≪こんな香り･味わいのワインです≫：
ほのかにオレンジ色がかった周辺部の美しい輝きまずは目を惹かれました。良好な作柄に恵まれたヴィンテージのワインがふさわしく熟成したときの、実に艶めかしい色合いです。香りのはじまりは、ボルドー右岸特有の凝縮感溢れる赤い果実…苺、ラズベリーなどに程よくブルーベリーなど黒い果物。ローズマリーやミントなど爽やかなハーブのアクセントと軽いクリーム感が混ざり合い、複雑で豊潤な香りに構築されています。舌の上を滑り降りていくような優しいタッチ、果実の甘みと熟成感、シルキーに溶け込んだタンニン、そしてそれを的確に整えてくれる酸が絶妙な時間差で出現し、まるでひとつの物語が展開していくような感覚を覚えました。
抜栓から45分ほど経ち、果実の密度がより詰まる感じ。ドライフルーツ的な甘さ、そして酸はフレッシュさを増し抜栓時より若々しい印象に。僕が「良い状態になったな」と感じたのは抜栓から90分後。コーヒー豆、ビターチョコレートの香ばしい香りが現れ、今このワインが見せられる最上の調和に達しました。『シャトー・ド・クロット』…いいワインです！！

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
2015年ヴィンテージは比較的早めに開くタイプ。お食事の90分前くらいに開けておけば、良い状態で楽しむことが出来ると思います。前述したように45分目くらいから果実味がドライフルーツのように濃密な甘さに変化していきましたので、そのあたりを目安にして開けておき変化を楽しむのも良いかと思います。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
抜栓したら飲む30-45分前から冷蔵庫に、またはアイスバケツで5分ほど。少しだけ温度を下げて全体の味わいを整ったものにしましょう。熟成による深く、伸びやかな旨味は適切な温度で本領を発揮してきます。飲み始めてからも、適宜冷やし・戻しを。

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
2015年ヴィンテージについては、やや小さめ-中程度の大きさのボルドー型グラスがおすすめ。詰め込まれた様々な要素が凝縮感・一体感を持って集約され、奥深さのある香りと味わいに。グラスが大きすぎると、要素全体がややほどけてしまう感じ。



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