シャンパンの選び方にはコツがある!役立つ選び方、おすすめシャンパンをご紹介。

クリスマスに美味しいシャンパンで乾杯!

ほんの少しの知識でリーズナブルに美味しいシャンパンをゲットする、そんな方法教えます。

クリスマスやお正月と言えば、やはりシャンパンで乾杯したいもの。 また、暑い夏によく冷やしたシャンパンは、すっきりと心をリフレッシュしてくれます。 お客様をお迎えする用途にも、ギフトにも最適なワインと言っていいでしょう。

でも、決して安い買い物ではないのに、どれが美味しいのか分からない・・・。 結局はどこでも売っている、大手メゾンのシャンパンしか買ったことが無い、 という方は多いのではないでしょうか?

このページでは、そんな方々に向けて分かりやすいシャンパンの選び方を解説します。 シャンパンについてほんの少し知るだけで、より簡単に、確実に、しかもリーズナブル に、美味しいシャンパンを賢く選べるようになりますよ。 また、ページ中ほどでおすすめシャンパンもリストアップしましたので、是非ご参考にして下さい。

それでは、基本からポイントを押さえて行きましょう。

フランス・シャンパーニュ地方の位置(地図)

シャンパーニュ地方の位置

シャンパン=シャンパーニュはフランスのワイン

シャンパンをフランス語読みすると「シャンパーニュ」。 このページではなるべく現地読みでシャンパーニュと記載させていただきますね。 シャンパーニュはフランス、パリの北東に位置するワイン生産地。 フランスで最北の産地であり、ブドウ栽培の北限ギリギリの冷涼な土地です。 この地方で伝統的に造られるスパークリング・ワインだけがシャンパーニュを名乗れます。 全てのシャンパンはシャンパーニュ地方で、特定の品種を使い、定められた製法で生産されているというわけですね。

実は多様なシャンパーニュの世界

シャンパンの銘柄をいくつご存知でしょうか? モエ、クリコ、クリュッグ、ドンペリ、クリスタル・・・5つも知っていれば、詳しいほうかもしれませんね。 しかし、実はシャンパーニュ地方には約4,800軒もの生産者が存在します。 うち約300軒が、シャンパーニュに自社のブランド名をつけて世界中に供給する ネゴシアン・マニピュラン(N.M)と呼ばれる生産者。 上に名前を挙げた有名シャンパーニュのメゾンは全てこのN.Mにあたります。 そして残りの大多数がレコルタン・マニピュラン(R.M)と呼ばれる、 自社所有のブドウ畑で収穫したブドウのみを使い、栽培から醸造まで一貫して行う生産者です。 こちらは比較的小規模の、いわば職人型の生産者。その数はなんと約4,461軒! また協同組合が造るシャンパーニュも39軒存在します。(2015年時点) 知れば知るほど、多種多様なシャンパーニュが存在するということですね。

シャンパーニュには格付けが存在する

フランスのワインに付き物なのが「格付け」なのですが、 実はシャンパーニュにも、格付けが存在することをご存知でしょうか? 格付けは非常に厳格で有名なフランスワイン法で定められたもの。 品質を守るための厳しいルールを満たして造られるのはもちろんのこと、 シャンパーニュ地方の中でより栽培条件に恵まれた、限られた村 (コミューン)で生産されるシャンパーニュだけに与えられます。

シャンパーニュの格付けはこの2つ

  • 特級=グラン・クリュ → 17の村が指定(最高格付)
  • 一級=プルミエ・クリュ → 42の村が指定

単純にクオリティの高いシャンパーニュを選ぶなら、 グラン・クリュのシャンパーニュをチョイスするのが最も確実です。 さらに、このグラン・クリュ17村の中でも、特に名声の高く重要産地と思われる9つの村を知っておけばより確実でしょう。

グラン・クリュの17村のうち、特におさえるべき9村

シャンパーニュ地方のグラン・クリュは、モンターニュ・ド・ランス、 ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの3つの地区に集中しています。 それぞれの地区で特におさえるべき、グラン・クリュ格付けの村々は下記の通りです。 地図上の村名をタップすると、さらに詳細な各村の特徴を表示することができますよ。

