マルゲのシャンパーニュを口に含むと「生命の息吹」を感じる。生き生きと、溌剌とした比類なきスタイルの逸品。
3 Essential Points
- 11870年創業の小規模な「ネゴシアン・マニピュラン」。自社畑と、強いきずなで結ばれた契約栽培家のブドウを使う。
- 2現当主は若き5代目ブノワ・マルゲ。エルヴェ・ジェスタンに触発され、有機栽培への転換を果たした。
- 3畑のポイントは「馬」だと彼は主張する。彼の愛馬が耕す畑は、踏みならしによる適度な力加減で根が最高の状態で張り、水はけも理想的だ。
The Hands
1870年にシャンパーニュでネゴシアン・マニピュランとして創業したマルゲ・ボンヌラーヴ家は、アンボネ、ブジィ、マイィ、 シルリィ、ヴェルズネイのグラン・クリュ5村とプリミエ・クリュのエペルネに畑を所有する名門。5代目で現当主のブノワ・マルゲは、デュヴァル・ルロワ醸造責任者時代のエルヴェ・ジェスタンと出会い彼に触発され、有機栽培こそが自らのシャンパーニュの品質を底上げする最良の手法であると確信した。しかし保守的な名門の一家はブノワの新しい試みに決して前向きではなく、彼は一族と苦闘しながら多くのものを失いつつ自らの信ずる道を実現して行った。現在所有する畑はアンボネに7.3ha・ブーズィに0.7haと非常に小さいが、愛馬が耕し自然の草木や昆虫が生きる彼の畑は、常に生命力に溢れている。