生産者プロフィール
著名なワイン評論家ヒュー・ジョンソンもスターの一人として認める造り手。コストパフォーマンスの高いブルゴーニュを求めるならば、ピノ・ノワールの隠れた銘醸地・サントネの優良生産者が狙い目です。
ブルゴーニュでは、有名生産者や著名アペラシオンの著しい価格高騰と、地域全体の品質の向上により、それまでマイナー・アペラシオンとされてきた エリアに注目が集まっている。
例えば、サントネ。シャサーニュ・モンラッシェの丘陵と地続きという好立地にも関わらず、知名度の高い他のコート・ドールの村々の陰に隠れ、話題に上ることは少なかった。しかし、歴史的には高く評価されてきた産地であり、19世紀前半には現在の約1.5倍となる500ha近い畑からワインが造られ、ヨーロッパ各地で楽しまれていた。行政区画上の県としてのコート・ドールの最南端となるこの村では現在、生産量の85%を赤が占める。ヒュー・ジョンソンはサントネを「しっかりとした赤」と評し、同じ3ツ星格付けのジュヴレ・シャンベルタンやポマールよりも特にお買い得としている。また、マット・クレイマーも著書の中で、サントネはおいしい赤の産地であり、その価値は食事との相性での中ではかられるべきだと述べている。
ブルゴーニュが誇るピノ・ノワールの銘醸地として目を向けるべきこのサントネで、クライヴ・コーツがスターの一人と認める造り手がルシアン・ミュザールだ。1645年の創業以来、この地でワインを造り続けてきた老舗であり、現在、9代目となるクロードとエルヴェのミュザール兄弟がワインを手掛けている。父親のリュシアンの時代には、この村の他の生産者と同じようにワインをネゴシアンに売っていたが、1992年にワイン造りを引き継いだミュザール兄弟は、ドメーヌとして元詰めする道を選んだ。彼らが頭角を現すきっかけとなったのは、1997年。この年、ミュザール兄弟はコート・ド・ボーヌのジューヌ・タロン(ブルゴーニュの各地区でそれぞれ最高の若手ヴィニュロンに贈られる賞)を獲得し、彼らのブルゴーニュ、サントネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ、サントネ・プルミエクリュは審査員の最高評価を得たのである。
以降、ミュザール兄弟は理想のワインを求め、二人三脚で栽培・醸造の両 面で試行錯誤を繰り返してきた。彼らにとっての良いワインとは、「熟成のどの段階にあっても、常に楽しませてくれるワイン」。高い熟度と強い抽出がもたらす濃厚さよりも、早くからおいしく飲めるバランスの良さを追及している。栽培はリュット・レゾネというが、実際はほぼビオロジック。ビオディナミの手法も取り入れており、ブドウの自己免疫力を上げるために植物から作った調剤も用いている。除草剤は使わず、定期的に土を掘り起こすなど、土の状態と周囲の環境に配慮し、また健全なブドウを得るために、区画ごとにどのような処置が必要かを常に計算して畑仕事に取り組んでいる。
細やかな配慮は醸造面でも随所にみられる。選果は畑とセラーで合計2回行っており、特にセラーでは選果台を用いて6人のスタッフが専任でブドウの状態をチェックする。ピノ・ノワールは破砕せず、6割のみを除硬し、残りの4割は房ごと用いる。数日間低温浸漬したのち、自然酵母で発酵。醸造過程では 人の手の介入を最小限に止めており、ピジャージュもあくまで軽く行い、各畑に適切な抽出を見極めている。
16haの所有畑の内、10haをプルミエクリュが、5haをヴィラージュが占める。その大半はサントネにあり、この村のクリマの充実度、各畑の個性の明確な表現、安定感ある優れたクオリティが専門各誌から高い評価を得ている。サントネという土地柄、価格が手頃というのも魅力のひとつで、『ワイン・レポート 2009』では、最もお買い得な生産者の一人に選ばれた。畑とブドウの良さを自然な抽出で引き出したワインは、彼らが目指す通り、若い段階から調和的でおいしく楽しめる。今、ガストロノミーで求められているワインそのものだ。事実、彼らのワインはラムロワーズやロワゾーなど地元ブルゴーニュの名店をはじめ、ギ・サヴォワやアラン・デュカスなど、多くのミシュラン星付きレストランでオンリストされている。
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