その「デカンター」誌いわく…
【1】世界的な需要に十分に応えられる安定的な生産量
【2】質の高さと味わい・スタイルの一貫性
【3】手頃な価格帯のコストパフォーマンス
という3拍子が揃った生産地を選ぶなら、スペイン・リオハは世界NO.1クラスだ、という評価。近年になって新進気鋭のモダン・リオハが台頭し、生産者同士の切磋琢磨が激しくなったことにより全体の品質がぐんぐん底上げされていることがその裏付けと言えます。そして、バロン・デ・レイは、そんな「新しいリオハ」を担うトップ生産者のひとつです。バロン・デ・レイのフィロソフィーは「どんな時でも、どんな料理とも楽しめる、テロワールがきれいに反映したワイン」だそう。肉料理には勿論絶対的にマリアージュするわけですが、白身肉や魚でもソース次第で合わせられると思います。下のテイスティングコメントやマリアージュレシピはあくまでもご参考までに、是非色々な料理と試してみてください！

≪こんな香り･味わいのワインです≫：
このワインにじっくりと向き合うのは随分と久しぶりになってしまいました。でも、改めて時間をかけて試飲をすることで素晴らしさを再認識。やはり、この価格帯のリオハとしては本当に卓越したクオリティを実現しています。
黒系果実が全体の印象を引っ張りつつイチゴなど赤い果物の甘い感じも。ナツメグや紅茶の印象に赤身肉のローストを感じさせる艶めかしい香りが。ファーストタッチは密度が濃く完熟を感じさせるフルーツ感ときめ細かく量の多いタンニン、後半に適切な酸が現れ全体のバランスを取りつつ、トータルな印象はあくまでもパワフル、に仕上げています。このワインの特性として、全体像が円を描く広がりというよりは「横に、無限に広がっていく感じ」が個性的ですね。
時間経過を経て果実の詰まり具合は更にぎゅうぎゅうにそして甘く、そして旨みもぐんとアップ。

≪このワインとのマリアージュ料理は？≫：
タンニンが分厚くリッチに、でも柔らかく展開するので、合わせる料理は少し濃いめのソースを使った肉料理が良いと思います。マリアージュレシピは、バルサミコ酢とオリーブオイルを使った馬肉のタリアータを提案していますが、バルサミコを甘く煮詰めたソースの肉料理も良いと思います！

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
飲む1時間前くらい前に抜栓しておくと良いかと思います。コルクを抜いた直後でもそれほど閉じた感じはありませんので、事前抜栓が出来なかった時はゆっくり飲めば大丈夫。時間経過を経ると、横に広がっていくようなこのワインに「厚み」がプラスされます。タンニンは非常に豊富なのに、締まらずに伸びやかに拡張、そこが心地よくなってくるのが1時間後からでした。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
軽く冷やしたくらいが丁度良いですね。冷やし過ぎだとこのワインの「水平に伸びやかな広がり」が不足しますので、適度なところで。セラー保管だったらそのままの温度で大丈夫、室内冷暗所の保管だったら、冷蔵庫に30-40分、時間が無ければアイスバケツで3-5分冷やしましょう。(※冷蔵庫での冷やしをおすすめするのは、ラベルが水でふやけないからです。ラベルを剥がして保管するなら、冷蔵庫で冷やしましょう！)

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
スタンダードなボルドータイプ、ブルゴーニュタイプ2種で比較試飲を実施、やはりこのタイプはボルドーグラスの「味わい要素の集約機能」が生きてきますね。密度の濃い果実味、まったりと心地よくこなれたタンニン、そしてそれらを重たくさせない適度な酸、それらが綺麗に均衡するのはボルドータイプのグラスでした。ブルゴーニュグラスはちょっと酸が前に出過ぎるかな…と言う感じです。