メルロ

ボルドーの2021年~静寂のヴィンテージ~

今、ボルドーから聞こえてくるのは聞き慣れない音―――それは「静寂」の音です。   まだ全てのタンクにおいて発酵が完了しているわけではありません。既に発酵を終えたタンクのうち、マロラクティック発酵をしたものはごくわずかです。生産者がそのヴィンテージの品質や性質について意見を述べるには、まだ非常に早い段階にあるといえるでしょう。   とはいえ […]

サンジョヴェーゼは市場で足場を得ることができるか

  国内市場で成功すると、その実力をより広範囲なエリアで試したくなるのは当然のことですが、一つの分野で成功したからといって別の分野で広く認められるというわけではありません。   サンジョヴェーゼは長い間愛されてきたイタリアの赤ワインで、イタリア国内における植樹の10%をサンジョヴェーゼが占めています。溌剌とした酸と芳醇なフレーバー、そして […]

オレゴンワインの変化

ここ数年の猛暑と山火事は、ピノ・ノワールの産地として有名なオレゴン北部よりも、より気温が高くなりがちなオレゴン南部に大きな被害をもたらしています。その結果、生産者たちはそのような過酷な環境下で収穫をしなければならなかった従業員と、ブドウを守るために様々な対策を講じています。   対策の具体例としては、新たな品種への注力、早い段階での収穫、灌漑の頻度 […]

カベルネ・フランの栄光への挑戦

ボルドーのアペラシオンからは排除され、生産者からは嘲笑され、そして常にメルローの支配下にあったカベルネ・フランの歴史は決して輝かしいものではありませんでした。   確かにロワール地方のシノンで生産されるフレッシュでジューシーなカベルネ・フランや、Cheval Blancにおけるカベルネ・フランの重要な役割を指摘することができるかもしれません。また、 […]

ドイツ産リースリングと気候変動

近年の気候変動はドイツの森林と多くの農業従事者に壊滅的な影響を及ぼしています。   ドイツの農林大臣によると森林はかつてないほどのスピードで枯渇しており、暑く乾燥した気候と害虫の影響で、トウヒの79%、松の木の80%、オークの80%、そしてブナの89%が甚大な被害を受けていると警告しています。   中央ヨーロッパの植物は近年の気候に耐え忍 […]

カリフォルニアの収穫レポート2020

    カリフォルニアの収穫量がここ10年で最低だったというニュース(California Grape Crush Report)の報告は、昨年の壊滅的な山火事の影響を鑑みると驚くことではないでしょう。2020年の収穫量は350万トンで、2019年より14%減少しました。   9月に山火事の被害を受けたナパとソノマにおける収穫量減少が顕著 […]

ボルドーの新品種は地球温暖化の救世主となるか

  2019年6月、ボルドーは今までAOCの規定で使用が認められていなかった品種をフランスで初めて認定しました。今回新たに認定されたブドウ品種は、白ブドウ品種のプティ・マンサン、黒ブドウ品種のマルセランやトウリガ・ナショナルなどの品種です。近年、地球温暖化による気候変動がブドウの成長環境に大きな影響を与えていますが、新たな品種の導入によって解決策が見出せるか […]

2020年ボルドーの収穫

  難しい天候やコロナ下での収穫にもかかわらず、ボルドーの2020年は思いのほか良さそうです。 「2020年を3つの言葉で要約するならそれは、暑い、暑い、暑いでしょう」とChâteau BrownのJean-Christophe Mauは言います。 慎重派からは、2020年はGood – Very Goodとして評価されているように、生 […]

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