【フィラディス ワインリスト研究 第4弾 】
Kashiyama Daikanyama COTEAU.
星野崇文 ソムリエ &
Restaurant L’asse
齋藤 智之 ソムリエ

【フィラディス ワインリスト研究 第4弾  】<br>Kashiyama Daikanyama COTEAU. <br>星野崇文 ソムリエ & <br>Restaurant L’asse <br>齋藤 智之 ソムリエ

今回は、現在活躍中のソムリエお二人に、同一の料理テーマでワインリストを作成いただき、構成内容や選んだ基準、考え方などをじっくり覗いてみようという人気企画「フィラディスワインリスト研究」の第4弾をお送りします。
各店のワインリストには、そのお店の個性が反映されるのはもちろんですが、何よりもワインを任されるソムリエの感性や哲学がそのまま投影されます。登場いただくお二人のソムリエがどのようにワインリストを作るのか、ぜひご注目ください!
※今号ではソムリエが選んだ仮想ワインリストをご紹介し、来月号にて実際に食事とワインを合わせた結果をお届けします。

星野崇文
Kashiyama Daikanyama COTEAU.
マネージャー・シェフソムリエ
1986年生まれ。東京都出身。
調理師専門学校卒業後、学校給食の調理を経験し、その後株式会社ひらまつへ入社。西新宿にあるワインダイニング、インターコンチネンタル東京で研鑽を積んだ後、2019年より樫山代官山COTEAU.へ。現在は、ManagerとChef Sommelierを兼任している。

齋藤 智之 ソムリエ
Restaurant L’asse
マネージャー・ソムリエ
1994年生まれ。新潟県出身。
大学で栄養士、衛生監視員、HACCPなどの専門知識を学び、卒業後、東京・目黒にある1つ星イタリアン「Restaurant L’asse」にホールスタッフとして入社。2018年よりワイン担当を務める。
叔父は、新潟にある「Fermier」ワイナリーオーナー本多孝氏。

メニュー

<ワインリスト>

    • 基本的にフィラディスのエージェントアイテムから選択、 ない場合は他社アイテムも選択OK
    • ワインの産地は問わない
    • 構成:
      − グラス販売 赤2種類、白2種類、泡1種類
      − ワインリスト 泡白赤トータル15アイテム(グラスのワインを含む)
    • ボトル売価9000円まで。最低ラインは3000円代後半、ボリュームゾーンは4000〜5000円代をイメージ
    • グラス売価は1000円以下
    • 原価は40%まで

※ほとんどのお客様が上記のようなコースを注文する焼き鳥店を想定

ワインリスト:星野ソムリエ

ワインリストの方向性とポイント

価格の縛りがあってビッグネームが使えない分、ワインペアリングの延長という考えでリストを組んでみました。香り、ボリューム感、テクスチャー、味わいの同調、補填、中和といった要素を意識しています。レストランでソムリエが行う仕事を何気なく感じていただけるリストになっていたら嬉しいです。

 

ワインリスト:齋藤ソムリエ

ワインリストの方向性とポイント

できるだけお客様目線でありたい。それを一番に考え、3つの点を重視しています。
1つ目は、わかりやすく、はっきりと、一口目から美味しいと感じていただくこと。酸とミネラル、そしてボリューム感にこだわり、白ワインはサラッと、口内を流し、さっぱりと食べれるように。赤ワインは果実や樽のニュアンスを立たせ、焼き鳥のスモーキーな香りやタレのニュアンスとマッチさせ、ボリューム感を持たせることにフォーカスしています。
2つ目は安価での提供です。グラスワインは、ビールの価格設定よりもリーズナブルで、インパクトがある金額設定。ボトルも利益率をしっかり考慮したうえで、「また来たい」と思っていただけるようなお店づくりを意識しました。
そして3つ目は、知名度とわかりやすさです。どういったワインなのかを端的に説明でき、理解をいただけるものかどうか。
お客様の嗜好に合わせて、安心してお飲みいただけるラインナップにすることで、様々な客層にも対応できる柔軟なリストを心がけました。

考察

スパークリング :

野ソムリエは、フランスをメインに5アイテムと種類豊富なスパークリングを揃えました。シャンパーニュを2種類含めるなど、価格のバリエーションも持たせています。
して、藤ソムリエはスペイン、フランス、イタリアからリーズナブルな価格のスパークリングを選択し、焼き鳥に合うことはもちろんですが、ビールにも勝てるような価格設定をテーマにされています。同じワインや生産者を選択されるなど、ワインの味わいの方向性は似ていましたが、リスト構成と金額設定で違いが出ました。

白ワイン :

野ソムリエはポイントでもおっしゃっていたように、ペアリングの要領で焼き鳥に合うワインを世界中から選択されたのが分かるラインアップで、どんなマリアージュだろう?とワクワクさせてくれます。
藤ソムリエは白ワインを6種類と多めにして、お客様がご自身でも選びやすいように馴染みのある品種を揃えました。味わいは柑橘やミネラル感を感じるさっぱり系が多めで、酸で切る。というコメントが印象的です。

赤ワイン :

野ソムリエは日本1本+フランス4本というラインナップで。土壌や醸造方法までしっかりと加味してワインの選択をされていました。
藤ソムリエは、まずロゼワインを1種類加えてバリエーションを持たせています。また、イタリアンレストランのソムリエらしくイタリアを多めに様々な品種のワインを提案してくださいました。


今回の仮想ペアリング前編ではワインリストの内容だけを見てまいりましたが、 お二人ともそれぞれにテーマや理念を持ってワインを選んでくださっているのがとてもよく分かりました。
さて、こうして焼き鳥に合うワインを考えていくと、やはり実際にはどれくらい合うのか、どう合うのかが気になってきますよね。次回の後編では、お二人のソムリエと本家あべや ムスブ 田町店様にて検証会を行なった様子をレポートします。料理とワインを組み合わせるマリアージュのテクニックからシェフとの良好な関係性を構築する方法まで、様々なことをお話しいただきましたので、ぜひご期待ください!

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!