【ペアリング研究 第1弾】 “酸の違い”でワインはどう変わるのか?—真鯛カルパッチョで検証 (広報 浅原有里)
これまでフィラディスのマリアージュ実験では、食材そのものにフォーカスし、シンプルな調理法で「素材に合うワイン」を検証してきました。
素材そのものの味わいとワインの相性を理解することは重要ですが、実際の食体験においては、料理全体の印象を決定づけるのはソースや薬味、調味料であることも少なくありません。同じ食材であっても、それらがもたらす酸の質や香りの方向性、油分の量といった要素が変わることで、ワインとの関係性は大きく変化します。
本実験では「真鯛のカルパッチョ」という一つの料理をベースに、複数のソースを組み合わせることで、酸味の違いがワインとの相性をどう変えるのかを検証します。
食材について
今回の題材は「真鯛のカルパッチョ」です。
真鯛は、
- 繊細で淡い旨味
- 脂は控えめでクリーン
- ほのかな甘み
といった特徴が挙げられます。
ここに、以下の6つのソースや薬味を加えます。
① 柑橘系:レモン果汁と金柑マーマレードのドレッシング
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② ハーブ薬味系:山形のダシとハーブのサルサ
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③ ビネガー系:シェリービネガーのドレッシング
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④ 梅系:梅干しと昆布茶(白出汁)のドレッシング
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⑤ 乳酸系:クリームチーズとヨーグルトのソース
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⑥ ニンニク系:ニンニクマヨネーズ(アイオリ風)
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ワインについて
用意したのは、スパークリング・白7種類とスパークリング・ロゼ1種類、白ワイン8種類、ロゼワイン4種類、赤ワイン4種類の計24種類です。白身魚のカルパッチョに合いそうなワインを幅広く選定しました。
| ワイン名/生産者 | 産地 | 品種 | 備考 | 希望小売価格 | ||
| スパークリング・白 | ||||||
| 1 | NV | Cuvee Extra Dry / San Martino Vini | 伊、ヴェネト | グレラ主体 | 残糖量 : 15-17g/L 熟成 : ステンレスタンクで発酵、熟成。(シャルマ方式) |
¥1,950 |
| 2 | NV | Jade / Vinosia | 伊、カンパーニャ | ファランギーナ100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵 | ¥2,250 |
| 3 | NV | Cava Brut Reserva / Sabartes | 西、ペネデス | パレリャーダ41%, チャレロ36%, マカベオ23% | ドサージュ量 : 5.5g/L 熟成 : ステンレスタンク発酵、瓶熟20ヶ月以上 |
¥2,450 |
| 4 | NV | Cremant de Loire Brut / Ch. de L’Aulee | 仏、ロワール | シュナン・ブラン100% | ドサージュ量 : 10g/L 熟成 : ステンレスタンク発酵、熟成後、瓶熟24ヶ月 |
¥2,900 |
| 5 | NV | Brut Carte d’Or / Veuve Olivier | 仏、シャンパーニュ | ムニエ65%, ピノ・ノワール35% | ドサージュ量 : 6g/L 熟成 : ステンレスタンク発酵、熟成後、瓶熟44ヶ月 |
¥6,200 |
| 6 | NV | Montmirel Blanc de Noirs / Clement Piconnet Selection | 仏、シャンパーニュ | ピノ・ノワール80%, ムニエ20% | ドサージュ量 : 5g/L 熟成 : ステンレスタンク発酵、熟成後、69ヶ月熟成 |
¥6,600 |
| 7 | NV | Carte Or / Claude Cazals | 仏、シャンパーニュ | シャルドネ100% | ドサージュ量 : 7g/L 熟成 : ステンレスタンク発酵、7ヶ月熟成後、瓶熟36ヶ月以上 |
¥7,800 |
| スパークリング・ロゼ | ||||||
| 8 | NV | Cava Brut Rosado / Sabartes | 西、ペネデス | ピノ・ノワール100% | ドサージュ量 : 5.5g/L 熟成 : ステンレスタンク発酵、瓶熟12ヶ月以上 |
