≪こんな香り･味わいのワインです≫：
以前ご案内したシャンボール・ミュジニー2013年は赤い果実＋東洋系スパイス＋キャラメル…といった香り構成だったのと比較すると、こちらは全体像として赤い果実＋薔薇やラベンダーなど香り高い花の印象が強く残りました。完熟ラズベリーの厚みあるアロマにやや派手目の鼻の香り、そしてほのかなスモーク感。ひとくち目は軽やかフルーティなタッチからスタート、長い熟成を経てもなお元気で躍動的な酸が踊り、最後にしっかり果物のジューシィな甘みで締まる。抜栓から時間が経つと新鮮果実の密度の濃い甘みがぐいぐいUP、野性的な獣の香りも携えつつ全体がまとまっていきました。枯れた印象や昆布出汁っぽい熟成感はありませんので、熟成ワイン特有の「あの味わい」が苦手な方にも安心してお勧めできます。

≪このワインとのマリアージュ料理は？≫：
ワイン単体でじっくり楽しむもよし、お料理と合わせるならシンプルに素材を生かした赤身肉・赤身の魚で。お醤油味との相性が非常に良いと思います。

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
『シャルル・ノエラ』の熟成ものは「朝には開けておいたほうが良い…」など周到な準備をあまり必要としないのが良いところ。2時間ほど前にコルクを抜いておけば十分に熟成の魅力を満喫できます。試飲コメントに書いたようにフローラル感と果実のフレッシュな甘みがとても元気な2008年ですが、2時間後には動物的なニュアンスも出て複雑性が加わります。今現在の段階だと、おそらくそこが完全体の姿でしょう。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
室温保管での常温帯だと、熟成由来の出汁的な旨みはそこそこ出ますが、果実の瑞々しさはやや抑え目になりバランスが少し不均衡な感じ。少しだけ冷やしを入れて全体の輪郭だけ整え、フレッシュな果実感を引き出してあげましょう。
セラー保管だったらそのままの温度で大丈夫、室内冷暗所の保管だったら、冷蔵庫に30-40分、時間が無ければアイスバケツで3-5分冷やしましょう。

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
13年を経てもまだ若々しくフルーツの甘味がたっぷりおいしいこのワイン、やはり出来るだけ大ぶりのブルゴーニュ丸型グラスがおススメです。伸びやかで柔らか、旨味溢れる果実味とフレッシュな酸、そしてフローラルなアロマは、このグラス形状でこそ100%花開きます。