15年の歳月を費やし、サンセールの土壌とテロワールの違いにこだわったワイン造りに取り組んだ新生ドメーヌ。サンセールを代表する土壌にちなんだドメーヌ名は、まさに彼らの意志と体を表している。
サンセールの中でも優良生産者が数多く集うビュエ村に本拠を構えるテール・ブランシュは2014年が初ヴィンテージとなる新たなドメーヌだ。全ては1998年、経営難から売りに出されていたサンセールのとある醸造所をジャン・ルイ・サージュが取得したことに始まる。ジャン・ルイは1790年からプイィ・シュール・ロワールでワイン造りに携わる家系出身で、ロワール地方に複数の畑を所有する造り手である。売却される醸造所にはサンセール最上の畑と名高いシェーヌ・マルシャンをはじめ、サンセールの優れた単一畑が複数含まれていた。周辺の生産者の多くが新たなオーナーとして名乗りを上げていたが、誰もがサンセールの畑のみを欲しがり、それに付随するコトー・デュ・ジェノワの畑には目もくれなかった。
コトー・デュ・ジェノワはサンセールのすぐ北に位置するアペラシオンで、その生産地はロワール河に沿って南北約45kmに広がる。総栽培面積は200ha足らず、生産されたワインも8割以上がフランス国内で消費されるとあって、知名度は低い。しかし、ジャン・ルイは、それまでのワイン造りの経験からコトー・デュ・ジェノワのポテンシャルを見抜き、将来性を強く感じた。彼によると、そのエリアの石英が混ざった粘土質土壌は重たさがなく暖かな性質で、ソーヴィニヨン・ブランのお手本となる素晴らしいアロマとミネラルのタッチを備えたワインを生む。サンセールの畑のみを狙う多くのライバルをよそに、彼はコトー・デュ・ジェノワの畑も含め醸造所を丸ごと買い取ることで交渉を進め、晴れてその所有権を得たのである。
ドメーヌの所有畑は35ha、その内15haをサンセール、18haをコトー・デュ・ジェノワが占める。サンセールの畑はテロワールが多様で、土壌ひとつとってもテール・ブランシュと呼ばれる石灰豊富なキンメリジャン・マール土壌や、カイヨットと呼ばれる石灰質の硬い石の土壌など、バラエティに富む。ジャン・ルイは各畑に備わる個性に着目し、二人の息子のアルノーとローランとともに、それぞれのテロワールが持つ独自のキャラクターを理解し、それを表現したワイン造りに取りかかった。
ワインはセラーではなく畑で生まれるという信条の下、殺虫剤や除草剤の使用を段階的に止め、各区画に合った畑仕事を模索した。サージュ親子が目指すのは、「素晴らしい凝縮感を備え、テロワールがもたらす豊かさに満ちた粒の小さなブドウを得ること」。剪定や芽かき、グリーンハーヴェストで収量を制限し、収穫、選果、醸造はもちろん区画ごとに行う。発酵・熟成には、各畑のキャラクターに合わせてステンレスタンクやバリックを使い分けている。ドメーヌの取得から15年、テロワールごとにワインを手がけるものの、彼らは何かが足らないと感じていた。そこで、土壌へのアプローチを見直すため、2013年にステファン・ドゥルノンクールにコンサルタントを依頼。土壌とテロワールの違いにこだわるこの偉大な醸造家はまず、除草剤の使用を完全に中止し、ブドウ畑に穀物を植えるというユニークな手法を導入した。穀物との生存競争が発生することで、ブドウは地表に根を広げるのではなく、地中深くに根を伸ばすようになり、更に穀物の根が土を自然にほぐして酸素を送り込み、土中の微生物を活性化させる。
ドゥルノンクールの大小様々な改革は、サージュ親子が求めていた最後のピースをもたらした。それぞれのテロワールの個性が一層クリアにワインの中に表現されたことを感じた彼らは、新たなドメーヌとしてその作品をリリースすることを決意する。サンセールを代表する土壌のひとつであり、彼らのワインを特徴づける土壌に因み、ドメーヌはテール・ブランシュと名付けられた。フランスの主要ワインガイド、ベターヌ&ドゥソーヴは、いち早くこの新生ドメーヌに注目し、「初ヴィンテージから、ワインは非常に出来が良い。まだこのドメーヌの新たな道は始まったばかりだが、ふくよかさ、緊張感が素晴らしい」というコメントともに、ロワール地方で大きく躍進する醸造所として取り上げている。
≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタビュー!≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』
ドメーヌ・ド・テール・ブランシュ 醸造家のフィリップ・レキュレさん
Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、と決意したきっかけは何ですか?
