イタリア最新情報 ~待ち遠しいグレイト・ヴィンテージの初入荷とアドベンチャーの始まり (営業 青山 マルコ)
2 月下旬、ブルネッロ新ヴィンテージのお披露目試飲会であるBenvenuto Brunelloに参加し、また合わせてピエモンテを訪問して来ました。そこで入手した最新情報をお届けしたいと思います。
バローロ
まず、今年日本に入荷予定のバローロ 2010 ヴィンテージですが、2001 年、2004 年に匹敵するグレイト・ヴィンテージだということは間違いないようです。収穫時期が比較的遅かった2010年ですが、その時期に雨や気温の急激な低下もなく、また霧や雹に見舞われることもなく、ブドウは極めて順調にゆっくりと熟すことが出来ました。これは他の品種よりも成熟の遅いネッビオーロにとっては理想的な環境で、種までゆっくりと熟していったのです。また天候の大きなダメージを受けなかったこの年は、いわゆる“手間のかからないヴィンテージ”だったとも云われ、畑には種まで良く熟した健全なブドウがたくさん残ったことになります。そうなるともちろんワインの出来は???
タニックで酸が強いクラシカルなヴィンテージとは違って、リリース直後からタンニンが丸く、色あいは濃く、酸も穏やかなバランスの良いワインに仕上がっています。今開けても感じられる柔らかさとそれぞれの要素の強さが、スケールの大きさを十分に物語っていて、どの生産者もこの 2010 年ヴィンテージは押さえるべきヴィンテージだと口を揃えています。
もうひとつ、今年のイタリアが例年と異なることがあります。2013 年の収穫後から今年に掛けて、剪定のタイミングを失った生産者がたくさんいたというのです。通常剪定は醸造が終わって寒くなってきたころに行いますが、昨年はその時期、イタリア全土で雨が多く、畑に出られない日々が続きました。しかも気温もなかなか下がらなかったので、ブドウの木が活動を止めていないことを懸念した生産者達は、剪定直後に寒波が来て新芽が焼けてしまうことを恐れて、剪定の時期を計りかねていたようです。
ピエモンテに関して言えば通常 2 月はマイナス 10℃にも冷え込むのですが、私が訪問した今年は 10℃を超えていました。昨年の同じ時期は、例年より寒く開花が大幅に遅れたイタリアでしたが、今年は打って変わって春の到来が早くなりそうです。
2013 年ヴィンテージを今の段階で判断するのは難しいですが、多くの生産者から「素晴らしい収穫時期に恵まれ、期待が出来る年になりそうだ」との話を聞いていると、逆に春が早い2014 年もまた良い年になるのでは、と期待してしまいます。生産者達は「春という季節は新たなアドベンチャーの始まりだ」と言います。このようなスタートを迎えた 2014 年ヴィンテージは一体ど
んな年になるのでしょうか。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
そして最後に、Benvenuto Brunelloでお披露目された新ヴィンテージの評価をブルネッロ・ディ・モンタルチーノ協会の公式発表よりお知らせ致します。
2012 Rosso di Montalcino (☆☆☆☆☆)
2009 Brunello di Montarcino ☆☆☆☆
2008 Brunello di Montarcino Riserva ☆☆☆☆
このBenvenuto Brunello、かなりの混雑ぶりでした。この時期、トスカーナの各DOCGで新ヴィンテージの試飲会が開催されるので、イタリア国内はもとより世界各国のワイン関係者もトスカーナを訪れていますが、特にブルネッロはエントランスからご覧の通りの混みようです。やはり世界的なブルネッロへの関心の高さが伺えます。
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