【このワインについて】
トスカーナの銘酒ブルネッロと同じ畑のブルネッロに用いる品種サンジョヴェーゼ・グロッソ100%ワイン、ロッソ・ディ・モンタルチーノはわたくしの好きなワインでもあります。まず非常にコストパフォーマンスが高いです。ブルネッロに使用しないブドウを使ってはいますが悪いブドウは全く使われず、なによりブルネッロと比べて価格がとても安いです。このレッチャイアでは半額ほど、場合によっては十分の一近く安いという生産者もあります。そのうえでなかなかはずれがなく、価格の割には複雑性があります。そしてロッソ・ディ・モンタルチーノはとてもエレガントです。品種の特性上色が淡くタンニンがなめらか。飲んでまとまりがあるというのもロッソ・ディ・モンタルチーノの魅力です。

【テイスティングコメント】
外観としてはやはり色合いが淡いです。縁の部分が少しオレンジになっていて熟成のニュアンスを外観からも感じます。香りはトスカーナのサンジョヴェーゼ特有のサワーチェリー感がしっかりありますし、クランベリーやラズベリーのような赤系フルーツ。セイバリーハーブのニュアンス。火を入れて甘くなったトマトの雰囲気があります。さらには熟成由来の土っぽい雰囲気。香りはロッソ・ディ・モンタルチーノらしくエレガントでとても落ち着くワイン。この価格帯でこの複雑性があれば、万々歳だと思います。口に含むと思ったよりもボリュームがありますね。香りは複雑性がありつつもかわいらしい雰囲気がありながら、味わいはしっかりめという意外性・二面性があります。ダイナマイトでグラマラスなボディという印象ですね。タンニンも思ったより強く、グリッドのように引っかかるようなタンニンがありますが果実の凝縮度も申し分ないので、甘い果実の雰囲気とビター果実のエスプレッソ的な苦味がきれいに調和している印象です。

【おすすめの楽しみ方】
開けてすぐ美味しいワインです。味わいがしっかりしているので、温度は18度-20度ほどなど高めが良いですね。高い温度のほうがドライスパイスやセイバリーハーブなどの心地よい香りが活きてきますし、タンニンもやわらかく感じると思います。だいたいセラーから出して少しの時間置いた後、ボトルを触って少しひんやりしているくらいに感じる温度というところです。ただ温度についてはそこまで難しく考えなくても大丈夫です。イタリアワインのほうがフランスワインよりも適した温度帯は広い傾向があります。また、気候的にフランスよりもイタリアのほうが暖かく、適した温度もそれに伴いフランスよりも少し高くなる傾向にあります。グラスはバルーンタイプのブルゴーニュグラスが良いと思います。ロッソ・ディ・モンタルチーノに限らずブルネッロも、エレガントさを楽しむためにブルゴーニュグラスがおすすめです。