¥2,700 |
| 白ワイン | ||||||
| 9 | 2024 | No.1 / UBY | 仏、シュッド・ウエスト | ソーヴィニヨン・ブラン100% | 熟成:ステンレスタンク発酵、澱と共に熟成 | ¥2,100 |
| 10 | 2023 | Muscadet Sevre et Maine Sur Lie Clos du Ferre V.V. / David & Duvallet | 仏、ロワール | ムロン・ド・ブルゴーニュ(ミュスカデ)100% | 熟成 : 地下タンク発酵、9ヶ月熟成 | ¥2,500 |
| 11 | 2024 | Picpoul de Pinet Prestige / Cabrol | 仏、ラングドック | ピクプール・ブラン100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、ステンレスタンク3-6ヶ月熟成 | ¥2,500 |
| 12 | 2023 | Forrest Chenin Blanc / Forrest Wines | NZ、マールボロ | シュナン・ブラン100% | 熟成 : 冷却沈殿後、オーク樽(ドイツ製の1000L)発酵。 オーク樽(ドイツ製の1000L)熟成。 | ¥3,300 |
| 13 | 2024 | Gewurztraminer Selida / Tramin | 伊、アルト・アディジェ | ゲヴュルツトラミネール100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、4ヶ月熟成 | ¥4,000 |
| 14 | 2024 | Chablis / Jean Marc Brocard | 仏、ブルゴーニュ | シャルドネ100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、澱と共に7-9ヶ月熟成 | ¥4,200 |
| 15 | 2024 | Macon Clos de la Maison / Famille Cordier | 仏、ブルゴーニュ | シャルドネ100% | 熟成 : オーク樽発酵、澱と共にフードル12ヶ月熟成 | ¥4,400 |
| 16 | 2023 | Riesling Sentiment / Amelie & Charles Sparr | 仏、アルザス | リースリング100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、澱と共に11ヶ月熟成 | ¥4,900 |
| ロゼワイン | ||||||
| 17 | 2024 | Caprice de Clementine Rose / Ch. Les Valentines | 仏、プロヴァンス | サンソー50%, グルナッシュ50% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、ステンレスタンク3-6ヶ月熟成 | ¥3,500 |
| 18 | 2024 | Pinot Noir Rose Haus Klosterberg / Markus Molitor | 独、モーゼル | ピノ・ノワール100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、5ヶ月熟成 | ¥3,200 |
| 19 | 2024 | Bandol Rose / Tour du Bon | 仏、プロヴァンス | ムールヴェードル40%, サンソー40%, グルナッシュ20% | 熟成 : エナメルタンク発酵、6ヶ月熟成 | ¥6,000 |
| 20 | 2024 | Etna Rosato / Terre Nere | 伊、シチリア | ネレッロ・マスカレーゼ100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、最低5ヶ月熟成 | ¥5,600 |
| 赤ワイン | ||||||
| 21 | 2015 | Ch. Bellevue la Randee / Bordeaux | 仏、ボルドー | メルロー45%, カベルネ・ソーヴィニヨン45%, カベルネ・フラン10% | 熟成 : コンクリートタンク10ヶ月熟成 | ¥2,300 |
| 22 | 2016 | Sangiovese / Lecciaia | 伊、トスカーナ | サンジョヴェーゼ・グロッソ100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、スラヴォニアオークのバリック10ヶ月以上熟成 | ¥3,000 |
