授が
南イタリアを訪問してワインを飲んだ際、
土着品種プリミティーヴォとジンファンデルの類似性に“まずはワインの香りと味わいから”着目。
その後1972年のDNA鑑定の結果、同一の品種であるという説が有力となりました。
(最初に「飲んでみたら、何かジンファンデルに似てるなと思った」というのがなかなか良いですよね 笑)
それ以降この2品種については様々な議論が交わされましたが、
90年代の前半には同一品種であることが確定、正式に認められています。
今では、イタリアのワイン生産者たちは、プリミティーヴォで造ったワインを米国で販売するときには
「イタリアン・ジンファンデル」という名前を付けて輸出し、
米国でのこの品種の人気を存分に享受しているようです。
このように、世界には多種多様のブドウ品種が存在していますが、
実はルーツを辿ると同じ品種が根っこにあることも結構多いです。
植物は突然変異や後輩でどんどん進化していきますから、それは必然的ですよね。
全てのワイン用ブドウは、元々は土着品種だった・・・と言っても過言ではありません。
だから、土着品種を知ることこそが、本当の意味でブドウ品種を知ることなんじゃないかと思います。
ですが・・それでもこういった土着ブドウ品種系ワインを自宅で楽しむ機会はなかなか無いですよね。
それでも、Firadis WINE CLUBのお客様はさすがにチャレンジ精神旺盛で、
先週の『ゴデーリョ』も、メルマガ配信後に非常に沢山のお試しご注文を戴きました!
香りにも味わいにもキャラクターの立った面白いブドウ品種たち.
こんなワインもご自分の持ち球にしておくと、ワインライフは更に面白くなりますよ。
是非、この機会にまだ体験したことのない品種にチャレンジしてみてください!
Firadis WINE CLUB 店長 五十嵐 祐介 / 西岡 卓哉
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