モンターニュ・ド・ランス地区

  • Verzenay : ヴェルズネイ
  • Ambonnay : アンボネイ
  • Bouzy : ブジー

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区

  • Ay : アイ

コート・デ・ブラン地区

  • Chouilly : シュイイ
  • Cramant : クラマン
  • Avize : アヴィーズ
  • Oger : オジェ
  • Le Mesnil-sur-Oger : ル・メニル・シュール・オジェ
地域と村のご紹介
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    Verzenay

    ヴェルズネイ
    (標高 86-283m)

    モンターニュ・ド・ランス丘陵の中で最良のピノ・ノワールを産み出す、人口1000人ほどの小さな村。 北斜面と白亜質の土壌が産む精緻な酸やミネラル感による男性的な骨格、透明感や伸びやかさ、 そして丸く完璧なバランスと気高さがヴェルズネイの美点。この村最良の区画は、日光がしっかりと当たる北斜面の中腹部にあり、 粘土質の表土の下にベレムナイトが堆積して出来た分厚い白亜の層が横たわる。 熟度とミネラル感のバランスが素晴らしいブドウが得られる絶好のテロワールだ。

    Jean Lallement et Fils
    Jean Lallement et Filsヴェルズネイ最良の区画を所有、スケールの大きいピノ・ノワールを造る男。
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    Bouzy

    ブジー
    (標高 103-268m)

    アンボネイの西側に隣接する人口900人程度の村。上記2村と同様に優良なピノ・ノワールの産地として名高く、 シャンパーニュで最もパワフルなピノ・ノワールを産む地域と言われる。その特徴はしっかりとした骨格に濃密な果実味、 スパイシーさもあり、最上の赤ワインの産地としても有名。

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    Ambonnay

    アンボネイ
    (標高 90-282m)

    モンターニュ・ド・ランス地区の南部に位置する人口900人程度の村で、 ヴェルズネイと並ぶ良質なピノ・ノワールのグラン・クリュ。ヴェルズネイの特徴が精緻さであるのに対して、 アンボネイはリッチで豊潤、果実味の中にフィネスを備えたものとなる、これは適度な厚さの表土を持つチョーク質の土壌や、 豊富だが過度では無い日照を受ける南東向き斜面によるものだ。 ふくよかな果実とエレガントな酸を備えた朗らかなキャラクターが魅力のアンボネイのワインは「素直に美味しい」と評され、 またこの村は「クリュッグ家が最も大切にしている黒ブドウのグラン・クリュ」と讃えられる。

    Bernard Bremont
    Bernard Bremont最高樹齢90年。アンボネイ最上の大らかなピノ・ノワールを堪能する歓びを。
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    Ay

    アイ
    (標高 68-268m)

    ヴァレ・ド・ラ・マルヌに位置する人口4,000人程度の村。 17あるシャンパーニュのグラン・クリュのうち、いち早くこの格付けに認定された村の一つで、 最高のピノ・ノワールを生む土地として古くから王侯貴族や法皇の寵愛を受けてきた。また現在では、 ボランジェ、ドゥーツ、ゴッセなど著名生産者の拠点としても知られている。同じくグラン・クリュであり、 偉大なピノ・ノワールの地として双璧をなすヴェルズネイの魅力が北斜面が生む精緻な酸や伸びやかさ、 堅牢な骨格だとすれば、アイは南向き斜面の豊富な日照を感じさせるふくよかな果実味と大らかさ、 芯が詰まった濃密さでグラン・クリュの王の地位を確固たるものにしている。

    Richaed Fliniaux
    Richaed Fliniauxスタンダード・キュヴェにグラン・クリュ・アイを99%使用。豊かな果実味と大らかさを身上とする、贅沢なシャンパーニュ。
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    Chouilly

    シュイイ
    (標高 68-240m)

