シャンパーニュの大言壮語に反して、売上不振

シャンパーニュの大言壮語に反して、売上不振

シャンパーニュ地方当局がこの地方のワインを持ち上げている一方で、売り上げは減少の一途をたどっています。


2023年、シャンパーニュは華々しく幕を開けました。2022年の売上高は過去2番目に高く、年間売上高は€65億に達しました。さて、一体どこに問題があったのでしょうか?

 

当時、アペラシオンの2人の共同会長、David ChatillonとMaxime Toubartによれば、シャンパーニュはコロナ禍の行き詰まりを克服し、消費者のシャンパーニュに対する欲求は飽くことなく続いていたという事です。両者は当時、3億2500万本が新たな販売目安になるだろうという声明を発表しました。

 

その自信は昨夏、シャンパーニュが過去10年で2番目に多い1ha当たり11,400kgの収穫量を記録し、およそ3億2,300万本に換算された事によります。また、2023年の収穫では、シャンパーニュのバッファー・システムである個別リザーブ(RI)が増加し、生産者は豊作の年に多く収穫し、量と(少なくとも理論的には)品質が不足する年にリザーブを使用する事ができるようになりました。リザーブの上限1ha当たり8,000kgから10,000kgへの変更は、今日の不安定な天候の中で高まる市場の需要に応えるために必要な事でした。

 

しかし、その時すでに売れ行きは大きく衰え始めており、Chatillonは2023年の予測を3億2500万本から3億1400万本に修正し、アペラシオンは3億1500万本が今後の需要になると確信していると付け加えました。とはいえ、月日が経つにつれ、売上は減少を続け、シャンパーニュの年間売上はわずか2億9,900万本と、2022年よりも2,700万本減少し、前年比8.2%減となりました。

 

浮き沈み

それ以来、シャンパーニュ委員会()とその2人の共同会長は、その広報活動において方針を変え、売上の落ち込みを「予想通り」「コロナ禍以前の正常な状態に戻った」と表現し、過去2~3年のシャンパーニュに対する消費者の需要の増加について彼らが述べたかもしれない事については、まるで記憶喪失のようです。また、過去20年間で、販売量が3億本を下回ったのは4回しかない(2009年の2億9,300万本、2019年の2億9,700万本、2020年のコロナ危機ピーク時の2億4,400万本、2023年の2億9,900万本)という事実さえも忘れているようです。

 

さらに、2024年のスタートは期待できず、その結果、売上はさらに減少しています。2億9,290万本という2月末時点の移動年間合計(MAT)は、2020年のコロナ禍による落ち込みを除けば、過去20年間で最低です。これまでのところ、アペラシオンの2人の共同会長から、売上が減少し続けていることについてのコメントは出ておらず、彼らはWine Parisで記者会見を開き、シャンパーニュの未来が明るい理由を繰り返し述べました。言うまでもないですが、その際、販売数については言及されませんでした。

 

販売本数は下降線をたどったものの、販売額はほぼ維持されたため、明るい兆しも見えています。最終的な数字はまだ正式発表されていませんが、Chatillonによれば、約€62億で、過去2番目に高い販売額であり、2年の間に2,100万本の差があるとしても、2021年の販売額を€5億上回っています。この堅調な売上高の数字は、輸出販売の市場シェアが拡大した事と、販売するキュヴェの種類がさらに多様化したことに起因しています。例えば、2021年には輸出売上が全体の56%(1億7,960万本)を占めていましたが、2023年には輸出市場シェアが57.4%(1億7,170万本)とわずかに増加しています。これらの数字から、プレステージ・キュヴェ、ヴィンテージ、ロゼワインのシェアが拡大し続け、エントリー・レベルのノン・ヴィンテージ・キュヴェが不利になっていることが推測できます。

 

主要市場

フランスは、昨年の1億3,840万本から8%減の1億2,730万本と、依然としてシャンパーニュ最大のボリューム市場です。アメリカは数量、金額ともに最大の輸出市場であることに変わりありません。数量では3,370万本から2,690万本へと20%減少し、金額では€9億4,700万から€8億1,000万へと、14.5%減少しました。数量では2年連続の減少となったものの、2019年の水準である2,570万本を上回っています。

