Agrapart et Fils（アグラパール・エ・フィス）

「私は、土壌に対する姿勢はブルゴーニュ的だが、ワインづくりにおいてはきわめてシャンパーニュ的だ」

コート・デ・ブランのレコルタン・マニュピュラン（RM）生産者の大御所、アグラパールの当主のパスカル・アグラパールは語る。

グラン・クリュ アヴィズ村に本拠地を置くアグラパールはコート・デ・ブランのテロワールを知り尽くした、シャルドネの天才的な表現者でありRMブームを初期から牽引し続けている。

現在も、シャンパーニュで注目を集めるRMの有志のグループ『テール・エ・ヴァン』の中心人物の1人。

彼のブドウ畑は、どこよりも几帳面に、折り目正しくしつらえられている。

この精緻なラインから生み出されるシャンパンは、だらしなさや過度な抽出のかけらも見当たらず、ただひたすらに美しいブラン・ド・ブランである。

■歴史

1894年　設立

コート・デ・ブラン地区のグラン・クリュ、アヴィズ村にアルチュール・アグラパールにより設立。

1950年～1960年　畑の拡張

孫息子のピエール・アグラパールがワイナリーを引継ぎ畑を拡張。

現在は本拠地のアヴィズを中心に、同じくコート・デ・ブラン地区のグラン・クリュであるオジェ、クラマン、オワリィ、さらにプルミエ・クリュのベルジェル・レ・ヴェルチ、アヴネイ・ヴァル・ドール、マルドゥイユに合計12haのシャルドネの畑を所有している。

1983年　パスカル・アグラパール

父からワイナリーを引き継いだパスカルは、所有畑の8割がグラン・クリュ、平均樹齢約40年という好条件を生かし、素晴らしい畑のテロワールを表現することに尽力した。

栽培手法はビオディナミだが殊更にその手法をアピールすることは無く、あくまでもテロワール表現のための手法としか考えない。

シャンパーニュの生産者ながら、とにかく畑仕事を第一に考える、極めてブルゴーニュ的な思考を持った造り手だ。

研究熱心な彼は、近年馬による耕作や古代品種の混植など新しい事にも果敢に挑戦しており、ブラン・ド・ブランのRM生産者としてトップを走り続けている。

■特徴

彼の卓越した技術が特に光るのはその樽使いだ。

「樽は古ければ古いほど良い」と語る彼は新樽を一切使わず、醸造からリザーブワインの保存まで、一般的な樽の倍のサイズに相当する600Lのデュミ・ミュイ樽を使用。

区画毎に樽とステンレスタンクを使いこなしながら熟成。

翌年5月の満月時に清澄、無濾過で瓶詰めされ、最低3年間の瓶熟成を行っている。　

樽の雰囲気を感じさせない。

この絶妙な樽使いによってブラン・ド・ブランとしてはリッチでありながらもキレのある味わいとなる。

■ラインナップ

（数値はヴィンテージによって変更がある）

7 Crus Brut（セット・クリュ）

Blanc de Blancs Terroirs Extra Brut Grand Cru （テロワール）

Complantée Extra Brut Grand Cru （コンプランテ）

Blanc de Blancs Minéral Extra Brut Grand Cru（ミネラル）

Blanc de Blancs Avizoise Extra Brut Grand Cru（アヴィゾワーズ）

Blanc de Blancs Vénus Brut Nature Grand Cru（ヴェニュス）

Blanc de Blancs Expérience Extra Brut Grand Cru（エクスペリエンス）

■生産者情報