⇒Passion and only passion(原文のままです)!!
ブドウの樹、土、そして地球…自分の情熱を全てサンセールのブドウ畑に捧げたい、と思ったからだよ。
Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は?
⇒2014年に初めてワインをリリースした『ドメーヌ・テール・ブランシュ』が、今やこのサンセールという産地を牽引するような存在になってきていることが一番嬉しいよ。テロワールを、そして土壌の個性を知り尽くした上でそれを最大限に純粋にワインとして表現する、という我々のフィロソフィーが「シェーヌ・マルシャン」や「ル・ヴァロン」といった素晴らしいワインを生み出すことに繋がった…これに勝る喜びは無いよ!
Q3:その反対に、一番辛い(辛かった)ときは?
⇒どのワイン生産者もきっと同じことを言うのだと思うけど、雹や春の遅霜、熱波などに苦しんでいるブドウ樹をただ見ているしかないとき、だね。人間ができることを全てやっても報われずに残念な収穫を迎えてしまう年は、無力感で胸が苦しくなるんだ。
Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、どの工程だと思いますか?
⇒あらゆる要素のバランスが取れたブドウを、健全・清潔に収穫することが全てだよ。その土地のテロワールを正しくワインの中に表現するには、果実が健全でピュアでなくちゃダメなんだ。
Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは?
⇒僕にとっての理想的なワインは、その土壌ならではのミネラル感が香りにきちんと出ていて、アロマが派手過ぎないワインかな。純粋でクリーン、香りには少しだけ厳しさがあって、余韻が長い、そして開くまである程度時間がかかるのも大事。ワインに、秘められたポテンシャルがあるということだからね。
Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら?
⇒素晴らしかったワインは、いつでもそれを一緒に楽しんだ人々・料理との想い出と一緒にある。僕にとっての最良の想い出は、2003年にニューヨークを訪れた際に「シェ・ジャック」という店で開けたジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニィ・アムルーズ…本当に偉大な1本だった。そして、僕が飲んだことのある最も古いヴィンテージのワイン、シャトー・スータールの1923年。この2本の想い出は、生涯忘れることは無いと思う。
Q7:自分のワインと料理、これまでに一番マリアージュしたと思った組み合わせを教えてください。
⇒サンセールに、食べきれないくらいの生牡蠣!!
Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、どこで造ってみたいですか?
⇒僕はやっぱり北部の冷涼な地域でワイン造りをしたいんだ。フランス以外だったら、アメリカのオレゴン州、カナダのバンクーバー周辺かな。
Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒自然環境、土、そしてブドウ樹に対して敬意を払い、謙虚であること。そうすれば、最高のワインを造るのにふさわしいだけの最良の果実がもたらされる。
Q10:最後に…日本にいるあなたのワインのファンに、メッセージを!
⇒ドメーヌ・ド・テール・ブランシュのワインを、新鮮な海の食材に恵まれた日本の皆さんに楽しんでもらえることを本当に嬉しく、誇りに思っています。僕たちがワイン造りに注いだ情熱と同じくらいに、ワインを楽しんでもらえたら最高だよ!
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Miho Kawakami
公式サイト: MIHO KAWAKAMI 川上ミホ
料理家。中目黒「5-quinto」オーナーシェフ/ソムリエ。2006年に日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格取得、
2008年にイタリアにてイタリアオリーブオイルソムリエ資格取得。ワインバーやレストランでのソムリエ、
料理人を経て独立。書籍、雑誌などメディアでのフードスタイリング、企業の商品開発、
レストランプロデュースなど活動は多岐に渡る。
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公式サイト: CONDIMENT inc.
素材の持ち味を生かしたオリジナリティあふれる家庭料理と、器のスタイリングが評判の料理家・フードスタイリスト。
2歳の娘と夫の3人暮らし。『STORY』連載「私の『いつもの料理』はまだまだ伸びしろがある!」ではレシピを提案。
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