| 23 | 2022 | Chinon Silenes / Charles Joguet | 仏、ロワール | カベルネ・フラン100% | 熟成 : ステンレスタンク発酵、18ヶ月熟成 | ¥3,850 |
| 24 | 2023 | Bourgogne Rouge / Quentin Jeannot | 仏、ブルゴーニュ | ピノ・ノワール100% | 熟成 : バリック(新樽30%)発酵、澱と共に8ヶ月熟成 | ¥5,000 |
マリアージュの判断方法
「ボリューム」「テクスチャー」「フレーバー」「五味(甘味・酸味・塩味・苦味・旨味)」について、以下のマリアージュポイントを参考にしながら分析します。
同調 (ワインと料理の個性の一部が寄り添うことで双方を高め合う)
中和 (お互いの個性を中和させて味わいのバランスをとる)
補完 (ワインと料理の双方が揃うことで、足りなかったものを補完する)
※マリアージュ理論の詳しい内容は以下よりご覧ください。
https://firadis.net/column_pro/201312/
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結果
| ワイン名/生産者 | 柑橘(レモン&金柑) | ハーブ薬味 | シェリー ビネガー |
梅干し | 乳酸系 | ニンニクマヨ | ||
| スパークリング・白 | ||||||||
| 1 | NV | Cuvee Extra Dry / San Martino Vini | ○ | × | △ | ◎ | × | △ |
| 2 | NV | Jade / Vinosia | ◎ | ◎ | ○ | △ | × | ○ |
| 3 | NV | Cava Brut Reserva / Sabartes | △ | ○ | × | × | △ | △ |
| 4 | NV | Cremant de Loire Brut / Ch. de L’Aulee | △ | △ | ○ | △ | × | △ |
| 5 | NV | Brut Carte d’Or / Veuve Olivier | ○ | △ | △ | × | × | △ |
| 6 | NV | Montmirel Blanc de Noirs / Clement Piconnet Selection | ○ | △ | △ | × | × | △ |
| 7 | NV | Carte Or / Claude Cazals | ○ | △ | △ | × | △ | × |
| スパークリング・ロゼ | ||||||||
| 8 | NV | Cava Brut Rosado / Sabartes | ◎ | × | △ | ○ | × | × |
| 白ワイン | ||||||||
| 9 | 2024 | No.1 / UBY | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 10 | 2023 | Muscadet Sevre et Maine Sur Lie Clos du Ferre V.V. / David & Duvallet | △ | △ | △ | △ | △ | △ |
| 11 | 2024 | Picpoul de Pinet Prestige / Cabrol | △ | ◎ | ◎ | ○ | △ | ○ |
| 12 | 2023 | Forrest Chenin Blanc / Forrest Wines | △ | ○ | △ | ◎ | △ | ○ |
| 13 | 2024 | Gewurztraminer Selida / Tramin | × | × | × | △ | × | △ |
| 14 | 2024 | Chablis / Jean Marc Brocard | ○ | ○ | △ | △ | △ | × |
| 15 | 2024 | Macon Clos de la Maison / Famille Cordier | △ | × | △ | △ | × | △ |
| 16 | 2023 | Riesling Sentiment / Amelie & Charles Sparr | ○ | ○ | ○ | △ | × | △ |
| ロゼワイン | ||||||||
| 17 | 2024 | Caprice de Clementine Rose / Ch. Les Valentines | △ | ○ | × | × | ○ | ○ |
| 18 | 2024 | Pinot Noir Rose Haus Klosterberg / Markus Molitor | △ | ○ | × | ○ | △ | △ |
| 19 | 2024 | Bandol Rose / Tour du Bon | ○ | × | △ | △ | △ | △ |
