9つの村を知るだけで、シャンパーニュ選びは変わる。

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地域と村のご紹介
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    Verzenay

    ヴェルズネイ
    (標高 86-283m)

    モンターニュ・ド・ランス丘陵の中で最良のピノ・ノワールを産み出す、人口1000人ほどの小さな村。北斜面と白亜質の土壌が産む精緻な酸やミネラル感による男性的な骨格、透明感や伸びやかさ、そして丸く完璧なバランスと気高さがヴェルズネイの美点。この村最良の区画は、日光がしっかりと当たる北斜面の中腹部にあり、粘土質の表土の下にベレムナイトが堆積して出来た分厚い白亜の層が横たわる。熟度とミネラル感のバランスが素晴らしいブドウが得られる絶好のテロワールだ。

    Jean Lallement et Fils
    Jean Lallement et Filsヴェルズネイ最良の区画を所有、スケールの大きいピノ・ノワールを造る男。
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    Bouzy

    ブジー
    (標高 103-268m)

    アンボネイの西側に隣接する人口900人程度の村。上記2村と同様に優良なピノ・ノワールの産地として名高く、シャンパーニュで最もパワフルなピノ・ノワールを産む地域と言われる。その特徴はしっかりとした骨格に濃密な果実味、スパイシーさもあり、最上の赤ワインの産地としても有名。

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    Ambonnay

    アンボネイ
    (標高 90-282m)

    モンターニュ・ド・ランス地区の南部に位置する人口900人程度の村で、ヴェルズネイと並ぶ良質なピノ・ノワールのグラン・クリュ。ヴェルズネイの特徴が精緻さであるのに対して、アンボネイはリッチで豊潤、果実味の中にフィネスを備えたものとなる、これは適度な厚さの表土を持つチョーク質の土壌や、豊富だが過度では無い日照を受ける南東向き斜面によるものだ。ふくよかな果実とエレガントな酸を備えた朗らかなキャラクターが魅力のアンボネイのワインは「素直に美味しい」と評され、またこの村は「クリュッグ家が最も大切にしている黒ブドウのグラン・クリュ」と讃えられる。

    Bernard Bremont
    Bernard Bremont最高樹齢90年。アンボネイ最上の大らかなピノ・ノワールを堪能する歓びを。
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    Ay

    アイ
    (標高 68-268m)

    ヴァレ・ド・ラ・マルヌに位置する人口4,000人程度の村。17あるシャンパーニュのグラン・クリュのうち、いち早くこの格付けに認定された村の一つで、最高のピノ・ノワールを生む土地として古くから王侯貴族や法皇の寵愛を受けてきた。また現在では、ボランジェ、ドゥーツ、ゴッセなど著名生産者の拠点としても知られている。同じくグラン・クリュであり、偉大なピノ・ノワールの地として双璧をなすヴェルズネイの魅力が北斜面が生む精緻な酸や伸びやかさ、堅牢な骨格だとすれば、アイは南向き斜面の豊富な日照を感じさせるふくよかな果実味と大らかさ、芯が詰まった濃密さでグラン・クリュの王の地位を確固たるものにしている。

    Richaed Fliniaux
    Richaed Fliniauxスタンダード・キュヴェにグラン・クリュ・アイを99%使用。豊かな果実味と大らかさを身上とする、贅沢なシャンパーニュ。
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    Chouilly

    シュイイ
    (標高 68-240m)

    グラン・クリュ最大の栽培面積を誇る村だが、その実優れた区画が限られている。シュイイのワインは酸・ミネラルともに控えめで、滑らかに広がるソフトな果実と品の良さが特徴である。やさしい果実の上品さとしなやかな質感が特徴だが、クラマン寄りの区画ではクリーミーさも加わり、コート・デ・ブランの中では珍しく、シュイイはミネラルよりもボディに勝ると評される。この村で最上といわれるサランの丘に広がる畑はほぼモエ・エ・シャンドンが独占し、そのブドウをドン・ペリニヨンに使用していることに、そのポテンシャルが示されている。

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    Cramant

    クラマン
    (標高 105-246m)

    コート・デ・ブラン地区でも最も小さく人口も少ない村。シュイイとアヴィーズの中間に位置し、柔らかく豊かな果実味、力強いミネラルが特徴。広がりが大きく、クリーミーな質感を擁する。

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    Avize

    アヴィーズ
    (標高 100-246m)

    北はクラマン、南はオジェに境界を接する小さな村アヴィーズは、名実ともにこの地を代表するグランクリュだ。アグラパールやジャック・セロス等、数多くの優れた造り手を擁し、ベレムナイトの化石が堆積した白亜の土壌により、太く切れ込む酸と強いミネラルを備えた骨太なエレガンスが特徴のワインが生まれる。

