≪こんな香り･味わいのワインです≫：
色調は周辺部に微かにオレンジ色が見える程度。このクラスの10年以上熟成物としては意外なほどまだ赤紫色がしっかりと残っており、ひとまずは良好な熟成状態を確認。
香りはカシス＆ブルーベリーなどの黒系果実から始まり、甘草や中国茶の少し乾いた感触、微かな薫香。味わいは開けたて時点から甘みがじんわりと広がり、滑らかに溶け込んだタンニンがヴォリューム感を補強し、終盤に酸が瑞々しく立ち上がりフィニッシュ。ドシっと来るような重量感はないながらも、心地よく綺麗に全体像がまとまっていました。時間経過を経て高くなるハーブの香り、そして存在感を増すタンニンはえぐみも無く常にエレガント。
これを入口に熟成ボルドーに興味を持てたとしたら、次は2,000円後半から3000円台のものに、そして5,000円以上に…とゆっくりステップアップを。価格を上げる毎各段階で新たな発見・気付きがあるのがワインの面白いところ、是非新たな楽しみに出会ってください！

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
お薦めは飲む1時間前の抜栓。開けたての時点でも果実の甘みは十分に出ていて旨みもありますが、やはり1時間くらい待つと各要素の表現力が増してくるのは確か。デキャンタージュなどは不要ですので、いったん開けたらコルクを再栓して静置を。なお、澱はほとんど出ていませんでしたのでその点は神経質にならなくても大丈夫でした。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
セラー保存だったらそのままの温度で、室温で置いてあったら冷蔵庫45-1時間くらいかアイスバケツ冷却6-7分程度(上記の通り抜栓は事前にしておいてください)。熟成の旨みを綺麗に、伸びやかに引き出すには多少低い温度帯が理想。逆に冷やし過ぎるとタンニンが際立ってしまうので、このワインについては温度の調整に気を配ってみてください。

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
口細・卵型のボルドーグラス、サイズはあまり大きすぎないものをお薦めします。クオリティはこの価格帯の標準レベルを軽く超えていますが、それでも1,000円台のボルドーであって、グラン・クリュではありません。大ぶりのグラスに注いでしまうとさすがにスケール感不足になってしまいます。適材適所、中程度サイズのグラスで楽しめば実力が120%以上で発揮されますよ。