    グラン・クリュ最大の栽培面積を誇る村だが、その実優れた区画が限られている。 シュイイのワインは酸・ミネラルともに控えめで、滑らかに広がるソフトな果実と品の良さが特徴である。 やさしい果実の上品さとしなやかな質感が特徴だが、クラマン寄りの区画ではクリーミーさも加わり、 コート・デ・ブランの中では珍しく、シュイイはミネラルよりもボディに勝ると評される。 この村で最上といわれるサランの丘に広がる畑はほぼモエ・エ・シャンドンが独占し、 そのブドウをドン・ペリニヨンに使用していることに、そのポテンシャルが示されている。

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    Cramant

    クラマン
    (標高 105-246m)

    コート・デ・ブラン地区でも最も小さく人口も少ない村。シュイイとアヴィーズの中間に位置し、 柔らかく豊かな果実味、力強いミネラルが特徴。広がりが大きく、クリーミーな質感を擁する。

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    Avize

    アヴィーズ
    (標高 100-246m)

    北はクラマン、南はオジェに境界を接する小さな村アヴィーズは、 名実ともにこの地を代表するグランクリュだ。アグラパールやジャック・セロス等、数多くの優れた造り手を擁し、 ベレムナイトの化石が堆積した白亜の土壌により、 太く切れ込む酸と強いミネラルを備えた骨太なエレガンスが特徴のワインが生まれる。

    Le Brun Servenay
    Le Brun Servenayコート・デ・ブランのフィネスと気品を体現するブラン・ド・ブランの名手。
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    Oger

    オジェ
    (標高 96-246m)

    1985年にグランクリュに昇格したオジェは、 シャンパーニュ随一のシャルドネの産地コート・デ・ブラン地区に位置する。この地の代表的グランクリュ、 アヴィーズの特徴が太く切れ込む酸と強いミネラルを備えた骨太なエレガンスとすると、 その南隣りにあるオジェは優しい果実と細かな酸を備えた大らかなエレガンスが魅力である。 2km程度しか離れておらず、優れたシャンパーニュを生むベレムナイト・チョークの土壌を共通して持つこのふたつの村に決定的な違いをもたらすのは、 斜面の形である。アヴィーズから続く斜面はオジェに入ると「く」の字を描くように湾曲する。 このパラボラアンテナ状の地形が冷たい北風から畑を守り、周囲の村よりも暖かなミクロクリマを生み、 オジェのキャラクターに大きな影響を与えるのである。

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    le Mesnil-sur-Oger

    ル・メニル・シュール・オジェ
    (標高 103-246m)

    シャルドネの聖地コート・デ・ブランの最南端に位置するル・メニル・シュール・オジェは、 シャンパーニュ評論家のリチャード・ジューリンから、「歴史上最もエレガントなシャンパーニュをもたらす」 と最大の賛辞を受けるグランクリュだ。表土が非常に薄くベレムナイト・チョークの層がすぐに露出する土壌が、 豊かで強いミネラル感とシャープな酸をもたらし、シャンパーニュのグランクリュの中で最も長熟で最もエレガント と評されるワインを生み出す。それに対し、すぐ北隣に位置するグランクリュ、オジェでは、 北風から保護されたパラボラアンテナ状の独特の地形により優しい果実と穏やかな酸が備わり、大らかな気品が魅力となる。

    Claude Cazals
    Claude Cazalsグラン・クリュの希少なクロ「クロ・カザル」を所有。ニール・ベケットに「死ぬ前に飲むべき1001のワイン」に選出された偉大なるシャルドネの名手。

格付けの高いシャンパーニュは何が違う?