    Le Brun Servenay
    Le Brun Servenayコート・デ・ブランのフィネスと気品を体現するブラン・ド・ブランの名手。
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    Oger

    オジェ
    (標高 96-246m)

    1985年にグランクリュに昇格したオジェは、シャンパーニュ随一のシャルドネの産地コート・デ・ブラン地区に位置する。この地の代表的グランクリュ、アヴィーズの特徴が太く切れ込む酸と強いミネラルを備えた骨太なエレガンスとすると、その南隣りにあるオジェは優しい果実と細かな酸を備えた大らかなエレガンスが魅力である。2km程度しか離れておらず、優れたシャンパーニュを生むベレムナイト・チョークの土壌を共通して持つこのふたつの村に決定的な違いをもたらすのは、斜面の形である。アヴィーズから続く斜面はオジェに入ると「く」の字を描くように湾曲する。このパラボラアンテナ状の地形が冷たい北風から畑を守り、周囲の村よりも暖かなミクロクリマを生み、オジェのキャラクターに大きな影響を与えるのである。

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    le Mesnil-sur-Oger

    ル・メニル・シュール・オジェ
    (標高 103-246m)

    シャルドネの聖地コート・デ・ブランの最南端に位置するル・メニル・シュール・オジェは、シャンパーニュ評論家のリチャード・ジューリンから、「歴史上最もエレガントなシャンパーニュをもたらす」と最大の賛辞を受けるグランクリュだ。表土が非常に薄くベレムナイト・チョークの層がすぐに露出する土壌が、豊かで強いミネラル感とシャープな酸をもたらし、シャンパーニュのグランクリュの中で最も長熟で最もエレガントと評されるワインを生み出す。それに対し、すぐ北隣に位置するグランクリュ、オジェでは、北風から保護されたパラボラアンテナ状の独特の地形により優しい果実と穏やかな酸が備わり、大らかな気品が魅力となる。

    Claude Cazals
    Claude Cazalsグラン・クリュの希少なクロ「クロ・カザル」を所有。ニール・ベケットに「死ぬ前に飲むべき1001のワイン」に選出された偉大なるシャルドネの名手。

フランスを旅したことのある方は多いですが、ワイン生産者を訪問したことがある人、となると極端に少なくなります。ワイン好きの方でも、「行ってみたかったけど、どうやって行ったら良いのか分からない」と断念したケースが多いよう。確かに、移動も含めて1週間程の旅程だと、ボルドーやブルゴーニュを訪問し、飲酒運転をしないためにタクシーやハイヤーを一日確保してワイナリーを巡る、というとそれなりにハードルは高いものです(有名産地には必ずワイナリーツアーなどというものもありますが、大体において商業的な生産者に行く内容で、お土産屋さんに立ち寄るパッケージツアーと同じ。真にワインが好きな方は選択肢から除外しましょう)。

ですが、シャンパーニュ地方は短期間でフランスを旅する忙しいワイン好きにも気軽に、かつ満足度の非常に高いワイン体験を提供してくれるエリア。シャンパーニュの中心都市であるReims(ランス)まではパリから列車で1時間かからないほど(最も早い列車なら45分ほど)、そして市内からそれほどの時間と手間を掛けずとも廻れる圏内に、見学が可能な生産者が沢山あるのです。有名メゾンがランス市内に構える見学用セラーなら、歩いて訪問出来るくらい。
シャンパーニュを愛好される方々は、この資料を参考に地域の地理関係・各村が産するシャンパーニュの味わい特徴などを把握し、次にフランスを訪れる際には是非ともシャンパーニュの生産現場を直に見て欲しいと思います。

さて、日々レストランや当店でシャンパーニュを選ぶ際にも、この地理関係や各村の特徴が分かっていさえすれば、「その時最も選ぶべきシャンパーニュ」を正しく選択する羅針盤となります。
シャンパーニュ地方には、「グラン・クリュ」の格付をされた村が17村。
うち、THE CHAMPAGNEが真に重要な村と考えるのは半分と少しの「9村」。

誰でも47都道府県のうち9県分の地理や名産の美味しいもの、くらいは憶えていると思います。そう考えれば、シャンパーニュ9つの村の名前と特徴を覚えることは案外たやすいことと思います。(*地図中に村名が大きく表示されている村をタップ/クリックしてみてください。村についての詳細情報が表示されます。)
この最重要項目を正しく理解して戴き、シャンパーニュを村単位で比較して飲んでいく面白さを体験してください。
全体の概要をこのページに、そしてひとつひとつの村の更なる解剖を、今後アップデートしていく予定です。