Finger Lakes(フィンガー・レイクス)

「ニューヨーク州で最初に抑えておくべき重要産地

過酷な冬を生き延びる強靭なブドウから

引き締まった上品なワインが生まれる」

フィンガー・レイクスはニューヨーク州北西部に位置するワイン産地で、オンタリオ湖やカナダとの国境のすぐ下に位置している。州最大規模の畑(約3800ha)を持ち、ニューヨーク州が生産するワインの約80%がここからきている。

全米で最も寒い産地の一つであり、生育期が短く冬は凍てつくように寒い。以前は寒さに耐性があるハイブリッド品種のみ (コンコード、ナイアガラ、カユガ、ヴィダル) が植えられていたが、1951年に大学で実験が行われ、そこでヴィニフェラ種が導入された。品種は厳しい冬に耐えられるブドウとしてリースリングやカベルネ・フランが選ばれた。

 

フィンガー・レイクスは暖かい夏と凍てつく冬を持つ極端な大陸性気候である。AVAは11の指の形をした大小の湖にまたがるが、これらの水がなければヴィニフェラ種は寒すぎて育たない。湖自体はそこまで大きいわけではないが、深さがあるため(最も深いSeneca湖は約200m)、冬でも凍ることはない。

湖が畑にもたらす効果は実に様々である。まずは、湖が造るその地形にある。湖を取り囲むように斜面が広がるため、冷気は下部(湖の方面)に流れるようになる。この冷気が湖に到達すると水温によって温められていた空気が上昇する。するとそこに空間が生まれ、陸地からの冷気をより引き寄せることになる。こうして空気の循環が生まれる。

また、湖は湖水効果によって雪を発生させ、湿度によって空気を温めてくれる。さらに湖は秋に暖気を生み出すことで、ブドウの生育期を引き伸ばして完熟をサポートし、また秋霜のリスクも低減してくれる。一方、春には湖からの冷気が芽吹きを遅らせてくれるので、春霜のリスクを低減してくれる。畑にとってこうした自然による気温調節はなくてはならないものとなっている。

畑の大部分は冷気が湖へと逃げていく急な斜面に見られる。氷河に由来する肥沃な土壌と十分な降雨量があるので、大きなブドウ樹が低密樹で植えられているパターンが多い。スコット・ヘンリーなどの大型な仕立てが一般的で、キャノピーを水平か垂直に分けることで空気循環と日照効率を上げている。

 

味わいの特徴

フィンガー・レイクスで最も植樹されているヴィニフェラ種はリースリングである。多くの生産者が辛口から甘口まで幅広いスタイルを作っているが、最もメジャーなのは辛口〜中辛口のスタイルである。

ワインは高い酸を持ち、ボディはミディアム寄りでフレッシュなリンゴ、レモン、ピーチなどのフレーバーを持つ。アルコール度数はスタイルによって変化するが、甘口であれば低くなる。

多くのワインが嫌気的な手法で醸造され、ステンレスタンクでの低温発酵が主流となっている。一部の生産者は数時間のスキンコンタクトを取り入れてフレーバーやテクスチャーを強調させたり、あるいは発酵後に澱とのコンタクトを行うことでテクスチャーを向上させている。甘口ワインでは遅摘みまたは貴腐ブドウを使用したものか、あるいは発酵を早期に止めることで残糖を残している。

フィンガー・レイクスのリースリングはクオリティが高く、中には目をみはるものがある。辛口では小売価格2000円台のものが多いが、5000円前後の本格的なものもあり、甘口では8000円以上のプレミアムなものも見られる。

フィンガー・レイクスのワインは近年着実に品質を上げてきており、レッド・ニュート(Red Newt)やスタンディング・ストーン(Standing Stone)、ハーマン・J・ウィーマー(Hermann J Wiemer)、ドクター・コンスタンティン・フランク(Dr Konstantin Frank)らのまるでザールを思わせるような上品で熟成に耐えうるリースリングは注目に値する。

 

一方、ヴィニフェラ種の黒ブドウで最も植樹されているのはカベルネ・フランである。早熟でも晩熟でもなく寒さに強いため、この地で質の高いワインを生み出すことができる。生産者は昔に比べて新樽の使用を控えており、多くが樽不使用のカベルネ・フランを作っている。オークはフレンチかハンガリアンといった味への影響が少ないものが多い。ワインは通常ミディアムボディに中程度のタンニンを持ち、レッドチェリー、クランベリーにブラックプラムのフレーバー、草本植物のニュアンスが混ざる場合もある。品質は高く、小売価格3000円前後くらいのものから中には8000円近い本格的なものまである。他にはピノ・ノワール、シャルドネ、ゲヴュルツトラミネール、、メルロー、ピノ・グリなどが見られる。

 

交配品種やアメリカ系品種も決して忘れてはならない。こうした品種からのワインは基本的にカジュアルなものとなるが、その理由は栽培しやすい一方で、品質面ではヴィニフェラ種に及ばないことが挙げられる。しかしながら、ゲヴュルツトラミネールに似たトラミネット種や貴腐化しやすいヴィニョール種などはポテンシャルが高いと見られている。お隣カナダのオンタリオ州で見られるヴィダルもこの地でアイスワイン用に栽培されている。

 

 

 

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