Pegau(ペゴー)
伝統的なシャトーヌフの模範となるペゴーは、産地を率いるドメーヌの一つとして世界的に高く評価されている。
目次
歴史
ワイナリーの歴史は1900年代半ばにレオン・フェローと妻エルヴィールによって幕を開けた。二人の息子ポールはシャトーヌフの伝説として知られるアンリ・ボノーの同級生であったものの、家が貧しく家業を手伝うために14歳で学校をドロップアウトせねばならなかった。創業してからしばらくの間は、作ったワインをネゴシアンに売るというのが慣例であったが、その傍らでポールは自分のワインを作る決意をし、1964年から年産2000本という超小規模の自社瓶詰めをスタートした。
1987年、ポールの娘ローランスは醸造とワインビジネスの勉強を終えてシャトーヌフに戻り、父ポールに完全自社生産のドメーヌを作るよう提言した。こうしてわずか5haほどの小さなドメーヌ・ペゴーが誕生した。その後ローランスは様々なプロジェクトを通してワイナリーの規模を拡大させていった。南仏の買いブドウを使ってSelection Laurence Feraudというネゴシアンを立ち上げ、さらに同村のAndre Brunelと共同でFeraud-Brunelという第二のネゴシアンビジネスも発足させた。一方、ドメーヌ・ペゴーの生産ラインナップにCuvee Da Capoという新しい風を吹き込んだ。このワインはファーストVTの1998年でいきなりパーカーポイント99点を叩き出し、その後4ヴィンテージ連続で100点を取るという偉業を成し遂げた。
さらに2012年にはシャトーヌフから6km南に離れたエリアに土地を購入。手に入れた畑たち-Cotes-du-Rhone-Villages (5 ha)、Cotes-du-Rhone (25ha)、Vin de France (11ha)-からシャトーヌフよりもリーズナブルなラインナップとなるChâteau du Pégauをスタートさせた。また2021年にはシャトーヌフのDomaine Porte Rouge(4ha)を購入した。このドメーヌはローランスの娘ジュスティーヌが栽培と醸造を見ている。
畑
ペゴーはローヌ全体で70haを超す畑を所有しており、そのうち24ha(赤21ha、白3ha)がシャトーヌフのアペラシオンにある。AOCシャトーヌフは5つの村から構成されるが、ペゴーの畑は東側(クルテゾン村とベダリッド村)に広がっている。かの有名なLa Crauには複数区画を所有している。
ペゴーは13品種のブドウを育てていることでも知られている。黒ブドウはグルナッシュが80%を占め、シラー、ムールヴェードル、サンソー、テレ・ノワール、ヴァカレーズ、クノワーズ、ミュスカルダン。白はクレレットが約半数を占め、グルナッシュ・ブラン、ブールブーラン、ピクプール、ルーサンヌ、ピカルダンとなる。
シャトーヌフは赤・白それぞれで複数のキュヴェを展開している。赤はスタンダードなCuvee Reserveeと熟成期間の長いCuvee Laurenceは複数区画のブレンドとなる。このため土壌も幅広く丸石、粘土、石灰岩、砂が混ざる。上級のCuvee Da CapoはLa Crauの砂地に植わる樹齢100年超のグルナッシュがメインに使用される。なお近年リリースされたローレンスの初孫記念ワインEllaはDa Capoのバレルセレクションとなる。ここまでの4キュヴェは13品種全てがブレンドされている。この他に近年リリースされたPOLがあり、このキュヴェはLa Crauのグルナッシュとサンソーが50%ずつブレンドされる。一方で、白はスタンダードのCuvee Reserveeも上級のCuvee A Tempoも複数区画のブレンドとなっている。
醸造
ペゴーのワインメイキングの特徴は全房と長期熟成である。手摘みで収穫されたブドウは全房のままコンクリートタンクへと運ばれ、天然酵母による発酵が始まる。マセラシオンは12日前後で、プレス後に古い5000Lのフードルに移してキュヴェ毎に24~48ヶ月の熟成を行う。その後、無清澄・無濾過でボトリングとなる。スタンダードキュヴェであってもフードルで二夏を超すため、ペゴーのワインはウェイトがあるが口当たりは非常に滑らか。なお、POLとEllaはバリックで熟成され、前者はギガルのChateau d’Ampuisの古樽が使用されている。
一方白ワインは、スタンダードのCuvee Reserveeはステンレスタンクで約1ヶ月発酵させ、そのままステンレスタンクで8ヶ月熟成させる。上級のCuvee A Tempoでは卵型のコンクリートタンク、卵型のサンドストーンタンク、古樽を組み合わせて発酵を行う。20ヶ月熟成させた後にブレンドしてボトリングとなる。
味わい
ペゴーのシャトーヌフは完熟したチェリーやラズベリー、ブラックベリー、ブラックオリーヴに加えて、肉のようなセイボリーさ、フローラルなスミレ、ガリーグやホワイトペッパーのスパイスが溶け込む複雑なアロマを持つ。フルボディで凝縮感があるが、質感はヴェルヴェットのように滑らか。タンニンは丸みがあって密度のあるフルーツをしっかりと支えており、甘さとセイボリーさが調和したシルキーなフィニッシュを持つ。
白のシャトーヌフは洋梨、白桃、パインアップル、メロンなどの果実にスプリングフラワーやハーブ、ジャスミンのニュアンスが混ざるアロマを持つ。ミディアム-フルボディで丸みがあり、しなやかで豊満なスタイル。包み込むような口当たりを持つが、鋭さのあるフレッシュな酸が完熟果実を見事に支えることで焦点がブレずに定まっている。長いフィニッシュには塩気を感じるチョーキーさがある。
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