「ワインは、テロワールの乗り物だ。」ブルゴーニュワインの哲学と手法でシャンパーニュの既成概念を破壊した「THE FIRST ARTISAN」。
3 Essential Points
- 1ドメーヌ・ジャック・セロスは1950年代に設立、1960年が初詰めヴィンテージとなった。1980年に現在の当主アンセルム・セロスがドメーヌを受け継いだ。所有畑は15ha、毎年の生産量は55000本程度と少ない。
- 2アンセルム・セロスは1970年代にブルゴーニュ・ボーヌの醸造学校で学んでいた。テロワール表現を重視するブルゴーニュ白ワインの哲学をシャンパーニュで実行した最初の人物。
- 3世界的な「RMシャンパーニュ」ブームは、ジャック・セロスから始まった。フランスで最も影響力のあるガイド『ゴー・ミヨ』は、1994年にアンセルムを「最も偉大なワインメーカー」に選出している。
The Hands
決して万人受けするシャンパーニュを造る生産者ではない、ということを先に言っておくべきかと思います。アンセルム・セロスが造るシャンパーニュは彼の人格が乗り移ったかのように、力強くパッションに溢れ、深遠で複雑、そして時には人を寄せ付けないような激しさ・気難しさを見せることも。それでも彼のシャンパーニュが世界中の愛好家の心を奪ってしまうのは、そこにある圧倒的なクオリティの説得力と、職人としての物づくりへの誠実性がむき出しになっているからでしょう。「ワインはテロワールの乗り物だ」という哲学の下、畑の野生酵母による発酵、極限まで少ない亜硫酸添加など、彼の作品には「装飾をそぎ落とした美しさ」が感じられます。職人的、などというありふれた語彙では語り尽くせない、鍛え抜かれた「技」。セロスを飲むことは、シャンパーニュに対する自分の姿勢と向き合うこと。THE FIRST ARTISAN、まずは一度体験してみてください。