| 20 | 2024 | Etna Rosato / Terre Nere | △ | △ | ○ | △ | △ | △ |
| 赤ワイン | ||||||||
| 21 | 2015 | Ch. Bellevue la Randee / Bordeaux | × | × | × | × | △ | × |
| 22 | 2016 | Sangiovese / Lecciaia | △ | × | × | × | △ | × |
| 23 | 2022 | Chinon Silenes / Charles Joguet | × | △ | × | × | × | ○ |
| 24 | 2023 | Bourgogne Rouge / Quentin Jeannot | × | × | △ | △ | × | ○ |
① 柑橘系:レモン果汁と金柑マーマレードのドレッシング
1位 9:2024 No.1 / UBY
1位はフランス南西部ガスコーニュ地方で作られるソーヴィニョン・ブランでした!ワインの柑橘やトロピカルのフレーバーとソースの風味がしっかり調和し、テクスチャーや酸など全ての要素が同調しました。
2位 8:NV Cava Brut Rosado / Sabartes
ロゼ泡が2位にランクイン!酸味の方向性が同じで、柑橘のニュアンスが良く合いました。特に金柑マーマレードの丸みのある酸や甘味の質との相性が良く、心地よいマリアージュとなりました。
柑橘の種類・方向性と同調するワインが高評価に
マリアージュの決め手となったのは、やはりソースの味わいとワインの持つ柑橘のニュアンスや酸味の方向性との相性でした。今回はレモンだけではなく甘味のある金柑のマーマレードが加わることで、鋭いフレッシュな酸味ではなく、黄色オレンジ系のフレーバーと相性の良いワインが高評価を得ました。
スパークリングと白ワインでは、樽香や鋭い酸味、塩味を感じるような突出したミネラル感が料理の風味やテクスチャーとマッチせず、厳しい結果となりました。赤ワインは総じて柑橘の風味と喧嘩してしまい、料理の繊細さを活かすことができませんでした。
② ハーブ薬味系:山形のダシとハーブのサルサ
1位 2: NV Jade / Vinosia
1位に輝いたのは、ファランギーナ100%のスパークリングでした。ファランギーナの持つ
青っぽいハーブや青リンゴのフレーバーが、ソースの野菜やハーブの緑のニュアンスと良く合っており、泡の柔らかさと質感もマッチして心地よいマリアージュでした。
2位 9:2024 No.1 / UBY
ソーヴィニヨン・ブランがランクイン!ソースのハーブなどの緑の風味と、ソーヴィニヨン特有のグリーンなフレーバーが同調しました。若干ワインのトロピカルさが余計に感じたため、ロワールの方がさらに良い評価を得られたかもしれません。
グリーンなフレーバーの同調が肝!
きゅうりやディル、紫蘇など、特徴的な野菜やハーブからくる爽やかな青みのニュアンスを受け止められるワインは多くなく、順当な結果となりました。赤ワインは非常に厳しく、白ワインでも樽香やアロマティックなフレーバーはNGでした。さらにワインに強い甘味や酸味があると、生臭さが出たり、ワインに未熟さを感じてクオリティが下がったように感じるという意見もありました。
③ ビネガー系:シェリービネガーのドレッシング
1位 11:2024 Picpoul de Pinet Prestige / Cabrol
ピクプール・ド・ピネが1位という驚きの結果になりました。シェリービネガーの立体的で揮発的な酸に対し、ワインの密度のある黄色系柑橘の果実味と骨格の強いミネラルがしっかりと受け止め、ボリューム感も合っていて一体化しました。ワイン自体の酸はシャープですが、喧嘩することなく調和している印象でした。
突出して外れないが、決め手に欠けるシェリービネガーの難しさ
用意したワインの中ではなかなか合うものが見つけられなかったのがシェリービネガードレッシングでした。臭みが出るなど、突出して合わない組み合わせは少なかったのですが、ポジティブな変化が生まれづらいと感じました。
シェリーっぽい複雑な風味やツンと鼻をつくような揮発系の酸味が特徴でしたが、特に樽香とも合うことはなく、オレンジワインなど他のワインを試してみたいと思いました。
④ 梅系:梅干しと昆布茶(白出汁)のドレッシング
1位 9:2024 No.1 / UBY
ここでもNo.1 / UBYが1位となりました。丸みのある酸味と上品な旨味が際立つ、和の雰囲気の甘酢っぱいソースと、ワインの明るくまろやかな果実の甘味や酸味、フレーバーが同調しており、非常に華やかなマリアージュとなりました。
2位 1:NV Cuvee Extra Dry / San Martino Vini
