新たな品種に目を向け始めたブルゴーニュ
とどまることを知らない気候変動の脅威に対する防御策の一案として、ピノ・ノワールとシャルドネに代替するブドウ品種をコート・ドールで採用する計画がついに動き始めました。
ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)で副代表を務めるFrederic Barnierによると、既に代替品種の候補リストが上がってきているそうです。
新たな品種の候補
「既に約20余りの候補が上がっているので、そこから厳選していきます。ピノ系品種が有力ですがそれだけではなく、近隣で栽培されている品種も同時に探しています。そして外来品種も候補の1つです」と、Fredericは述べています。
近隣で栽培されている品種の一部は、ブルゴーニュの中でもとりわけ冷涼な気候を持ち、シャブリやイランシーが属するヨンヌ県にあります。この地域にある2つの珍しい品種(いずれもピノ・ノワールの子孫)が議論の対象になっており、ルーブロットという白ブドウ、そしてセザールという黒ブドウです。
「これら2つの品種は限られた潜在的な糖度とより高い酸度を持っているので、試してみる価値はあると思います」と、ブドウ品種専門家のJean-Michel Boursiquotは説明しています。
フランスのテレビ局France3は、「バランス感と潜在的な酸度が興味深い」としてジュラのサヴァニャンが候補になり得るとし、黒ブドウではシラーやネッビオーロ、ギリシャの地場品種クシノマヴロも調査対象になっていると述べています。そして、テスト目的での栽培が許可されているのはブドウ畑の僅か5%程度であることを指摘しています。
台木の可能性
さらに現在は台木の選択にも重きが置かれています。ブルゴーニュで栽培されているブドウ樹の95%がわずか5種類の台木のうちの一つに依存していることを考えると、より過酷な気候条件や特定の病害に対する耐性を高めてくれる台木の可能性を調査しながら、その多様性を高めていきたいとBIVBは語っています。
剪定や仕立て方法の代替を含む農業慣行の適応に加え、最大20種の新たな台木が候補に挙がっており、そのうち14種が有力だとされています。
しかしながら、新たな品種の使用はフランス全域で一般的になってきています。ボルドーでは既に新たな品種の採用が進められており、フランス南部では外来品種の栽培が進められていると、筆者はまとめています。
引用元:https://www.wine-searcher.com/m/2021/05/burgundy-eyes-alternative-varieties
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