Mount Veeder(マウント・ヴィーダー)

山側AVAで最も冷涼なマウント・ヴィーダー

高い標高×海に近い×東向き斜面の組み合わせは

かっちりとした堅牢なカベルネを生む

マウント・ヴィーダーはナパ・ヴァレーAVA内にあるサブリージョンの一つで、ナパとソノマを分けるマヤカマス山脈の東向きの斜面に位置する。いわゆる山側AVAの一つで、マウント・ヴィーダーの南には冷涼なカーネロスが見え、東にはオークノールとヨントヴィルが隣接する。

ブドウ栽培が始まったのは19世紀中頃だが、現在山の斜面に見られる畑の多くは20世紀になってから作られた。1960年代までは禁酒法によってブドウ栽培が下火となっていたが、禁酒法撤廃後はナパ・ヴァレー全体でワイン産業に再び火がついた。マウント・ヴィーダーがAVAに認定されたのは1990年のことであった。
・ヴァレーの中でも比較的規模の大きなAVAの一つだが、ゴツゴツした険しい山エリアであるためにブドウの植樹エリアは最小と言えるほどに少ない。

Mayacamas Vineyards(マヤカマス・ヴィンヤーズ)はこの地で最も有名なワイナリーの一つであり、またJackson Family(ジャクソン・ファミリー)のプレミアム・プロジェクトであるLokoya(ロコヤ)やPulido Walker(プリド・ウォーカー)、Hess Collection(ヘス・コレクション)などから最高峰のカベルネ・ソーヴィニヨンが産出されている。

 

ナパ山側のAVAは基本的に霧の上層に位置しているため、霧によって太陽が遮られる谷底のAVAよりも日照時間が長い。一方で、標高が高いがゆえに冷涼効果も発生し、夏の気温は谷底と比べて約10℃涼しく、真夏でも30℃を下回ることが多い。すなわち、日中暑く夜間〜朝方にかけて冷える谷底ほど極端な気温差が生まれず、日較差が小さくなるという特徴がある。AVAの名前の元となったマウント・ヴィーダーの山頂は標高800mを超えるが、最も高い畑は山頂の少し下に位置する。多くの畑は標高420-430mあたりに見られる。ゴツゴツとした山岳地帯であるためブドウ栽培は簡単ではなく、パッチワーク状に広がる畑では常に手作業が求められるが、厳しい環境だからこそ素晴らしいワインは生まれる。

・ヴァレーの地図を上から見ると、マウント・ヴィーダーはサン・パブロ湾に近いことがわかる。基本的に南に行くほど(海に近づくほど)涼しくなるナパ・ヴァレーにおいて、この地は海からの冷気を受けつつも、霧の上層にあるため霧がかるカーネロスほど冷涼にならない。また、エリア全体として東を向くため、午後の強烈な西日ではなく柔らかい朝日を受ける。海への近さと東向きというこの2つの組み合わせによって、マウント・ヴィーダーの気候はナパ山側のAVAで最も冷涼となる。このためカベルネ・ソーヴィニヨンは非常にタニックかつフレッシュな高い酸が特徴となり、長熟のポテンシャルに優れる。また清涼感のあるミントのニュアンスも感じられる。一方、山の向かいにあるアトラス・ピークも比較的海に近く冷涼とされるが、西向きであるためにもう少し暖かい気候が形成され、完熟感とアルコール感がやや強く感じられる仕上がりとなる。

ナパの土壌は多様だが、一般的に山側は表土が薄く栄養素に乏しい。マウント・ヴィーダーの土壌はもともと海底だった部分が隆起してできたため堆積岩がベースとなる。畑では石や粘土の他に砂質ロームが見られ、火山性物質が混ざっている。この土壌と急な斜面という組み合わせは素晴らしい排水性を生み、ブドウ木は生きのびるために必死になる。このため収量は自然と低くなり、サイズは小さいが凝縮した質の高いブドウが取れる。マウント・ヴィーダーの平均収量はナパ・ヴァレー全体の約半分程度である。

 

味わいの特徴

一般的にナパ山側のカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴として挙げられるのは、より粗野な性格であること。チャーミングな谷底とは異なり果実味は控えめで、ミネラル感や土っぽさがより強調され、タンニンはかっちりしている。谷底よりも味わいの枠組みや骨格がしっかりと感じられる。この理由は、表土の薄い痩せた山の土壌ではブドウがより小さな粒をつけるため、果汁に対する果皮の割合が多くなるからである。つまりタンニンの量が多いのである。またとりわけマウント・ヴィーダーにおいては、標高が高い×海に近い×東向きという条件が重なることで最も冷涼な気候が形成されるため、酸が高くタンニンの質感も硬くなる。こうしたワインは美味しく飲むまでに時間がかかるが、熟成すると非常にしなやかでなめらかなテクスチャーが現れる。フレーバーの印象としてはブラックカラント、ブラックチェリー、ワイルドベリー、スパイスボックス、アニス、エスプレッソ、杉にセージやミントなどがある。

マウント・ヴィーダーではカベルネ・ソーヴィニヨンがアイコン品種だが、それ以外ではメルロー、、ジンファンデルやシラーなどが見られ、白ではシャルドネ、、ヴィオニエなどが植えられている。

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