「スーパートスカーナ(スーパータスカン)」という名前を聞いたことがある方、多いと思います。ワインは産地名を名乗る場合、ブドウ品種や収穫量制限等の伝統的な規定が多々ありますが、敢えてこの規定から外れて格下の「テーブルワイン」格付になってしまってでも、自分たちが追い求める理想のワインを追求しようという革新的な生産者が存在しています。トスカーナ州には、かの「サッシカイア」を始めそのような挑戦的な生産者が相次いで出現し、スーパートスカーナという新たなムーヴメントを作っていきました。
この「ロゴノーヴォ」もその一つ。トスカーナで認定されていないブドウ品種を使用し、自らが目指す「複雑性と重厚さがありつつも、端正なバランス」を実現したワインです。本来なら「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」を名乗れるところを投げ打ってまで追求したワイン造りの理想形。テロワールと人間の創意工夫が作りだす芸術品のようなワインを、今こそ堪能してください。

【フィラディスワインクラブのソムリエによる『ロゴノーヴォ』の味わい紹介と自宅でよりおいしく楽しむご提案】
≪こんな香り･味わいのワインです≫：
「砂糖漬けのプルーンのように、果実感が濃密にぎっしり」というイメージです。粒の小さい黒系ベリー(カシス、ブルーベリー)と赤系ベリー(ラズベリー、サンザシ)に、薔薇のドライフラワー、クリーム、樹の香り。収穫から7年が経過しても、フレッシュな果実感が前面に出ています。密度の濃い果実味に適度な酸…やはりトスカーナならではのバランスだな、という感じ。余韻に少しだけ茸のニュアンス、ここに熟成の成果が出始めています。
抜栓から1時間後くらいで果実の濃密さは更に増してドライフルーツのように、90分後くらいから酸が落ち着き、果実味との調和が最適な状態になりました。この辺りの時価帯から、もう陶酔する程に美味しいです。
ワイン会に持参したら、到着後すぐに抜栓しておき、赤ワインの出番を待ちましょう！！

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
ゆっくりと時間をかけて変わっていくタイプのワイン、開けたてはやや閉じ籠り気味ですが、最低でも90分前、時間に余裕があるのなら3時間くらい前には抜栓しておくと良いですよ！

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
濃厚で力強いワインなので、温度が高過ぎると重い印象に。常温から少しだけ下げるのがベターですので、抜栓したワインを飲む30-45分前から冷蔵庫に、またはアイスバケツで5分ほど。温度が下がると全体のバランスがきれいに整い、パワフルさの中に果実の甘み、しなやかさが表に出てきます。

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
果実味・タンニン・酸のバランスを整えて飲むには、卵型・口細のボルドーグラスが最適だと思います。全体の印象が集中し、密度の高さを存分に楽しむことができます。ブルゴーニュグラスのような丸形のグラスだと、酸がやや前に出るのと、全体のプロポーションがやや広がった印象に。



※関連のお薦めワインには、当店自慢の売れ筋イタリアワインを選びました。LOGONOVOと比べて欲しいのはやはり『カンパペーリ トスカーノ・ロッソ』と、『モンテカルヴィ キャンティ・クラッシコ』！同じトスカーナでも、これほどスタイルが違うのか、という驚きに満ちた飲み比べが出来ますよ。