イクラ好きが安いイクラの良さを探るようなもの
レヴュー対象商品:カンタン・ジャノブルゴーニュ・ピノ・ノワール(仏ブルゴーニュ産赤750ml)
投稿者:moukan1972♂
投稿日時:2018/12/13 14:15:35
同じ造り手のプルミエ・クリュも一緒に買ったので、まずはコチラから。普段はRMシャンパーニュをよく飲んでるので、ブルゴーニュの赤をマトモに飲むのは初めてかも──そういう意味では初心者の戯言ではあるのだけれど。
たとえばイクラの大好きな人がイクラの苦手な (もしくは本当に旨いイクラを知らない) 人に安くてそこそこ旨いイクラを案内する時、その程度の質のイクラで相手の中のイクラの概念が覆されるのかという問題がある。たしかに老舗の高級品からスーパーで売ってる人工イクラまで、イクラ好きを理由に様々な質のものを食べまくって来た人の場合、安価なイクラの中に高級品の面影や品質の良さを嗅ぎ取ることは可能ではあるだろう。簡単に言えば、彼は「コスパについての権威」なのである。
このピノ・ノワールもそれと同じ。これを飲んで初心者や門外漢がブルゴーニュのピノ・ノワールにハマるとか、そういうのは絶対にない。そういう意味で、一体なんのためにこのレンジのワインがあるのかと言えば、それもイクラやウナギと同じで、毎日バクバク高級品は口にできないから、満足できる最低ラインの中の上質さを求める中で、コスパについての権威たち (一廉のピノリストたち) は、きっとここに一定の何かを見い出すのでしょう。
初心者にだって、それくらいはわかる。なぜなら、このワインからは感動を何も貰えないが、同時に不快な気持ちもあまり湧いて来ないから。ジューシネスには瑞々しい透明感があり、酸のラインもキレイで液に優しい光沢感を与え、厳しさとは無縁のタンニンと旨みが結びつくと、まるで鰹出汁のようなテクスチャーにも出会える。ワインそのものは砂糖と凝固剤を入れる前の上質なゼリーのようでもあり、疲れ知らずに悪酔いもせずにスイスイ飲めるものの、言ってしまえば、ただそれだけ。
ちなみにオレはイクラはそれほど好きではないが──心底「旨い!」と思ったことがない──、妻はそこそこ好きで、実際、彼女は、一皿108円の回転寿しでもイクラを頼むし、たまに父親が御歳暮でもらった高級品も食べるわけだが、元々がイクラ好き人間なので、たとえ安物であっても、それを正しい味わいに寄せて食べることができるというわけだ。
ちなみにこれをオレは自ら『イクラ理論』と呼んでいて、意外にいろんな現象に当てはまるので、今回はブルゴーニュのピノに汎用してみた。
本当に旨いイクラ (Bourgogne Rouge) って、一体いくら出せば買えるんですかね。RMシャンパーニュなら「予算7,000円以内」で相当なレベルのキュヴェまで拾えるけど、きっとこのジャンルは厳しいんでしょうね。
いつも文句ばっか書いててもアレなので、フィラディスさんの入れてるシャンパーニュで最近飲んで一番旨かったヤツを御紹介。
Bernard Bremont / ベルナール・ブレモン ブリュット「ミレジメ 2008」
数が少ないらしく、取扱店は限られるみたいだけど、これ、超旨かったです。これなら文句無しの☆5ですね。ありがとうございます。
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