『シャルル・ノエラ』の名をご存知の方は、相当なヴェテラン・ブルゴーニュファンのはず。かつてはあのアンリ・ジャイエとも立ち並ぶような伝説的なワイン職人でしたが、残念ながらその畑の全てを売却…その畑の伝承者はなんと、ルロワを始めとしたブルゴーニュの錚々たるスタープレイヤーたちでした。

この『シャルル・ノエラ・エリタージュ』シリーズは、彼が遺した偉大なる「遺産(エリタージュ)＝畑」からその偉大なるワインをも再生させようとする試み。シャルル・ノエラの甥が経営するブルゴーニュのワイン商「セリエ・デ・ユルシュリーヌ」が、彼がかつて所有していた畑のワインに名前を付け、もう一度世に問うことにしたのでした。

今回Firadis WINE CLUBで買い付けたのは「シャンボール・ミュジニー 2013年」。ソムリエがしっかりと状態鑑定をした上で「これなら、絶対大丈夫」と太鼓判を押せたキュヴェです。日本への到着からしっかりと落ち着かせてありますので、状態は万全。今飲んでも素晴らしくおいしいですし、ここからまだまだ熟成のポテンシャルを秘めていますよ。23本だけの貴重な在庫、買い占めはどうかご容赦を！！

≪こんな香り･味わいのワインです≫：
2013年ヴィンテージ、8年経った今ちょうと飲み頃に突入！という素晴らしい絶好のタイミングで出会えました。さくらんぼなど小さく甘い赤系フルーツに紅茶やシガーの深い香り、東洋系スパイス、甘草、キャラメルなどが混ざり合う多角的な香り展開が愉しめます。
味わいはいきなり旨みから来る感じ、果実味は甘みにほのかで心地よい苦みを含み、優しくアクセントを付ける酸、ざらつきゼロのタンニンがバランスよくまとまっていました。
時間経過とともに香りはより芳しく、キャラメルの印象がクレーム・ブリュレのように発展していきました。そして味にはコクと厚みがグッと。熟成による成果は滑らかな円熟、そして雄大なスケール感として結実したと思います。
飲み手を唸らせ、黙らせるようなワインではなく、心と体を解きほぐしてくれるような親近感を持つ熟成ワイン。入荷数量は非常に少ないのですが、多くの人に楽しんで頂きたい1本ですね！(※澱はありませんが、念のためお届けから2-3日はワインを落ち着かせるためにセラーや冷暗所にて静置しておくと良いと思います。)

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
僕のお薦めは、2時間以上前の抜栓。コルクを抜いて1時間くらいで香りに一気に深みが現れ、そこからは複雑性が増していく時間帯。2時間目に野性的・獣的なニュアンスが出てきてキャラクターががらりと変わった感じがしました。飲み残しは2日目までも十分に美味しく楽しめます。残ったら再栓して冷蔵庫で保管してください。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
少し冷たいかな、くらいの温度帯で果実の綺麗な味わいが横に横に広く伸びていく感じがでてきます。
常温で保管していた方は、赤ワインの標準よりも気持ち長め、くらいの冷やしを。冷蔵庫だったら1時間、アイスバケツなら7-8分というところでしょうか。テーブルの上にアイスバケツを置いておいて、随時好みの温度に調整しつつゆっくり楽しみましょう！

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
あまり大きすぎないブルゴーニュ丸形グラス、が良いと思いました。村名クラスのこのワインは、官能的な深みを楽しむよりは完熟した良質な果実の甘みと滑らかなタッチを堪能するべきもの。スワリングし過ぎず、時間経過で開いた美味しさを楽しんで欲しいと思います。