マコンという産地は、ブルゴーニュ地方のワインでありながら長きに渡って不遇な地位にありました。「まあ、特に良いところも悪いところもない無難なシャルドネだな…」的な、薄めの期待感。いや、大手ネゴシアンが大量生産する薄っぺらなマコンを飲んでみると、その低い評価に納得するものが多いのも事実です。
しかし、大半のブドウ栽培者がネゴスにブドウを売却しているこの地域に変革を起こし、鮮烈なクオリティで世の偏見を覆した男が。クリストフ・コルディエ、その若き新星は特に気負いもなさそうにあっさりとマコンに対する世の価値観を変え、ブルゴーニュワイン専門評価誌に「ブルゴーニュNO.1の生産者は彼だ」とまで言わしめました。フィラディスでは、メルキュレと並ぶ改めて着目すべき産地としてマコンを強くプッシュしていきます。ブルゴーニュ白をお手頃価格でしかも十分なコストパフォーマンスで、となればこのワインがワン・オブ・ザ・ベストチョイスであることを保証しますよ！！

≪こんな香り･味わいのワインです≫：
僕がこのワインで個人的に気に入っているポイントなんですが、冒頭から3段階に分かれて展開してきます。
まず最初の波は、香りの最初。洋梨を想わせるスッと抜けるような香りが甘-く漂うところ。「このワイン、絶対に旨い」と感じずにはいられない完璧なスタートです。
そして段階2、洋梨に続いて蜂蜜を絡めたナッツの甘く香ばしい香りが立ち上がってくるところ。まるでキャラメルポップコーンみたい。そしてほのかにカモミールのハーブ香、ここでもうハートはガッチリ掴まれています(何度飲んでも同じなんです)。
そして3段階目、パイナップルみたいに甘く柔らかな味わいが、余韻迄長く長く続いていく味わい。でも決して甘ったるくはなく、ミネラルの土台がワイン全体をゆるゆるにさせずしっかりと屹立させています。この価格帯のブルゴーニュ白でここまでの完成度、正直なかなか出会えるものではありませんよ。

≪良い状態で楽しむには、いつ抜栓する？≫：
事前の抜栓時間は正直あまり気にしなくても大丈夫です。開けたてから十分に美味しいので。ですがここは敢えて…ちょっと頑張って90分前に開けておいてみてください。タッチの滑らかさ、熟成によるナッツの香ばしさがグッと増して、僕にとっては黄金のバランスが完成する時間帯です。

≪このワインがもっとおいしくなる温度設定≫：
まずは飲む日の朝には冷蔵庫に入れておき、しっかり冷やしておきましょう。飲みはじめからはテーブルで好みの適温にまで上げていく…というのが良いと思います。若干温度が上がると果実味がよりふくよかに、コクも更に深まりますよ。

≪おすすめのワイングラス形状･サイズ≫：
やはりおすすめは中サイズ以上の丸型ブルゴーニュ型グラスですね。滑るようななめらかさ、そしてたっぷりの甘みから感じるリッチ感…それらを満喫するにはこれが最適。ボルドータイプのグラスだと酸がやや強めに出ますが、僕はこちらのバランスも結構好きでした。変化が大きいので、1本を色々なグラスで楽しみたくなります。