Fixin(フィサン)
プルミエ・クリュ獲得へ向けて絶賛邁進中
目次
■特徴
教会の勢力が活発だったためワイン造りの歴史は古く、11世紀の初頭からブドウ栽培されていた記録が残っている。
栽培面積約100haとややこぢんまりとしたフィサンは、人気アペラシオンであるジュヴレ・シャンベルタンに隣接しており、中々フォーカスされることがない。
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュを名乗ることもできるため、フィサンの名を冠せず販売をされることもあった。
しかし実は5つのプルミエ・クリュを擁しており、そのうちのいくつかの畑はその昔グラン・クリュと同格とも評されていた、隠れた優良産地でもある。
頑丈で逞しいスタイルで、ややエレガントさに欠けるが長期熟成のポテンシャルを兼ね備えている。
テロワール
基本的に斜面は東から南東向き。
村の南側の斜面上部は勾配15°と急な斜面となっており、5つのプルミエ・クリュが密集している。
その下部に集落を挟んで7°~8°ほどのなだらかな傾斜で段々畑が広がる。
特徴的な濃い色調と強いタンニンは、土壌の基本組成が小石混じりの肥沃な褐色石灰岩であることに由来するだろう。
特にプルミエ・クリュの畑ほどジュヴレ・シャンベルタンに似ていて、石灰質が強くなる。
プルミエ・クリュ
斜面上部に密集する6つのプルミエ・クリュの中で最も評価が高いのがクロ・ド・ラ・ペリエール。
過去、ある時期にはグラン・クリュ並みの価格で販売されることもあった。
それからしばらく名声は影をひそめるのだが、近年大きな動きを見せている。
この畑を代々所有するジョリエ家のベニーニュ・ジョリエが舵取りをするようになり、フィリップ・シャルロパンをコンサルタントに迎え大幅な値上げをした。
過去の栄光を取り戻すかのように現在特級への昇格申請も行われている、現在ホットな畑である。
隣接するクロ・デュ・シャピトルは礫が混じっており白ワインが高く評価される。
両者とも石灰岩の比率がやや高いが、レ・ゼルヴレとレ・ザルヴレは砂が多く表土が薄いためやや軽やかで柔らかい印象になる。
『冬のワイン』と形容されるほど力強くタニックで、逞しいフィサン。
多くの人の目に留まっていないのだが、ベルギーやスウェーデンなど寒さの厳しい北欧で人気を博している。
ほかのコート・ド・ニュイの値段が高騰する中でこのアペラシオンを野放しにする手はないのではないだろうか。
■データ(出典:ブルゴーニュワイン委員会)
栽培面積 | 約100ha |
土壌 | 小石混じりの肥沃な褐色石灰岩 |
生産量 | |
ワイナリー数 | |
グラン・クリュ | 0 |
プルミエ・クリュ | 6 |
栽培品種 | ピノ・ノワール、シャルドネ |
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