発酵

ボルドーの2021年~静寂のヴィンテージ~

今、ボルドーから聞こえてくるのは聞き慣れない音―――それは「静寂」の音です。   まだ全てのタンクにおいて発酵が完了しているわけではありません。既に発酵を終えたタンクのうち、マロラクティック発酵をしたものはごくわずかです。生産者がそのヴィンテージの品質や性質について意見を述べるには、まだ非常に早い段階にあるといえるでしょう。   とはいえ […]

カリフォルニアが夢見るグレート・ヴィンテージ

カリフォルニアでは長い間、ヴィンテージの概念は重要視されてきませんでした。しかし今ではフランス同様に重要視されていますが、それは偉大なヴィンテージを称えるものではなく、不作のヴィンテージを避ける目的で用いられます。   ナパ・ヴァレーでは 10 月初旬、2021 年のカリフォルニアを定義づけていくであろう、カベルネ・ソーヴィニョンの収穫を行っていま […]

オレゴンが酷暑を制するヴィンテージ

もしもあなたがオレゴンワインに関心があるのなら、6 月 28 日にセイラム市で観測された 47 ℃の気温を見て辟易としたことでしょう。 2021年の気候 2021年夏にオレゴンを襲った衝撃的な熱波は、山火事や煙害によって収量が29%も減少し、その品質にも影響を及ぼした 2020 年の直後に訪れました。しかし、幸いなことにこの記録的な暑さは開花とヴェレゾンの間 […]

サンジョヴェーゼは市場で足場を得ることができるか

  国内市場で成功すると、その実力をより広範囲なエリアで試したくなるのは当然のことですが、一つの分野で成功したからといって別の分野で広く認められるというわけではありません。   サンジョヴェーゼは長い間愛されてきたイタリアの赤ワインで、イタリア国内における植樹の10%をサンジョヴェーゼが占めています。溌剌とした酸と芳醇なフレーバー、そして […]

コトー・シャンプノワの未来

  シャンパーニュの大手メゾンLouis RoedererやCharles Heidsieckがシャンパーニュでスティルワインのリリースを始めると聞いたら、あなたはシャンパーニュが変動期にあることを悟るでしょう。   変動期の要因はもちろんその気候にあります。シャンパーニュが傑出したスパークリングワインを生産できる理由は、シャンパーニュが […]

シャンパーニュの注目すべき2ヴィンテージ

  近年のシャンパーニュにはあまり良いニュースが見受けられませんでした。   パンデミックと近年の自然災害の狭間で、どういうわけかワイン業界はシャンパーニュの秀逸なヴィンテージを見逃しているようです。   災害にも見舞われず豊作となった2018年は予想通り評価誌で称賛の言葉を受けましたが、2019年と2020年については多く語ら […]

ノンアルコールワインの未来

2020年には多くの変化がありましたが、各国におけるアルコールとの付き合い方もその例外ではありません。   自粛期間の影響により飲酒量の増加を予想した人もいるかもしれませんが、消費者の傾向はむしろその逆だったようです。アルコールに関して言えば、低アルコールやノンアルコールがより主要なものになりました。 2020年のような困難な年に、なぜ消費者(そして生産者) […]

ワインの欠陥 = 「蓼食う虫も好き好き」

    ワインの欠陥は目新しいものではありませんが、それをめぐる議論は確かに変わりました。以前は欠点として認識されていた過剰な揮発酸(VA)、ブレタノマイセス(ブレット)、還元、マウス臭などは、今では消費者や専門家から受け入れられています。多くのワイン専門家と話をしてどの欠陥なら許容できるかを調べましたが、意見は実に様々でした。   欠陥 […]

無糖のシャンパーニュは一般的になるか?

  2014年、Louis Roedererがメゾン初となるドサージュ・ゼロのヴィンテージ・キュヴェ”Louis Roederer Brut Nature 2006”をリリースしました。それはヴィンテージ・シャンパーニュを最も純粋な形で享受できる機会なので、ワイン・オタクの人々にとっては喜ばしいことです。リザーヴ・ワインやドサージュのない、そして何よりも糖分 […]

極力手を加えない(ハンズオフ)なワイン造りの台頭

  なぜ世界中の多くのワイン生産者が、手を加えない「ハンズオフ」の考え方を取り入れるのでしょうか? ハンズオフとは簡単に言うと「有機栽培、果汁の操作は極力少なく、少量のSO2を除いて何も加えない」というアプローチのことです。 環境に優しく添加物を最小限に抑えるやり方は評判が良く、こうした手を加えない醸造は世界中の生産者が好むスタイルになっています。 一方でこ […]

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