シュワっとした泡立ちのせいか、シャンパンと言えば味わいの第一印象から評価されがちですが、 グラン・クリュやプルミエ・クリュ・シャンパーニュの素晴らしさを感じるには、飲みこんだ後に口中に残る味わい、 つまりアフターフレーヴァーに着目しましょう。 旨みがじんわりと長く続いていくその余韻の中に、 香りと味わいの奥行、複雑性、そして広がりを感じることができるでしょう。 一度その魅力を知ってしまえば、もう後には戻れないほどの魅力! 優れたテロワールだからこそ表現できる深遠な世界なのです。

高品質でリーズナブルなシャンパーニュを選ぶ

R.M生産者の収穫風景

R.M生産者クロード・カザルの収穫風景

リーズナブルな価格帯の中で、品質の良いシャンパーニュを選ぶなら、 有名ブランドのシャンパーニュは除外するのも一つの手です。 何故なら、大手メゾンは多額の費用を広告プロモーションに使用するため、 どうしてもそれがシャンパーニュの価格に反映されてしまうからです。

逆に、R.Mと呼ばれる職人的な生産者の多くは、広告費など殆ど(または全く)使いませんので、例えグラン・クリュ格付けであっても有名ブランド品と比べてかなり割安に買えます。 ただし、職人個人の腕前やこだわり、所有畑のテロワールによって、当たり外れがあるのも事実。 ワインの目利きがしっかりとセレクトした生産者を選ぶことで、初めて品質面、価格面共に大変優れたものになります。

選び方:結論

リーズナブル帯で、美味しいシャンパーニュを選ぶには シャンパーニュの目利きが選んだグラン・クリュ格付けの優良R.M生産者のシャンパーニュを選ぶ!

それでは、全てグラン・クリュ格付けで、シャンパーニュのセレクトを得意とする輸入商社フィラディスが選んだ、優良生産者のみのおすすめシャンパーニュをご紹介します! グラン・クリュの実力を是非お試しくださいね。

春におすすめ爽やかシャンパン

まだまだあります!

上にご紹介したのは一部です。もっと他にもグラン・クリュ・シャンパーニュを見てみたい方は、 注目すべき「グラン・クリュ」のページをご覧下さい。 当店THE CHAMPAGNEではグラン・クリュに限らず実力派の人気レコルタン・マニピュラン、そして中々お目にかかれないグラン・メゾンの古酒もご紹介していますので、こちらもご覧ください。

おまけ:シャンパーニュの美味しい飲み方

基本的に、良く冷やしてお召し上がりください。 提供温度は5℃くらいを目安に。 それほど厳密でなくても大丈夫。果実のボリューム感をより感じたい場合はもう1~2℃高くても良いと思います。 ちょっとぬるいかなと感じたら、しばらくアイスバケツに入れて置くと良いですよ。 グラン・クリュ・シャンパーニュの場合、グラスは縦に長い所謂フルート型よりも、大ぶりのワイングラスがおすすめです。 白ワイン用や、赤ワイン用のグラスで構いません。より存分にシャンパーニュの香りと味わいの広がりや奥行きを感じることができます。

ボトルの開け方

シャンパーニュのボトルの開け方については、 安全で失敗しないスパークリングワインの開け方の解説ページを用意しています。 実際にコルクを外している動画もご用意していますので、ご参考の上パーティの場でかっこよく開けて下さいね!

シャンパーニュ以外のスパークリング・ワインでおすすめは?

名実ともに孤高の存在であるシャンパーニュですが、 シャンパーニュ地方以外で、またフランス以外の国で生産されているスパークリング・ワイン にも、シャンパーニュとはまた違った魅力があります。 また価格的にも、ずっとお求め安くなるのが魅力ですよね! フィラディス・ワイン・クラブでは、スパークリングワインの選び方特集も 書いています。魅力的なスパークリングを厳選してご紹介していますので、是非ご参考にしてください。

おわりに

お楽しみいただけましたか・・・? ここまでお読みいただいて、本当にありがとうございました。 私共もワインショップですので、ご紹介した中からワインをお選びいただけたら嬉しいのはもちろんですが、そうでなくとも このページがあなたをもう一歩美味しいシャンパーニュに近付くひとつのステップになったとすれば、とても嬉しいです。 Firadis WINE CLUBでは美味しいワインにこだわってワインをセレクトしていますので、 なにかご相談があればいつでもお気軽にお問い合わせくださいね。

ライター:Firadis WINE CLUB | J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