 

英国は依然として数量、金額ともに第2位の輸出市場で、2023年の販売本数は2,550万本(2022年比8%減)、金額は€5億5,000万(1.1%増)と過去最高を記録しました。しかし、2019年と比較すると、販売金額は同期間に増加しているにもかかわらず、販売数量は6.2%減少しました(2019年、英国は数量ベースで最大の輸出市場だった)。

 

日本とドイツは輸出市場第3位と第4位の地位を維持。日本の販売量は2022年の1,660万本から2023年には1,530万本へと7.8%減少しましたが、販売額は3.5%増の€4億5,770万となりました。日本の2023年の販売本数も、コロナ前の水準を6.5%上回ります。2019年との比較ではドイツの販売数量は1,170万本と同水準ですが、2022年の1,230万本と比較すると4.9%減少しています。また、全体の金額は€2億6,800万、2022年比で8.5%増、2019年比で24.1%増と大幅に増加しています。

 

イタリアは輸出市場第5位の座を固め、販売額は前年比6.3%増加しましたが、販売量は2022年の1,060万本から2023年には990万本へと6.4%減少しました。8位のスイスも同様の傾向にあり、販売額は12%増加しましたが、販売量は4.7%減少しました。

 

オーストラリア(6位)、ベルギー(7位)、スウェーデン(10位)のシャンパーニュ販売量は、2022年と比較して、販売量(それぞれ15.2%、22.3%、18.4%)、金額(それぞれ7%、8.5%、14.3%)ともに減少しています。トップ10で唯一異なるのは9位のスペインで、2023年の販売量は2022年比で数量(2%増)、金額(14.6%増)ともに増加し、販売量は2019年比で12%増加しました。

 

地盤沈下

これらの数字をより批判的に分析すると、伝統的にノン・ヴィンテージ・シャンパーニュが多く消費されてきた市場(フランス、ベルギー、ドイツ、オランダ)では、販売量が減少または横ばいになっていることが目立ちます。さらに、このデータをこれらの市場における他のスパークリングワインの売上データと照らし合わせると、スパークリングワイン全体の売上がわずかに減少していても、プロセッコ、カヴァ、クレマン、ゼクトの売上がシャンパーニュの売上よりもはるかに好調であることに気づきます。

 

この現象について最も一般的な理由は、インフレと他のスパークリングワインとシャンパーニュの価格差です。しかし、ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュのほとんどについて、単にコストパフォーマンスに欠けるという理由が挙げられることはほとんどありません。ボトル価格が上昇したのは、ブドウの価格と製造にかかる費用が上昇したからであり、ブドウ栽培者やメゾンが品質向上のために投資したからではありません。それゆえ、多くのノン・ヴィンテージ・シャンパーニュは、その価格に見合わない、非常に物足りない、あるいは平均的な飲み心地を提供していると言えます。

 

結論を言うと、2月末時点のシャンパーニュの販売量は、2020年のコロナ禍の不振を除けば、過去20年間で最低となりました。販売量は12ヶ月連続で減少(しばしば2桁減)しており、MATは前年比10.6%減となりました。フランス国内でも輸出市場でも販売は低迷しており、2024年最初の2カ月間の輸出販売は前年比18.6%減となっています。この売上損失は主に大手メゾンによるもので、1月と2月の売上は前年同期比で17.9%減少しています。一方、在庫水準は2022年から2023年の間に6.2%増加しており、これはおよそ4年分の在庫に相当するものです。

 

CIVCの共同会長は、このような事態を前にして、沈黙を守り、状況を正常化しようとしたり、シャンパーニュの未来が明るい理由を述べたりしています。とはいえ、産地の利害関係者間の不安定なバランスを維持したいのであれば、消費者の目にシャンパーニュの魅力が映し出されるような創造的な解決策を打ち出す必要があるでしょう。そして、その結果、販売力が再燃する事でしょう。

 

引用元: Sales Slump Despite Champagne’s Big Talk
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