梅の酸味と昆布茶の繊細な旨味を感じるカルパッチョの味わいに対して、ワインの果実の甘味や繊細な泡立ちが上品に寄り添いました。ワインに足りない要素を料理が補完するようで、味わいに複雑さが増し、昆布の旨味と柔らかさが強調されていました。
梅の丸みのある酸味との相性と、繊細な風味とのバランスで評価が分かれる結果に
梅特有の丸みがあり持続する酸味と繊細な旨味に合わせるには、シャープな酸やアロマティックな果実味、ドサージュの甘味、タンニン、樽香などはことごとく合わず、料理の絶妙な味わいが消えてしまうように感じました。ピノ・ノワールは梅とのバランスが良かったのですが、赤ワインではワインが勝ってしまい、ここでも難しい結果となりました。
⑤ 乳酸系:クリームチーズとヨーグルトのソース
1位 9:2024 No.1 / UBY
またしてもNo.1 / UBYが1位に!ワインのフレッシュな酸と、ヨーグルトのフレッシュな酸味が同調し、料理のクリーミーさが足されることで全体的に厚みが出て、相乗するようなおいしさを感じました。若干ワインのトロピカル感が目立ちすぎるという意見もありました。
クリーミーな乳酸系の酸味×真鯛は難関。“同調しても整わない”結果に
全体を通して、今回用意した中で最も合わせづらかったソースでした。ヨーグルトとクリームチーズによる、爽やかさと乳酸由来のクリーミーさを併せ持つ酸味に対し、No.1 / UBYのほど良い酸味は合っていましたが、それ以外はワインと料理がバラバラに感じられたり、ソースがワインを覆ってしまって良さが引き出されない傾向が見られました。
また、ブルゴーニュのシャルドネやボルドーなど、マロラクティック発酵のニュアンスを持つワインは酸の同調こそ見られたものの、果実味が浮いたり、樽香が残ってしまうなど、全体のバランスを欠く結果となりました。
⑥ ニンニク系:ニンニクマヨネーズ(アイオリ風)
1位 9:2024 No.1 / UBY
ニンニクマヨネーズのソースでも、No.1 / UBYが1位に輝きました。パンチのあるニンニクの強さにもワインの風味が負けることなく、爽やかかつクリーミーなアタックからニンニクの香りが残るアフターまで、しっかり寄り添いました。
2位 23:2022 Chinon Silenes / Charles Joguet
ここでやっと赤ワインがランクインしました。カルパッチョのクリーミーさ、甘味、旨味に、カベルネ・フランの果実味や酸味が足され、五味のバランスが整うとともに、ワインの持つピンクペッパーのようなスパイス感が全体のボリューム感を演出し、相乗的なおいしさを感じました。
強い味わいや丸みのある酸味によって、赤ワインにも可能性が!
パンチのあるニンニクの風味により、スパークリングはほぼ脱落する一方で、これまでなかなか合わなかった樽のニュアンスや赤ワインに、唯一可能性が見出されたソースでした。ただしその中でも、鋭角な酸味やドサージュ由来の甘味、アロマティックな果実味といった要素は料理と噛み合いにくく、調和させるのは難しい結果となりました。
まとめ
今回の検証から見えてきたのは、「真鯛のカルパッチョ」という一つの料理であっても、ソースによってワインとの相性が大きく変化するという点でした。とりわけ“酸味”は共通項でありながら、その性質や方向性によって求められるワインのタイプは大きく異なり、ソースごとに評価の傾向が明確に分かれました。
一方で興味深いのは、「No.1 / UBY」が6種中4種で1位、1種で2位と、複数の異なるソースにおいて安定して高い評価を得た点です。柑橘系、ハーブ薬味、梅、乳酸系、ニンニクといった方向性の異なる酸に対しても大きく崩れることなく機能しており、特定の条件に強く適合するというよりも、複数の要素に対してバランスよく対応できるワインの存在が示唆される結果となりました。
対照的に、鋭角な酸味や強いミネラル、アロマティックな果実味、樽香といった特定の要素が際立つワインは、あるソースでは高い評価を得る一方で、別のソースでは不調和を生むなど、マリアージュの幅が限定される傾向が見られました。
今回の結果から、マリアージュは料理そのものではなく、その一皿にどのような要素が加わるかによって決定づけられることが、改めて浮き彫りになりました。同時に、特定の条件下で際立つワインと、複数の条件下で安定して寄り添うワインがともに存在する点も印象的でした。
今回のように、“最後の一手”によって合うワインがどのように変わるのかを探る『ペアリング研究』は、今後も継続していく予定です。気になるテーマがあれば、ぜひフィラディススタッフまでお声がけください!
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乳酸菌とワインの関わり-マロラクティック発酵を探る。 (ソムリエ 織田 楽さん寄稿) 2026.04.03
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