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バーテンダーがカクテルを作るように、ワインを表現する(ワイン表現②)2017/06/04

 さて、前回コラムの続きです。

『香辛料的ななニュアンスを持つワイン』について、更に深く突っ込んで行きたいと思います。

まずは、前回まとめてみたワイン表現に使用されるスパイス系用語をおさらい致しましょう。

 

【ワイン表現頻出!香辛料&ハーブ系単語】


・胡椒(ブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパー、ピンクペッパー)

・シナモン     ・クローヴ

・ジンジャー    ・カルダモン

・クミン      ・ハッカ

・ナツメグ     ・セージ

・スターアニス   ・コリアンダー

・サフラン     ・タイム

・マスタード    ・ローズマリー

・ミント 

 

そして、前のメールの最後に紹介した「スパイシーな要素を持つ赤ワインの典型例」である

『アバニコ・セレクション エテルヌム・ヴィティ 2013年(税抜1,980円)』

item/16/ ← こんなワインです

沢山のお客さまにテイスティングをチャレンジ戴きました。

 

さて・・・皆さんはこのワインの中にどんなスパイスを見つけましたか???

これは正解、これは間違い、そんな香りはありません!とはっきりは決められないのがワイン表現。

ご自身がどんな香りや要素を感じたか、思い出しながらこれ以降を読んでいってください。

(*このワインをまだ飲んだことのない方でも、スパイスの感じ取り方を知る、

という意味で読んで戴ければと思います。)

 

まず、このようなワインに感じ取ってほしいイメージとしては、

フルーツにしてもノンフルーツにしても“色が非常に濃いもの”です。

ワイン自体の色も非常に濃く、ちょっと紫色がかった黒、に近い色合い。

こういった赤ワインの場合、まず果物で感じられる香り・味わいのニュアンスが黒系果実のもの、

例えばカシスやブルーベリー等です。

 

基本的にワインの色合いと、感じられる果物のイメージカラーは一緒。

グラスに注がれたワイン、色が黒っぽいなあ・・・と思ったら、

まずは上記のような果物の香りを探してみると、自然と自分でそれらの香りを見つけられるはずです。

逆に、ワインが鮮やかな赤色を帯びていたら赤系のフルーツ、

例えば苺やサクランボをまずイメージしておき、

その上でワインの香りを嗅いで、外観から想像した果物と合っているか、と照合していきます。

 

これが、ワインを飲んでその感想を言葉にしていく時の基本の流れです。

 

ただ、ワインはそれだけでなく、非常に複雑な香り・味わいの構造を持っています。

例えばこのワインでも、単に「黒っぽい果物」を色々混ぜたら、その通りの味を作れるでしょうか??

カシスやブルーベリー、ブラックチェリーを混ぜたら、それだけで出来る??

よほどフルーツ感ぎゅうぎゅうのワインで無い限り、そんなにシンプルではないですよね。

  

 

「バーテンダー的視点」でワインを紐解く

こんな時、どうワインの味わい表現を組み立てていけば良いか。

あるワイン教室の先生が、非常に面白い考え方を教えて下さいました。

頭の中で『カクテルを作るときのバーテンダー』になってみる、ということです。

 

今感じられた果物の要素に、

調味料や香料として何か別の要素を足していってこのカクテル=ワインを作り上げるとしたら、どうする??

という、たし算方式の考え方です。

 

このワインのように、スッと鼻に抜けるような通りの良い爽快な印象が欲しい時、

例えば挽きたてのブラックペッパーのような要素を加えると良さそうですよね。

完熟果実の味わいが重くなりすぎず、爽やかに仕上げられそうです。

それ以外にも、少しビターな印象も加えると、ワインのしっかり感が作れるかも。

シナモンを加えてみたらどうだろう・・・というような具合です。

どうですか?段々と、実際に飲んだワインの味わいに近い表現になっていくでしょう?

 

このように、ワイン表現上の「スパイス/ハーブ」は、

果物の要素にプラスαで加えられているもの、と考えていくと、

テイスティング表現というものが理解しやすくなると思います。

 

ワイン表現は、一つのワインにガッチリ向き合って掘り出していこうとする程、悩んで迷ってしまうものです。

それよりも「自分がこのワインを作るとしたら、●●と○○を混ぜて、それに何を加えて・・・」

という逆算的な考え方をしてみると、案外一つのワインを的確に分解して表現出来るのではないでしょうか。

本日のまとめは、「ワイン表現をする時には、バーテンダーになれ!」でした。

 

それでは、また次回のワインコラムで!!!

 

Firadis WINE CLUB 店長 五十嵐 祐介