今世界で最も注目を集める若手醸造家の一人、アレクサンドル・タイエ。テロワール追求の集大成がここに。
3 Essential Points
- 11683年にランス北西の村メルフィで栽培家として創業、60年代よりシャンパーニュ造りを開始。砂の多い土壌に粘土・石灰が複雑に交じり合う土壌は、区画毎のテロワールの多様性がずば抜けている。
- 2現当主アレクサンドルは83年生まれの32歳、ジャック・セロスの下で修業を積んだ新世代で最も注目される男。
- 3現代科学による緻密な土壌・環境分析と、古い文献につづられた優れた畑の記録や栽培法を迷いなくミクスチュアできるのが新生代の強みか。アレクサンドルのワインは、土地のエネルギーと純粋さに溢れている。
The Hands
間違いなく、今最も世界が注目する新世代シャンパーニュ生産者の筆頭だ。ジャック・セロスの下で修業した彼が偉大なる先達から学んだことは、テロワールを徹底的に追及、その世界をシャンパーニュという表現に昇華させることだ。メルフィ村という、知名度ではグランクリュの有名村の足元にも及ばない土地でありながら、「土壌の多様性」という視点でそのテロワールを見つめた場合に、その存在意義は一気に転換する。区画毎に土壌を徹底分析し、植樹する品種との適合性を判断、そして同時に古い文献に遺された職人的手法の融合により、区画毎に細かく仕込まれていくシャンパーニュのパーツ一つ一つは、驚きベき精度と的確さを獲得し、彼の目指す理想形を構築していく…。シャルトーニュ・タイエの凄さは、「探求心の極み」だ。