砂糖漬けにしたカシスやブラックチェリーの香りにヘイゼルナッツやカカオ豆、エスプレッソなどの香ばしさ、そして柔らかなクリーム感が。味わいはまさに香りの印象どおりに展開、充実したフルーツ感、そしてコクと熟成。タンニンは細やかに馴染んでいて、まだ瑞々しさを保っている酸がとても綺麗に後半を締め括ってくれました。少し温度を低めに設定した時にベストバランスが表現されてくるのは、酸のレベルが非常に精緻で、ワイン全体の厚み・重み・強さと上手に釣り合うからですね。プティ・ヴェルドがただ濃く強いだけになっていない巧みなバランス、素晴らしいと思います。
合わせるお料理は、しっかり焼き目を付けたグリル系の肉料理がおすすめ。軽い焦げ目のロースト風味がワインの熟成感とうまくマッチします。ワイン自体がソース的な方向性を持っているので、肉自体にはあまり味付けをしなくても大丈夫。塩胡椒でシンプルに、豪快にいきましょう！

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
飲み始める1時間前くらいに開けておくのをお勧めします。僕が試飲した際は1時間後くらいに果実の厚みが増し、当初前に出ていたナッツ系の熟成ニュアンスが落ち着いてきた感じ。抜栓直後は後半に酸がやや強めに出るな…と感じましたが、果実味が厚くなるに連れこの酸の度合いが丁度良いということが良く分かりました。開けたての段階でも十分に滑らか・柔らかですので、最初からゆっくりと変化を楽しみつつ飲み進めていくのも良いと思います。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
前述の通り、軽く冷やしたくらいがおいしい赤ワイン。厚みのある果実の甘味や滑らかさが、温度が適度に下がることで非常に心地よく。温度が高い状態だとやや重ったるく感じてしまうかもしれません。セラー保管だったら冷蔵庫で15-20分くらい、常温保存だったら飲む前40-50分冷蔵庫、または5-6分ほどアイスバケツで冷やしてから。

≪おすすめのワイングラス形状・サイズ≫：
中サイズ位のボルドー型グラス（縦長、口細）、がおすすめ。これまでのヴィンテージ同様に、ブルゴーニュタイプの丸形グラスだと酸がやや強めに。バランスとしては決して悪くなく、これはこれで好みの方も多そうではありますが、やはりボルドー型グラスをお薦めしたいところです。