1989年にシャンパーニュ地域で初めてビオディナミを導入、テロワール主義の先駆者。
3 Essential Points
- 1コート・デ・バールで1895年に創業、4世代に渡ってシャンパーニュを生産する歴史の長いレコルタン。
- 2シャンパーニュ初のビオディナミ生産者。89年に3haをビオディナミ転換、3年後には100%切り替えを実施。
- 3シャンパーニュ地域では数少なくなった、「ピノ・ブラン」種の栽培を続ける生産者。
The Hands
この地域において80年代末にビオディナミを導入したことにまず頭が下がる。大手メゾンが畑を支配し村毎に大雑把な格付けがされるシャンパーニュ地域で、自社畑のポテンシャルを高めるためにビオディナミ転換を図るという発想は、完全にアウトサイダー扱いだったはずだ。しかし彼らは92年に完全転換を実現し、そこから新たなフェーズに突入した。テロワールがきれいに表現されたシャンパーニュはデリケートでバランスが良く、柔らかな印象を感じる。年間生産量は二十万本ほどの小規模生産者ながらキュヴェの種類は豊富で8種類。全所有畑の85%を占めるピノ・ノワールを主軸に、シャルドネ、ピノ・ブランといった白ブドウ系品種の個性を引き出す能力も高い造り手だ。