Pessac-Leognan(ぺサック・レオニャン)、Grave(グラーヴ)
誰もがよく知らない、ボルドーワイン発祥の地 軽くしなやかな赤、バリエーションに富んだ白
目次
■特徴
ぺサック・レオニャンと聞いて思い浮かべるものはなんだろうか。
これといった特徴がぱっと出てくる方は決して多くないと思う。
左岸とひとくくりにされているが、メドックを雄弁に語れるワイン通でもペサック・レオニャンというと口ごもる。
それだけこの土地はよくわからず、ベールに包まれている。
その原因の1つが格付けにあると思う。
1855年、メドック60のシャトーが格付けされたが、ペサック・レオニャンを有するグラーヴ地区は対象外となった。(シャトー・オー・ブリオンだけは例外的に格付け入り)
これに腹を立てたグラーヴ地区の生産協同組合は格付けが欲しいとゴネにゴネた公的機関に要請して、格付けが始まったのが1953年とメドック格付けの100年も後になってからのこと。
1959年には政府にも正式に承認され、現在の16シャトーの赤ワインと白ワインが格付けされた。
しかしそれはシャトー・オー・ブリオンを除きアルファベット順に並んでいるだけで、ソムリエ試験を終えれば即座に忘れ去られてしまう情報の1つとなっている。
歴史
そんなペサック・レオニャンだがメドックがまだ沼地だったローマ時代からワイン造りが行われていた歴史がある、いわばボルドーワイン発祥の地でもある。
格付けの制定以降、地価とワイナリーの知名度も上がり投資とシャトー所有者の交代が頻繁に行われてワインの品質も向上していった。
現在ではボルドー市街にまたがっていることもあり、商業施設や住宅地の中に突然ブドウ畑が現れる。
ちなみに醸造家の卵が通うボルドー大学はシャトー・オー・ブリオンから徒歩15分。例えるなら慶応大学から品川駅くらい。
ボルドーブランの産地として
他のボルドーのアペラシオンと大きく異なるのは、赤ワインだけでなく白ワインが特に有名ということ。
土壌は非常に水はけのよい砂礫質を中心に粘土、砂、石灰岩、砂利の入り混じり非常に複雑。さらに石英が混じり黒ブドウ、白ブドウどちらにも対応できる多様な土地。サンテステフまで車で2時間また、海から近く南にあるためメドックよりも暖かい。
赤ワインはメドックのワインによく似ているが全く違う。軽くしなやかでエレガントで比較的若いヴィンテージでもとっつきやすく香りに富んでいる。
白ワインはロワールに続くソーヴィニヨン・ブランの銘醸地で、セミヨンと少量のミュスカデルが栽培されている。名産品の牡蠣に合う軽いドライな味わいのワインから20年以上の熟成に耐えうる、世界でも随一の高級ワインができる。
格付けシャトー
Ch Bouscaut 赤と白
Ch Carbonnieux 赤と白
Domaine de Chevalier 赤と白
Ch Latour-Martillac 赤と白
Ch Malartic-Lagravière 赤と白
Ch Olivier 赤と白
Ch Couhins 白
Ch Couhins-Lurton 白
Ch Laville Haut-Brion 白
Ch de Fieuzal 赤
Ch Haut-Bailly 赤
Ch Haut-Brion 赤
Ch la Mission Haut-Brion 赤
Ch Pape Clément 赤
Ch Smith Haut Lafitte 赤
Ch la Tour Haut-Brion 赤
■データ(出典:ボルドー委員会)
栽培面積 | 1,435ha |
土壌 | 主に砂礫質で、砂や粘土などの多様な土壌が混じる |
生産量 | 万btl |
格付けシャトー数 | 21 |
栽培品種 | (赤)カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、カルメネール、マルベック(白)ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデル |
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